コロナ中にアメリカで市場を大幅に拡大したプラントベースミート、いわゆる代替肉だが、ここのところその勢いは弱まり、スタートアップビジネスも青息吐息となっているという。その話しは各所から聞いていたが、今日、信頼できるアメリカの小売業界ウォッチャーである下城さんがブルームバーグの記事を投稿されていた。
■Fake meat was supposed to save the world. It became just another fad
https://www.tbsnews.net/bloomberg-special/fake-meat-was-supposed-save-world-it-became-just-another-fad-571714
今後、この世界がどうなっていくのか、興味深いところだ。そんな中、ご存じの方も多いだろうが、米国の代替肉メーカーの代表格の一つであるビヨンドミートの製品が、昨年末に日本でも発売となった。
■植物性代替肉でサスティナブルな一皿を食卓に 「ビヨンド・ビーフ」商品 発売のお知らせ
https://www.usmh.co.jp/wp-content/uploads/2022/11/us_20221116_170.pdf
コロナ中に本格的な代替肉ブームが来たこともあって、なかなか食べることができなかったインポッシブルミートとビヨンドミート。その一角を食べられるということで、うちのいっちー君が買って来てくれました。なお、裏面表示は下記の通り。
日本では大豆蛋白を原料に作る代替肉製品が主流だが、欧米人は大豆を好まない人がとても多く、また大豆アレルギーの増加が問題となっているので、えんどう豆タンパクを使用する製品が主流だ。「欧米には大豆製品が好きでない人が多い」というと「うそっ なんで?」と驚く人が多いのだが、日本人は昔から豆腐や油揚げの香りに慣れ親しんでいるから「おいしそうないい香り」と思うだけ。米国やヨーロッパでは「臭い!」と顔をしかめる人が多く、僕もそんな反応をよくみてきた。もちろん日本食に精通している欧米人の中には「豆腐大好き」という人もいるが、ベースとしてはそうではないと思う。
ちなみに、ここでいうえんどう豆は日本で食べられているグリーンの品種ではなく黄エンドウ豆、イエロースプリットピーとして日本にも輸入されているものだ。ミツカンのZEMBヌードルに使われているあれですね。日本ではほとんど栽培されていないのだが、代替肉用にぜひ栽培してほしいものだと思っている。
それはともかく、ハンバーガーブロガーでもあるいっちーにお願いして、バーガーで食べようということに。
453gの製品なので(1ポンドってことか)4人前くらいのバーガーにはなる内容量。
断面をみると、肉のようで肉ではない、脂肪に見立てた球(おそらく脂肪なんだろうけど)など入っていて興味深い。
パティ状にして焼き始めてビックリ!
水分がじょわわわと出てきて、豆特有の臭いがムンムン。 あらーこりゃ無いわ~ 茹だっちゃうじゃん、と思ってしまう。
ところがそのまま加熱していると、、、
だんだん水分が蒸発して、油脂それもコックリした肉様の香りがする油に変容していく。ちょっと焦げちゃってゴメン。また、写真ではわかりにくいが、表面に滲む汁は肉汁のように赤い。これはビーツジュースをベースにしたものだろう。
焼き上がりはこんな感じだ。
バンズに挟む前に一口食べた。
んーーーーーーーーーーーーーー
もうちょっと肉に寄った味かなと期待したけど、やっぱり豆だな感はある。ただ、それはそのまま何もつけずに挟まずに食べればということ。
バンズに挟んで、マヨネーズにケチャップ、ファインドニューズ社のつぶつぶマスタードでハンバーガーにしてみると、、、
うん、おいしいですね!と思える味わいに。やっぱり、代替肉製品は「食べ方」によってどうにも変わるということですよ。
なお、比較検討用に、北海道の襟裳(えりも)岬で短角牛を育てている高橋さんとこのハンバーグも焼いてみた。
短角牛の肉はご存じの通り赤身なので、味わいとしてより旨みやコクがあるわけだが、それ以上に牛肉特有の香り成分のあるなしで味の印象が決まっている気がした。やはり圧倒的に短角ハンバーグのほうが「おいしい」と思ってしまう。ただ、それは食べ慣れているからということもあるかもしれないが。
ということだが、ビヨンドミートの製品、脱脂加工大豆ベースの国産代替肉製品に比べたらやはり、一日の長があっておいしいと思える。ぜひご家庭でも、食べくらべしてみるとよいと思う。