言いたいことはタイトルに全部書いた通りなのだが(笑)。
これまでも多くの知人やメーカーから「大豆が原料のマヨネーズです!」「油脂を使っていないマヨネーズです!」といった、発明品を試食させてもらったが、「おいしいなあ」と思えるものはほとんど無かった。それが、ようやく来た!
ヤマキ醸造は大豆製品、特にとうふと味噌・醤油メーカーとして知られる埼玉県神川市のメーカーだ。僕は大地を守る会の長年の会員だが、むかしから「神泉豆腐」のファンで、ヤマキはこのとうふのメーカーとして知っていた。そして大地を守る会の仕事で、その醤油ととうふの紹介記事を書くことになって、足を運ばせていただいた。
現在は地名が変わってしまったのだが、その当時、ヤマキ醸造が工場を建てている土地は「神泉村」といった。神の泉の村である。その名の通り、その地域は秩父山系の伏流水なのか、とにかく柔らかで甘やかな美水の流れる地域だった。当時のヤマキの木谷社長は「その水があったから、工場をここに移転したんです」と話しておられた。とうふの味を決めるのは、豆ももちろんだけど、水が重要なのだ。
その木谷社長さんがしばらく前にお亡くなりになったのだが、その後のヤマキ醸造は、次代に受け継がれていた。先日、とあるイベントに参加した際、そこにゲストとしてヤマキの木谷さんご姉妹(前社長の娘さんだ)が来ておられた。懐かしくて挨拶をしたところ、この「とうふのマヨ」を送ってくれたのだ。
みてのとおりとうふを原料にマヨネーズタイプのソースにしたものだ。ご存じの方もおおいだろうが、マヨネーズと名乗るためにはJAS規格で厳密に決まり事があり、それを満たす必要がある。この製品はとうふが主原料で、かつたまごを使っていないので、マヨネーズではないのだ。ということで、表示状は半固形状ドレッシングとなる。
それにしてもさすがはヤマキ醸造! 内容物を観れば、わたしたちに親しみのある素材しか使われていない。もちろんアミノ酸や酵母エキスも添加していない。
それもこれも、とうふが旨いからである。ヤマキ醸造は関連会社で大豆生産までしている、徹底的にとことんやる会社である。その製品だから、なにより味が素晴らしい。
「とうふって、製造するとその切れ端とか、パックに入れる際に形が崩れてしまったモノとかがどうしても出てきてしまうんです。それらをどうにか無駄にしないようにできないかと、ずっと考えてきました。」
という、その答えがこれなのだ!
とうふが原料だが、実にクリーミーに乳化されていて、食感はマヨネーズにとても近い。っていうか何も言わなければマヨネーズだと思う人も多いはずだ。
その味は、ふくよかで穏やかだ。大メーカーのマヨネーズはアミノ酸が入っているものが多く、当然、その分うま味が濃い。とうふのマヨはアミノ酸が入っていないので、その点はいさぎよい味わいである。ただ、それは薄いと言うことではない! 大豆由来のたんぱく質の塊なのだから、うま味がきっちりそこにあるのだ。とてもおいしい。これで本当にたまご不使用?と思ってしまう。
たまごにアレルギーのある人はマヨネーズを食べられないわけだが、このとうふのマヨなら、味の面でも満足できるはずだ。
気になる方はヤマキ醸造のオンラインショップ「御用蔵」へ。なお、醤油「御用蔵」ととうふ、湯葉類も激烈お勧めだ。初めての方は「豆庵豆腐セット」あたりも買ってみるとよいかと思います。
■https://yamakijozo.shop/