やまけんの出張食い倒れ日記

豪雨明けの長崎逍遙 トルコライスの老舗比べ、ツル茶んとボルドー、どちらも老舗ならではの歴史ある完成度を感じる!


熊本に線状降水帯が発生して大変だった某日、おとなりの長崎にいた。空港から雲仙あたりまでの道が洪水のようになっており、車で移動しているにもかかわらず「これ、大丈夫!?」と命の危険も感じる状況だった。ただ、ズッと降りっぱなしというのでもなく、降ったりやんだりを繰りかえすうちに、晴れ間も見えてきた、、、

運転してくれたのは地元の観光誌やフリーペーパーなどの媒体を中心に撮影・執筆・DTPをこなす編プロのYさんだ。であれば、地元のことをいろいろきかねばなるまい。

Yさんはトルコライス、どこがお好きです?

「あー、トルコライスを初めて食べる方には、やっぱり老舗をお勧めしてますね。大正12年創業の「ツル茶ん」は、1Fの店舗と地下の店舗があるんですが、1Fで食べてください」

おーーーーー、超有名店のツル茶ん!でも、そういえば行ったことないんだった。

「それと、、、あくまで僕の好みだけん、やまけんさんに合うかわからないんですけど、ボルドーというビストロがあります。ここは喫茶店が作る料理とはレベルが違う、とてもおいしいトルコライスを出していたんですが、、、店が新しくなってから、シェフが変わったという話しもあります。僕が最近、行けてないので、これはわかりません。」

ふむふむ、ボルドーね!

「あと、僕の一番のおすすめはですね、「銀嶺」という店です。長崎歴史分化博物館にあるんですが、ここはライスが上質なバターライスというかピラフというか、とてもおいしいんです。ここは気に入っていただけると思います。」

ま、まじか~、どうしよう!

ちなみに僕はこういう感じでお薦め店を聞いたら、可能な限り足を運ぶようにしている。よく「ねえねえ、今度●▲に行くんだけど、おすすめある?」と情報を求めてくるくせに、行った後に聞いてみたら「あー、眼にとまった店に行っちゃった~」とかいうヤツがいる。だったら最初から聞くなよな、と思うからだ。

Yさんのお薦め店、ホテルにチェックイン後、昼・夜兼用の食事にすることにした!


ごらんの通り宿は中華街にあるJALシティホテルだ。ここから歩いて行ける範囲で行こう。まずは歩いて10分程度のツル茶んへ。


長崎の繁華街、実に味があってイイ! バリッバリの単独飲食店が集積している。


歩いていて、眼にとまった店!


なになに、サラダの店!?



うーん、これは気になる。どんなサラダが出てくるのだろう!? 入ろうか迷ったけど、今日はトルコライスを攻めると決めているので、断腸の思いで足を進める。


長崎のアーケード街も実に味わい深い。カステラ専門店の老舗など冷やかしつつ、、、

裏路地もまたよい。


さて、ツル茶んへ到着。
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いろんなトルコライスが並ぶが、それはもう、昔懐かしトルコライス一択でしょう。


ほどなくして運ばれてきた正調トルコライス。


単品カレーとしてうまいというより、トルコライスの構成のなかで活きる味わいのカレーソース、食べやすい厚みでキッチリ肉感を感じるカツ、そしてピラフのバランスが素晴らしい!

細麺のナポリタンが実においしい。それほどネチャツキ度の高くない、サラリとした粘度ながら、味はビシッと決まっている。


いや、もうこれぞ正調ってことだよなあ、と感動した。Yさんに感想を送ったところすかさずSMSから「ミルクセーキも飲んでください!」とのメッセージが。


シャリッシャリのミルクセーキのハーフサイズ。ハーフで十分だよ!


これまたおいしい、、、ミルクセーキって、いってみればカスタードをクリームではなくミルクで造ってるってことだよね。大好きです、この味。ご馳走様!

さて、昼夜兼用なので、もう一店行こう、、、


アーケードを歩くと、二つ目のお薦め店「ボルド-」がツル茶んのすぐ近くにあるではないか。

Yさんのお薦め店「銀嶺」にいくなら、長崎歴史文化博物館にもしっかり行った方がいいだろう。そうなると、ゆっくり時間がとれる時に行った方がいい。ということで、Yさんが最近はウォッチしていないというボルドーへ!

店内にはすでに数組のお客が、ワイワイと楽しんでいる。と思えば、僕のような一人客も。トルコライスを頼むだけではなく、ビールやワインとおいしい皿を囲む洋食店として賑わっているのだ!


鮮度の良い五島列島のアジフライがあるとのことでオーダー。うん、おいしい! 丁寧に作られたタルタルとソースの組み合わせが実にビールを呼びます。

そして、、、


昔ながらのトルコライス。カレーピラフにドミグラスかカレーソースかけられるのだが、カレーソースをオーダー。


あっ おいしい!

これはベースのカレーピラフもソースも、ちゃんとしたフレンチの技法で作られている味わいだ、、、


ナポリタンが面白い食感の麺で、少なくともこれはデュラムセモリナのパスタではないな、、、調べてみたらこれは長崎すぱげっちという、地元企業が作っているオリジナル乾麺だそうだ。見た目わかりにくいだろうが、麺の断面が8の字のようになっている。さっぱりした味わいなのだが、これは食感がおいしいですな、、、

そして、出色のできばえなのがカツレツだ。


ごらんの通り、細かなパン粉で揚げ焼きしたような、カツではなくコートレット!


いや、すばらしいバランス! 目が覚めるようなおいしさでした。喫茶店で食べるトルコライスのジャンクさも好きだが、このような料理としての完成度を追求したトルコライスもおいしい!


満腹、満足。腹ごなしにもう少しお散歩を継続。


さっき、いい裏路地だなあと思ったところにあかりが灯っている。


いやいい感じのトルコライス巡り。次回は「銀嶺」にいこう。

ちなみに、11年前に連載していた週刊FRIDAY「感動の出張メシ」に掲載したカフェ・ド・シェルのトルコライス。


こいつも旨かったなぁ、、、固め打ちで撮り喰い回りたい!


そして翌日も、長崎市内にてドラマが待っていたのであった。