2022年中、いくつかの店がクローズしてしまった。時限付きのクローズではなく、店を完全に閉じてしまうクローズだ。それも、年末の最後の最後に、最大級の店が閉じてしまった。それが赤坂のヴァッカロッサである。
まだ開店オープンして間も無い頃に訪れ、興奮したことが昨日のように思い起こされる、、、
■ビステッカ・アッラ・トサーナの衝撃 薪の熾火でブ厚い土佐あかうしを焼く「ヴァッカロッサ(赤牛)」渡邊シェフ!名店ベッカッチャからリニューアルするほどにあかうしを愛してくれるのはなぜか!?もちろん旨いからだ!赤身のステーキ好きよ、いままで未体験のビステッカがここにあるぜ。(前後編)
https://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2013/06/9894.html
https://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2013/06/9895.html
渡邊さんは、うちが2010年から開催していた「赤肉サミット」で土佐あかうしに出会ったシェフだ。といっても直接ではない。当時「ベッカッチャ」をやっていた頃、マネージャーさんが赤肉サミットに出席してくれた。そこで気に入られて「こういうのがあるよ」と渡邊さんに話して仕入れてみたところ「これを探していた!」となったというのだ。
そして渡邊さんはベッカッチャを閉店し、次のチャレンジとして「赤身の牛の肉を薪火で焼く、ビステッカ・アラ・フィオレンティーナを東京でやりたい!」と考えた。その時にメインにしようと考えてくれていたのが土佐あかうし。ちなみにご存じだろうが店名のヴァッカロッサは「赤い牛」ということだ。
そこからは本当に土佐あかうしの振興イベントやメディアなどでお世話になった、、、
なんといっても、熱い肉汁がジュルジュルまわったステーキというのが新鮮だった。当時ステーキの焼き方としては、表面をフライパンで焼いて、そこからオーブンに入れては出して休め、というのを何回か行って、肉汁が落ち着いたのを切り分けるという、食べると生暖かいくらいかなという店が多かった。それも悪くはないんだけど、もっと猛々しさが欲しいと思うことも多々あったのだ。
そこにヴァッカロッサの「ビステッカ」はくさびを打ち込んだ!
表面は強い薪火でガリッと焼き切り、中はしっとり、しかし熱い肉汁が廻っている! 土佐あかうしの食べ方としてこれ以上のものがあろうか、という感じだった。
ということで、万感の思いを込めて、高知県で土佐あかうしに関わる面々が年末、ヴァッカロッサに集結。
渡邊さん、しばらくはお休みされるだろうけれども、「今度はこういうことやりたいんですよねぇ」と言い出していた。やっぱりこの人はまだまだここから一発行くだろう!
この日も土佐あかうしと、アイルランドだったかな?のビーフが。
これを焼いてもらっている間に、絶妙な火入れのサワラの一品。
これも看板メニューでしたね、高知県産ショウガパスタ。
太麺にアッサリ目だがブロード?を吸わせたところにショウガのフレーバーがバッチリ合います。
そこへ、お肉が到着。
ああ、ヴァッカロッサでの食べ納め、、、
ヴァッカロッサは本当に貴重なリストランテだった。いろんなお肉の仕事をご一緒していただき、感謝してもしきれない。
でも、これがまた新しいスタートにもなるのかもしれない。ヴァッカロッサは渡邊さんだけではなく、素敵なサービスマンの方々、渡邊さんの脇を固める料理人達のチームワークが素晴らしかった。オーナーさん、みなさん、これまでお疲れ様でした。
またどこかで土佐あかうしを焼いて下さる日が来ますように!