石垣島二日目、講演をする日なのだが、午前中はぼくが所望したパイナップル畑の視察。何を隠そう、いや隠さないけど、ぼくはすべてのフルーツの中でパイナップルが一番好きだ。あんな夢のような味の果物、ないよね。ちなみに二位はよく熟したグァバ。三位はマンゴスチン。つまりトロピカルフルーツが大好きってことですな、、、
石垣島の街中というか都市部は結構賑やかだが、そこから車で30分ほど走ると、ごらんのような畑地が拡がっている。農業改良普及所のパイン担当である中村さんと、生産者の平良さんが待っていてくださった。
平良さんは篤農家中の篤農家(「とくのうか」と読みます。意味は「達人」てこと)の位置づけにいる方だそうで、JAとしても県の改良普及所としても、お宝のような存在。なんといっても、新品種が出ると積極的に導入してくれて、その理想的な栽培方法を模索して、あまつさえ皆に指導してくださるのだという。
パイナップルはいちおう多年生の草木なのだが、背の高い木に仕立てるのではなく、ご覧のような感じで一果を大きく育てる。
苗の定植から収穫まで一年半かかる、気の長い作物だ。沖縄では台風が来るので、その対策が必須。また、マイナー作物(なんといっても沖縄でしか栽培されない!)なので、使える農薬の登録が少ない!
よくわからない人いるかもしれないが、日本ではポジティブリストといって、ある作物に使える農薬は、農薬メーカーがお金をかけて試験して登録されたものだけとなっている。農薬メーカーだって、全国であまり使われる見込みのないマイナーな作物には、わざわざ登録したくない。ということで、沖縄本島と離島でしか生産されないパイナップルに使える農薬はそんなに豊富ではないそうだ。調べてみたら95件登録されていたが、中には展着剤とか、気休め程度にしか使えない剤もあると思うので、殺虫も殺菌もバリバリやって防除できるということではないようだ。
「収穫前の段階では除草剤も使えませんから、この直射日光のなか、人力で世話しなければなりません。農家さんは大変ですよ、、、」とJAご担当者。
平良さん、「せっかく来てくれたんだから、持って行きなさい!」と。平良さん、中村さん、ご案内いただき、ありがとうございますぅ~(涙)
ということで、いただいたパイナップル「サンドルチェ」を、ホテルにもって帰ってすぐにいただく。あ、みなさん、パイナップルは追熟しません。収穫したときがおいしさのピークなので、すぐに食べましょう。
たまに「パイナップルは置いておくと甘味が増す」と言っている人がいますが、それは間違いです、、、時と共に酸味が抜けていくので、「甘くなった」ように感じるだけのことです。また、細胞が老化というか劣化していくので、結合が緩んで柔らかくなっていきます。その状態を「おいしい」「味が乗った」と言う人もいるようです。でもそれははっきり言って劣化です。僕は置いといたパイナップルを美味しいと思えない。
ということで、ホテルにもどって果物ナイフをフロントに所望したところ、、、
「パイナップルですか?レストランでお切りしましょうね」と!
アートホテルありがとう!!!!! しかも「手間賃を、、、」と申し出たのだけど「いえいえ。たのしんでください」とサービスしてくれた、、、またここに泊まろう。
このサンドルチェ、とにかく甘い! 糖度がムチャ高いです。まだ少し早めだったのだろう、酸味が少しあるのだが、僕はそのほうが好きなのでちょうどよい!
実に甘やかな香り。果肉からしたたり落ちるジューシーできらめく甘い汁。最高だ! ちなみにご覧のようにい、芯の部分もやわらかく甘く食べられる。完熟で収穫する国産パインの証しである。
サンドルチェは収穫期が長く、今月と来月あたりまでは出回るそうだ。食べたい方はぜひ平良さんのネットショップへ、、、と思ったが、みあたらないな、、、まあ、石垣島のサンドルチェで検索してください。きっと外れません。