米ちゃんが奥野さんと新しい店をオープンするというので、プレス向け内覧会に行って来た。
場所はみなとみらいに新しくできる商業施設「リビングタウンみなとみらい」。GoogleMapで調べたら微妙に行きにくい(横浜駅からバスなど組み合わせる必要あり)みたいだったけど、ちょっと早く着いたので、横浜駅から20分ほどかけて歩いてしまった。陽射しはまだ熱いが、気温自体は下がってきたのでようやく散歩ができる季節だ。
ウェステインホテルに間違って入りそうになったが、その横にできた、このまだリーンな感じの施設の一階にタブレが入っている。ちなみに写真左端の1Fはシティ・ベーカリーだ。
目の前には神奈川大学のキャンパス、その横には古巣である野村総合研究所(NRI)のビルがあった。僕が勤務していたのは保土ケ谷の天王町だったので、こんなところに立派なビルが、、、と驚き。
「あっ やまけんさん早いですね!」
と、いまや料理界のヒットメーカーとなった米澤文雄シェフ。
数年前に中東に料理旅行に行っていたこともあって、いずれこうしたコンセプトの店を出すだろうなあと思っていた。奥野さんと一緒とは思わなかったけどね、面白い。
時間が来て、サッと入店。
気取らぬカジュアルな店内のしつらえ、スーツでビシッと決めて食べるというより、本当に気軽に楽しみに来ることができる感じの店づくりだ。
(露出がアンダーで申し訳ない。)
店名は「トラットリア・タブレ(Trattoria Tabulé)。タブレとは中東でよく食べられている、ブルグルやクスクスを野菜と合わせたサラダのことで、この店のシグネチャーディッシュが冒頭の写真にあったタブレなのだそうだ。
通常はブルグル(硬質小麦を挽き割りにしたもの)やクスクスといった麦類に野菜を合わせるが、この店では雑穀であるキヌアをベースにしている。米ちゃんお得意のエキゾチックなスパイス使い、マイクロハーブなどのさまざまな香りが口中で行き交い、カリカリした食感はキヌアをあげたパフだろうか、アクセントのある食感を織り交ぜてくる技がいい。TheBurnでヒットしたケールのサラダのように、おいしいスターターだ。
二皿目はジャガイモとムール貝のサラダ、ジャガイモには2年熟成したインカのめざめ。2年熟成はインカのめざめの限界に近い熟成期間だ。その甘味を増したインカに、ムール貝のうま味がぶつけられる。それを食べさせるソースはなんとグリーンアリッサ。
「アリッサって言ってるだけで、アリッサじゃないんですけど(笑)」
と米ちゃん自虐するが、このソースが実に絶妙。
辛みはそれほどないのでご心配なく、同じような緑色のソースであるジェノヴァペーストでもないし、サルサヴェルデとも違う、なるほど中東っぽい!と腑に落ちる面白いおいしさだ。
三皿目はでましたカリフラワーロースト。
今回は、カリフォルニアのクルミを挽いてバター状にしたクルミピーナッツバターなるソースで、まったりコッテリした味わいに仕上げてある。インドカレー系のスパイス、スマックなどを合わせているそうで、どこか白味噌のポタポタした味わいを想起させるような、なつかしみの感じられる味わい。でも、初めて食べる味でもある。
米ちゃんのシグネチャーディッシュの一つであるカリフラワーのステーキ・アリッサソースの原型は、もともと中東の有名なシェフが作り世に出したものだそうだ(もちろん米ちゃんのレシピとはまた違う)。いちどその源流も食べにいってみたいものだ。
そしてパスタはバジルとフレッシュケールのジェノベーゼ。ローストピスタチオをメインにしたデュカがかかっている。麺は岡山県の製麺所がつくるハタフレスカのキタッラというスペシャルなものだ。
ただのジェノベーゼではなく、ケールが入っているので、バジル香が強すぎず、ケールのほろ苦み、青臭さが入ることでさっぱり食べられる。デュカのピスタチオが思いのほか効いて香り高い。これはおいしいね!
「奥野さんと話をしていて、メイン料理、いらないんじゃね?ってことになったんです。前菜、パスタ、セコンドの流れが普通ですけど、日本人は麺で締めたいと思う人も多いし。お肉もいちおう用意はしていますけど、それを食べなくてもご満足いただける内容を考えています」
というが、これから肉の価格は上がる一方ですからね。一皿6000円とかのメインをとるより、2000円の野菜中心の料理を3皿いただくほうが楽しめる、という合理的判断の時代になるかもしれないね。
この店オープンのいきさつの話が面白かった。もともと、米ちゃんが中心で運営されているオンラインサロンCloseTableのメンバー達の交流の中で「店を作ろう!」ということになって、この店の関係者6割がそのサロンメンバーとのこと。常時店に立つシェフもサロンでの声かけでアサインされているという。
また使用されている食材もサロンメンバーの生産者が作るものが採り入れられている。タルティーボやケール、江戸前ハーブとかね。時代だねぇ。
なかには、資生堂FAROにいた料理人も。
この店も多様性をはらんでいる!
ということで、横浜にあたらしいおいしいポイントができました。中東イタリアン、よいね!
今月は米澤文雄シェフのクリエイトした料理、来月は奥野シェフの料理というように月ごとに変わるらしい。奥野さんの料理にも期待!
ごちそうさまでした~
店名 :Trattoria Tabulé(トラットリア タブレ)
所在地 :〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい4-2-1 LIVING TOWNみなとみらい1F Trattoria Tablé
経営 :株式会社Closetable
広さ :店内客席77m2、テラス30m2
席数 :全66席 屋内50席 テラス16席
電話番号:045-307-6333
営業時間:ランチ12:00-15:00 Close(14:00LO)
ディナー17:30-22:30Close (21:00 Food LO / 21:30 Drink LO) 水曜定休日