クリップオンストロボのプロフォトA10にワンタッチでセットアップできる便利なソフトボックスの話しを先日書いた。
■Profoto A10と、便利な折りたたみソフトボックスOneTikシリーズ - やまけんの出張食い倒れ日記
https://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2022/12/30472.html
そこでは、24インチ(60cm)の製品しか手に入らないんだよなあ、という風に書いたけれども、色々調べてみたらじつは日本でももっと大きなサイズのソフトボックスを購入可能だったのだ!
というのも、日本で売ってなくても海外で売っているならということで、海外のカメラ製品通販サイトであるB&HやAdoramaを調べていたら、同様のソフトボックスというか、おそらくOEM供給で外観マークだけ変わっている商品がいろいろ出てくる。しかも、A10のようなクリップオンタイプのフラッシュにつけるものだけでなく、プロフォトやGODOXなどのストロボマウント用のものもあるではないか! 例えば下記。
36インチといったら90センチである! それそれ、料理撮影のソフトボックスとしてはそれくらいの大きさが必要なんだよ。ということで、カートに追加して購入ボタンを押しそうになったんだけど、、、
もしかして、この製品って、いろんなところにOEMされてるじゃね?と。 おそらく製造してるのは中国か韓国だろうし、製造元がもっと安く卸してるんじゃないかと、、、そう思っていろいろ探していたら!
あった! まさかと思っていつも韓国製マスクを買ってる通販サイトQoo10で調べてみたら、韓国のフォトグラファーが設立した用品メーカーであるSMDVがどうやら胴元っぽい!
いやぁ、色んなサイトを探して ようやくみつけました。正月中、けっこう楽しく探しましたし、この経緯も楽しめましたねえ、、、やっぱりこういうのは買うまでが一番楽しい(笑)
でも、どうやらコスプレ撮影界隈ではこの辺の情報はすでに知っている人が多く、コスプレイベントではすでにこのタイプのソフトボックスを駆使している人が出ている模様。いまや、おそらくコスプレ撮影界隈またはポートレート撮影界隈が、一番この手の情報が早いのかもしれないね、、、
さて、このソフトボックスの購入を考える前に、円形に近いオクタ型の構造をしている簡易系ソフトボックスとしては、Phottixの105cmというのを使っていた。
105cm! これは普通に出回っているアンブレラよりも大きくて、しかも綺麗にディフューズされた面光源になってくれるという優れもの。でも、これがねえ、ドデカくて重いんですよ、、、ごらんの通りインナーディフューザーもあって、丁寧な作りで、光質はとてもいいんですが。
GODOXマウントなので、LEDライトのAMARANをつけてしばらくロケで料理プロセス撮影に使いました。ただLEDライトとの組み合わせではやはり重すぎて、カーボン製のライトスタンドにつけるとたわんでたわんで、倒れそうになるので使えない。そこで銀一のやたらぶっといライトスタンドに合わせたけれども、それでもしなってしまう。狭い厨房での料理プロセス撮影時、けっこう取り回しには気を使いました。
あと、この方式の簡易ソフトボックスは、構造上どうしてもマウント径の太さをベースにした筒状になるので、意外にかさばるのですよ!105cmとなると、これだけで持ち運び大変。重いしデカい、、、ということで使わなくなってしまいました。3回ほど使用した状態ですが、105mm欲しい人います?(さすがに無償はキツいけど)
さて、そういうわけで僕が求めるのは軽量であること、畳んだ時にかさばらず持ち運べること。具体的に言うと、愛用しているThinkTankPhoto社のローラーバッグであるエアポートセキュリティ3.0の前ポケットに入れることができること、である。詳細に寸法をチェックしたが、どうやら僕の要望に叶うもののようだ。
ちなみに、SMDVが出しているこのタイプの簡易ソフトボックスには二種類ある。一つは、冒頭にあるように、クリックオンタイプのフラッシュをつけることを念頭に、ライトスタンドのオスダボにシャフトを差し込むタイプ。
もうひとつは、プロフォトやGODOXといった、フラッシュメーカーのマウントに合わせたアダプターを介して装着するタイプ。マウントアダプターさえ購入すれば、つけ替えることができる親切設計だ。
シャフト一体型はとても便利なのだが、プラ製なので、バッテリータイプのモノブロックストロボを固定できるほどの強度で作ることはできないのだろう。まずはクリックオンタイプのA10用に、前者だけを購入しようと思ったのだけれども、本当に便利ならモノブロック型のB10用にも買っちゃうだろうな、だったら一気にと思って買ってしまった。
購入した製品は下記の2製品で、価格なども書いてある。
実際の商品リンクが下記。Qoo10の売場に飛びます。サイズや接続方式違いの商品がいくつかあるのでSMDVストアをみてみるといいです。
36インチの方はプロフォトマウントを選択(色んなマウントから一つ選択できる。マウントアダプタ単体でも購入できる)。32Gと言う方が、クリップオンのA10用だが、このマウントだと、GODOXのV1タイプも使うことができるそうなので、これにした。2つで62,700円。先述のPhottixの105mmと同等とはいえ、まあまあな値段だなあ、と思ったが、なんとこれに加えて関税が4000円くらい上乗せされます。配送時に請求されるのです、、、ぐぬう。
ちなみに32インチのほうは、上位モデル(プロモデル的な?)も出ているのだけど、生地がちょっと高級っぽくなりましたってだけらしいので、すこし安いこちらにしました。
さて、そんなこんなで、1週間ほどで届きました。上のFLIP32Gがクリップオン用で、80cm。下のFLIP36がモノブロックストロボ用で91cm。径の大きさが製品の長さに直結している。
開封。
あれ、、、このバッグの作り、どうも既視感が、、、 あっ プロフォト純正のソフトボックスのバッグってこんな感じだよな。もしかして、、、(笑) まあ、Cliclオクタシリーズはどう考えても、ロゴマークだけプロフォトにした製品(その分だけなのに高い!)だからな。もう俺はこのタイプのソフトボックスについては、プロフォトブランドのものは買わんぞ。
そうそう、カメラマン御用達の、SD写真工業の折りたたみソフトボックス(80×80cm)と比べてみると、、、
おお! Flip36は全長はSDソフトボックスより短めである。ということは、愛用のローラーバッグのポケットに入るか!?
