2004年10月26日 from 首都圏
腹が減った!時計を観ると21時である。僕の仕事は、出張に出る時は出るけど、ここしばらくはデスクワークというか書き物中心だ。日本橋の丸善ビル近くにあるオフィスにて缶詰状態が続くもんで、結構平穏でつまらない。冒険するにはメシしかない状況なのである。
こんな日はガッツリ行きたいよなぁ、、、と思い、食い倒れ党広報部の加賀谷に連絡すると、「いーねぇーどっか行こうよ」と、相変わらず付き合いがイイ。ガッツリ食えるところ、、、味がグワッと濃くて、メシをガツガツと食えるところ、、、と考えて、ビカッと閃いた!
豊洲の「秀栄」だ!
この店を教えてくれたのは、国会議員秘書で、僕を国会議事堂内の食堂巡りに連れて行ってくれたモロイさんだ。そう、そんなエントリがあるので、まだ読んでない人はぜひ過去ログをどーぞ。
「すんごい盛りがよくて、注文したらすぐに出てきて、もちろん旨くてしかも安いという、最高な中華の店があるんだよ!」
とイチオシなので、しばらく前にオーダーストップ間際に滑り込んだのだ。時間もないので野菜炒めと肉中華丼を頼んだのだが、中華丼の盛りはまさに凄まじいモノであった。モロイさんの言葉は真実だったのだ。
「今度は腰を落ち着けて食いましょう!」
というモロイさんの言にうなずきつつ、時間が経ってしまった。
今日こそその日だ!
すぐさまモロイさんに連絡を入れると、すでに飯は食ってしまったが付き合ってくれるという。
日本橋から豊洲までは僕の愛機ブリジストンモールトンを駆って20分くらいだ。途中、月島で加賀谷と落ち合い、自転車二台で疾走する。豊洲のNTTデータのビルがそびえ立つ交差点に着くと、193センチの巨体を誇る元サッカー選手(ブラジルのチームに数年在籍)のモロイ氏が笑って出迎えてくれた。
そう、秀栄はこの豊洲交差点ぞいの駅ビル(ていうのかな)1Fという、絶好の場所にあるのだ。通常なら、何も営業しなくても人が入る場所だ。高くてちょびっとしか盛られていない料理屋でもそれなりに繁盛してしまうはずなのに、この店はそれを佳しとしないのだ!
■中華ダイニング 秀栄
東京都江東区豊洲3-3-3
03-3536-1908
http://www.toyosu.or.jp/toyosu/mi/SHUUEI/
店に入り一番奥のテーブルへ。
「今日は容赦しないぞぉ~」
とメニューをたぐる。ここのすごいところは、ほとんどの料理が500円から800円台なのだ。
一番高いのが海老レタスマヨネーズ和えで1200円だったか。しかも通常は1200円とかで出てくる料理の1.5倍くらいの盛りなのだ。
「ここは元々この場所できったない店で営業していて、豊洲駅の開発後にこうして綺麗になったんだよね。けど、綺麗になって値段が上がって量も少なくなるかと思ったら、まったく前と同じというウレシイ店なんだよ」
とモロイさんの解説がはいる。なるほど、心意気最高ではないか!その心意気に答えるため、容赦なくどしどしと料理を頼んだ。頼むと、大体4分くらいで料理がズバッと運ばれてくる。本当に早業なのである。
■セロリとイカの炒め物(たしか750円)
イカなどの海鮮は、しかるべき下ごしらえをしているか否かでその歯応えが全く変わる。この店のイカは適温で油通しが成されていて、ブリンブリンにしてくにゃくにゃ感のある官能的な食感だった。旨い。
■ナス味噌炒め(750円)
ぐわっヤラレタ!こういう濃いプレゼンテーションに俺は弱い!さっそく飯がくいたくなってしまったが、グッと我慢して熱々の味噌でテラテラになったナスと豚肉を口に放り込む。
ジュクジュクに揚がったナスと豚が、甜麺醤の濃厚な甘さに絡め取られて最高!俺はこれでご飯二杯食べられるな。
■ニラ卵炒め(600円)
運ばれてきた皿を観て、加賀谷が思わず「これ、銀座の中華料理店で食べる量と全然違う、、、」しかも値段も違うのである。野菜たっぷりぎっしり、このご時世に偉いとしかいいようがない。ニラの香りタップリで卵と炒め、盛り込んである。
■油林鶏(ユーリンチー)
調理の簡素化のためだろうか、油林鶏は鶏唐揚げ大のもも肉を揚げたのに香味ソースをかけて供してくる。
味はもちろん妥協なし。特製の甘辛酸味ソースをタップリ衣にからめて噛むと、皮のカリ感と肉のシットリ感、ソースの甘みと酸味が調和して、こいつも飯をそそる!
「食べてますねぇ~」
と笑いながらテーブルをのぞき込むのは、この店の二代目だ。
「僕はやせ形だけど、結構食うんですよ!」
という彼だが、だからこの店の盛りはすごいんだろうか?この路線を一生続けて欲しいと願うばかりである。
「はい、これサービス」
と、二代目が置いていったのはなんとこの店で一番高いメニューである海老マヨネーズだ!モロイさんは夫婦でしょっちゅうこの店に来る超・お得意さんなのだ。そのご相伴にあずかりこんなに嬉しいことは無いんである。
この海老マヨがまた旨い!かつて周富得が香港のコンクールで賞を獲ったこの料理は、やはりマヨのソースが決め手だ。秀栄のそれは黄色みが強い。自家製のマヨにエバミルクを加えているのだろうか。まろやかな味である。
「うおー我慢できん!そろそろ丼モノとって飯を食おう!」
と頼んだのはマーボー丼だ。頼んで数秒したらすぐに出てきた!
■マーボー丼
ちなみにこの写真の撮り方じゃ伝わらないけど、ご飯は茶碗3杯分くらいは盛られている。
マーボーは甘さとトウチのひねた味噌味が絡んだ、飯を食うために最適化された流体であった。
と、ここでモロイさんの妻・エリコさんの登場。この方がまた美女なのである。
モロイさんと並ぶと美男美女で、決まりまくっている。でも、このモロエリは歯に衣着せぬ強者でもあるので、発言には要注意である。ふっふっふ。
さて「太るからでん粉はイヤよ」というモロエリを尻目に、もう一つ丼を頼む。海老玉丼は、ブリンブリンの海老と春雨を塩スープに絡めて卵でとじたものだ。これは味の濃い料理の前に食べるべきだった!
■海老玉子丼
こういう繊細にして穏やかな味の料理も出るとは、濃淡おりまぜたダイナミックレンジが本当に広い店なのだ。関心する。
■蒸し鶏香味ソース
棒々鶏ではなく香味ソースで食べる冷製蒸し鶏も結構なお味。
■ソース焼きそば(600円)
モロイ氏が「ソース焼きそば旨いよ!食べましょう」と言って頼んだ焼きそばは本当に不思議に旨かった。
うーん 旨かった! 9品食べた、、、(うち2品が丼ご飯)
さあビールも各自飲んで、これで会計はなんと8000円であった!一人2000円やんけ!イヤこういう店には、ほどほどに繁盛して(僕が入れるように)、永遠に続いて欲しいモノである。
「またやりましょう!」
と力強く仰るモロイさん。そうですな次ぎはモロイさんも夕飯食ってない時に来ましょう!そんで、国会食堂潜入編第二弾は11月中にやりましょう!
久しぶりに中華をガッツリ食べて、もう他には何もいらない状態の俺であった、、、
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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