イスマイルが逝った。原因はガンだったそうだ。まだ若くこれからトルコの料理界を引っ張っていく存在だったのに、なんてことだろう。
阿佐ヶ谷のトルコ料理「イズミル」の女将であるエリフを通じて、これまで大使館の仕事として二度、トルコへ渡った。どちらの旅も、トルコ料理のアソシエーションが主体になって迎えてくれたのだが、ご存じの通りトルコは大の親日国。それはもう大歓待としかいいようのない待遇だった。
そのアソシエーションの若きエースといえる存在がイスマイルだった。彼自身はその時、大きなケータリング企業(日本で言えばエームサービスとかシダックス?)のエグゼクティブシェフとして辣腕を振るっていた。
いつも、やんちゃな顔で豪快に笑うキャラクターだったが、仕事に対する情熱はすばらしいものがあった。
彼の職場での一コマ。
トルコでは社食でこんな旨いものが食べられるのか! と心底おどろいたものだ。
イスマイル、兄弟よ、先に逝かれて、僕は悲しいよ。きっと君がいつか経営するはずであった、一軒のレストランで、また君の料理を食べたかった。
心よりお悔やみ申し上げます。トルコの友人達よ。気を落とされませんよう。