無事、入りました、、、 上に飛び出るの、かっこ悪くね?と思うだろうが、ご安心。実際にはローラーバッグのうえにショルダータイプのカメラバッグを乗せるので、こうなります。
Flip36が入るのだから、当然Flip32は余裕で入ります。
それどころか、Flip36とFlip32を両方入れちゃうこともできた、、、
ええい、ここにSDソフトボックスも入るか!?
入っちゃいましたよ、、、実はこのローラーバッグ内にはニッシンのカーボンライトスタンドを3本収納可能だ。ということは、3灯分のスタンドとライトシェーピングツールを、スタンドバッグなしで持ち運ぶことができるということだ!これは素晴らしいかも、、、
さて、中身です。
デッカい方から行きますね。まずはマウントリングに、プロフォト用のアダプターを噛ませます。
こうやってカチャッと開けたところに、アダプターを差し込んで、、、
パチンと閉める。
マウントアダプタは各種揃っているので、代替どこのメーカーのストロボでも使うことができる!
そしたらいよいよソフトボックスを展開。
さすがに片手で展開するのはけっこう力が要るけど、簡易式といわれるソフトボックスの展開に比べればかなり楽だ。
こうなってくれます。
マウント部は思ったより頑強な作り。ちょっと安心しました。
マウントの穴から内部を観ると、インナーディフューザーがしつらえてあるのが見える。
なかなかに丁寧な作りです。なお、アウターディフューザーは固定されている。この状態で、プロフォトのストロボに装着するわけだ。
なお、逆に片付ける場合は、下の写真のブラックの上部から出ているポッチを左にスライドすると、、、
「バチン!」と外れて、折りたたむことができる。
さて、お次はA10をつけるFlio32の方だ。プロフォトA10やGODOXのV1をつけるためのマウントが下写真の下のマウントアダプターだ。
このアダプターをFlip32に装着。
このアナにマグネットが仕込んであるので、A10がスチャッとくっつく。
ただですね、このマグネット、簡単に外れちゃうので、高価なフラッシュを落としてぶっ壊さないように、こんな感じでシャフトに繋げておくことを強くお薦めしたい! 俺はすでに何度か落下させ、このThinkTankPhoto製の赤ゴムによって何度もすくわれているぜ。
さてこちらのFlip32の方は、マウント径が小さいこともあって、片手で簡単に展開可能。
カチャッ!
こんな感じになるのです。立派な大きさのオクタソフトボックスだけど、こんなクリップオンタイプのフラッシュがついてるとは、なかなか被写体を油断させるよね。
この二つのソフトボックス、並べてみましょう。
折りたたんだ状態だとそんなにサイズ感は変わらないように見えるけど、B10とA10の大きさ、重量がまるきり違うので、結論からいってB10の方(右、Flip36)は重い~!
やっぱりね、フラッシュの口径が段違いなんですよ。
さて32インチと36インチの違いってどれくらいかというと、こんな感じ。
意外に差があるとみるか、そうでもないとみるかはあなた次第。個人的には80cmあればいいと思うので、Flip32で良いかなと言う感じもある。
さて、発光させてみましょうぞ。
おお、綺麗!
ということで、さっそく撮ってみたのですが、、、
左がB10+Flip36、 右がA10+Flip32G。
ISO100 1/125 F10 色温度5600K という設定で、同じ位置になるように設置して撮影している。光量を同一にするために、TTLを使って発光させた。それもあってか、やはり、出てくる画はだいぶ違う。左の方が光のまわり方に余裕がある感じだ。数センチの面積差だが、光の出方が大きく違う。ただ、どちらもイイと感じる。要は光をどう扱うかなので、癖がわかっていれば対処可能。
それより、これはソフトボックスの問題ではないが、B10とA10では色温度がぜんぜん違うな、、、A10のほうはGが強く出ている気がする。後で検証しないとね。
ということで、フリップタイプのソフトボックス、お薦めできるものでした。これからの出張撮影でガンガン使うぞ~