やまけんの出張食い倒れ日記

代々木上原クインディに、日本では実にじつに稀少なシャロレー種のランイチが入荷している! 年明けあたり、おいしく食べられると思うぞ!


代々木上原のクインディ(Quindi)は、イル・ギオットーネ出身で、カルネヤサノマンズでもサービス長を務めた塩原君が開いた店だ。そう、先日は高知の土佐あかうしツアーにも参戦してくれて、フラワーいっぱいのカクテルをサーブしてくれたのが塩ッちゃんだ。



代々木上原の駅からちょっとだけ歩いたところ、商店街の入り口にあるかなりよいロケーション。地元の人たち、そして富ヶ谷からも近くということもあって、流入する人たちは多い!


この店の特徴は、このレストランスペース以外に、入り口入ったところに物販スペースをそれなりの大きさでとったことだ。



じつはこの物販スペースに並んでいるいくつかのアイテムは、僕が塩ッちゃんを産地に連れて行って紹介したものだったりします。みなさん買ってね。クインディはコロナ前に船出をしたが、この物販の仕組みもしっかり軌道に乗ったことで、コロナを乗り切れたのでは亡いかと思っている。

そのクインディに、どうしても食べなければならない肉が入荷したので、チェックしに行った。その肉とは、、、


そう、フランスが誇る肉用種・シャロレー牛である。


日本にはほとんどいないシャロレーだが、北海道は釧路に、このシャロレーをわずかに繁殖しているところがあった。そこでオスが生まれると、われらが北十勝ファームに引き取られ、肉牛として育てられるのだ。北十勝ファームといえば短角牛を国産度の高い飼料で育てている牧場だが、実はシャロレーも育てているのである。


じつは今年、塩ッちゃんをこの北十勝ファームにも連れて行っていたのである。


その後、11月に出荷されたこのシャロレーが、枝肉重量615kg! 堂々たる肉になった!


意外にロース芯にサシが入っているのに注目。シャロレーは赤身品種といわれるが、それはあくまで育て方にもよる。やはり日本の育て方だと若干はサシが入るのである。興味のある人は北十勝ファームに連絡を。まだパーツによっては残っているはず。ちなみにクインディにはランイチが片方入っています。


ということもあるけど、クインディでしっかり食べるのも久しぶりなので、妻と共にいただきます。


なんと、京都は上賀茂、田鶴さんとこの白菜のポタージュ。 旨い!

イル・ギオットーネ時代に店が仕入れていたつながりもあって、田鶴さんとこから色々送られてくるらしい。そうか、クインディにいけば田鶴野菜が食べられるのかー(笑)


ニョッキのジャガイモもたしか田鶴さん。おいおい、田鶴さんとこのジャガイモなんて食べたことなかったよ、、、

そして冬らしく、田鶴さんとこの九条ネギの春巻き。


春巻きって、、、ここイタリアンだよ? というなかれ、クインディの楽しみはこんなとこにある。リストランテではないからね、遊び心で来る店なのですよ。


これがまた、九条ネギの香りと、加熱によって出た甘さが素晴らしい出来だ!


ヒラメのカルパッチョ風。紅芯大根に柚子胡椒のソース。


うーん、いちいちおいしい。

「今日、白金豚のスペアリブと白インゲンの煮込みがあるんですけど、、、白金豚もやまけんさんに連れて行ってもらったんですよね」


あーーーーーー そうか、高源精麦さんにも行ったっけ。

白金豚で想い出すのはローブリューのカスレなんだけど、この白インゲンの煮込み、イタリアンの郷土っぽい一皿で、実に佳い。

そして!


出ました先日の高知ツアーの成果! 谷農園のミョウガのスパゲッティである。こいつがもう最高、、、

谷さんはミョウガ農家の中でも、直販に力を入れる生産者。ミョウガは鮮度が命だ。市場流通だと、しらないうちに一週間以上経ってしまったミョウガが来ることもある。でもね、穫りたてのミョウガは香りと、したたり落ちるジュースの旨さがまったく違うんですよ、、、それが実に旨く表現されている!

「アーリオ・オーリオを作る際にも、みじん切りにしたミョウガを加えて、香りを出しているんです」

というが、今日のベストの一皿はこれだな。


牡蠣のオレキエッテを挟んで、、、


出ましたシャロレー イチボのステーキ。見事な火入れである。


肉の断面をみて欲しインドアが、若干の脂が入っているのがわかるだろう。先の枝肉断面写真はサシが入りやすい部位で、モモは真っ赤であることが多いのだが、このシャロレーはモモにもサシが抜けている。


いただきました。うん、ギュッギュッとした食感、赤身の肉の王道である。噛み込んでいくと上質なジュースが染み出て、その中にほのかに、脂の存在を、甘味のようなものとして感じる。おいしい!

しっかし、すげーな。実はこのお肉、と畜してからすでに1ヶ月が経とうとしているのだが、まだぜんぜんフレッシュな味わいだ! エイジングによって生まれる柔らかさや香りや味の拡がりが、まだまだこれから花開いていきそうな感じ。やはり北十勝ファームの牛はそういう個体が多いんだよね。あるレストランでは、割とイっちゃいやすい部位であるヒレを50日経過してから使用しているが、それが最適だという。このランイチも、柔らかさと濃いうま味を味わいたいなら、正月明けたくらいがベストタイミングかもしれない。

クリスマスシーズンだし、ドルチェにはパネットーネを。


おいしくいただきました、、、


それにしてもこの日も、テーブル、個室スペースどちらにも客が溢れていた。クインディ、肩肘張らずに楽しくおいしく食べられる、佳きイタリアンである。

塩ッちゃんまた産地行きましょうね。