数年前から、藤沢市にある日大生物資源科学部に非常勤講師として通っている。これまでは前期の授業だけだったけど、今年から後期も関わることになって、藤沢に週一で通っていた月があった。
そうそう、日大といえば世間を騒がしているけれども、教員や学生たちは本当に迷惑している限り。学生たちがほんとかわいそう。徹底的に膿を出し切ってきれいな体制に刷新してほしい。あと、非常勤講師の待遇改善もよろしくお願いいたします(笑)
生物資源科学部は小田急線の六会日大前という駅が最寄り。ここは以前はたんに「六会(むつあい)」という駅名で、僕は1991年4月から97年3月までこの町に住んでいた。お隣の湘南台にある慶応SFCに、学部~修士の6年間通っていたからだ。
学生時代は僕の人生で最も自炊をしていた時期で、どこかから電気オーブンももらい、天然酵母パンから手打ちパスタからいろいろ作っていた。あまり書けることではないが、密造●(←察してください)も仕込んでいたくらいだ。
これもあまり書ける話ではないが、下宿先から日大(当時は農獣医学部だった)のほうが近いため、たまに学食を使わせてもらったり、図書館に入って(その当時はカードによる入館の仕組みがなく、閲覧は可能だった!)、農業関連の本を読ませてもらっていたものだ。その日大に、非常勤講師とはいえ、いまそこで教えているというのは、いろいろ感慨深いことだ。
さて、その学生時代、小田急線で数駅離れた藤沢駅の繁華街においしいパスタ屋があるというのはきいていた。たしかあれを教えてくれたのは同級生の志乃ちゃんだったかな、、、となると、大学院時代だな。
ただし、当時はかのdancyu誌のイタメシ特集全盛期、僕は自宅で片っ端からパスタのレシピを試していて、「外に食べに行くより、自分出作った方がウマイや!」といきがっていた。もちろん、金がなくて人気レストランに行けなかったからなのだが、、、(笑)なので、レストランよりずっと安いそのJ PASTAにも行くことはなかった。今思えば、あの時に通っていれば、僕のパスタの好みも変わっていたかもね。
その後、J PASTAは横浜の元町に二号店を開店、後のここが本店となる。2009年には八景島店が開店し、藤沢にあった店は畳むことに。
そんな流れらしいのだが、僕は「あーーーー、行く機会を失っちゃったな、、、」と思っていた。
前置きが長くなりました。さて、後期の授業、昼に終わります。六会日大駅前ロータリー近くにある「高座豚自然派王家」にて豚肉やウインナーを購入した後、小田急線へ。いま、睦合周辺の飲食店がコロナでほぼ閉まっていることもあって、ランチの選択肢がほとんど無い。
「あ、でも藤沢駅を出て、ちょっと歩いたらいろいろあるよな、、、」
そう思ってちこちこ検索してみたのだが、そこでとくにパスタとか検索したたわけじゃないのに、なぜかJ PASTAが出てきた!
えっ 小田急百貨店のフードホール内にJ PASTAが復活してるじゃん!
もうね、気がはやりましたよ。藤沢駅の構造がしらないうちにいろいろ変わってるので迷ってしまったけど、一階からいっちゃいけません。まずはJR改札がある2階に登って、小田急百貨店に渡る通路を歩きましょう。入ったら左側にフードホールにつながる階段があるので三階フロアへ上がって、すぐ右に曲がると、色んなお店が入っているフードホールがあって、その最初に目に入る店がJ PASTAである!
以降、すべてiPhone13ProMaxで撮影した写真なので、2000年代初頭の本ブログで使われているような乱雑な写真が多いですが(笑)ご容赦。
コの字カウンターといくつかのテーブル席。いやぁ、とうとう来られたなぁ、、、という感慨。
さあて、何食べるかな、とメニューを開いてまた「うおっ」と。
ご存じの方も多いと思うが、むちゃくちゃメニューが多い!
というのも、ペペロンチーノ系、ミートソース系、タラコ系、ウニクリーム系など、系統がいくつもあって、その系統内に、具材のバリエーションが5種以上あるので、もう本当に分厚いメニュー体系になっているのだ。その宇宙と言ってもいいメニュー体系は公式Webでごらんあれ。
■J PASTA公式ページ
https://www.jpasta.net/shinfujisawa/menu4#a01
いや~ 初めて頼むの興奮する~ と言う中、とりあえずサーモンサラダを頼む。サラダは大きな皿に入った、そこそこ値段のする単品があるのだが、ランチタイムのみ小さなサイズのサラダが来るようなのだ。
とくに期待せずに食べ始めたのだが、、、
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
なんじゃこの旨いドレッシングは!?
心の底から驚いた! すり下ろし香味野菜をベースに、油脂を乳化させたのであろうこのドレッシング、驚倒するほどにおいしい!
ホールスタッフの女性に「このドレッシングおいしいね!売ってないの?」と尋ねるとニッコリ笑って「販売はしていないんですよ~。手造りしているんですが、とても人気がありまして、とくにこのベーコンとシメジのサラダというメニューにファンのかたが多いです。」と。
ほおおおおおおおお
次の週に、たのみましたよベーコンとシメジのサラダのSサイズ。
確かに旨い! いいお値段しますが、これはその理由があるな。近年、こんなにおいしいドレッシングは会ってなかった! それほど高くない価格帯の飲食店は、ドレッシングといえばキューピーやケンコーの業務用をあてるところも多いが、やっぱり店で作っているドレッシングはおいしいよ。
さて、パスタだ。
初日はとりあえず、たらことウニとイカと高菜とねぎのスパゲティを頼んだ。
いやーーーーーー これはイイね!
なんつってもパスタがおいしい。この藤沢店ではフェットチーネなどの麺指定ができないのだが、あの淡路麺業の生パスタを使用しているのだ。適度な太麺でモチモチ感の強い、グルテンどんだけ効かせてるんだ!?というくらいにもっちもっちの麺。この時点ですでにイタリアンではなく、日本のパスタである。だから、イタリアには存在しない味付けが旨い! ウニイカ高菜ベストマッチです。
以降、通って食べたのを順不同に。
感心したのがこのペペロンチーノロッソ小エビ入り。この店、ペペロンチーノにも一過言あるようで、近年はやりの、オイルと茹で汁を入荷させたタイプのペペロンチーノをやらない。それにはちゃんと理由があるそうで、こんなパネルが。
ということで、麺の下にオイルがたらーっと溜まっている独特の見栄えなのだが、麺とトマトソースをからませたのを、さらにオイルに浸していただくと、、、
オイルがブンと香って実に旨い!
カウンター席なので厨房をよくみることができるのだが、創業時から鍋を振っていた女性がこの店でも指揮を執っているようで、実にキビキビスピーディーに、メニューをこなしていく。これだけメニューがあるから、オペレーションも大変だろう。
ミートソースもたべたいな、ということで、ミートソースシメジ納豆キムチ。
ハシヤっぽいなと思った人も多いだろうけど、ハシヤとはだいぶ違う味の系統。J PASTAの方が味がクッキリハッキリしているイメージだ。店の人達も自覚しているように、J PASTAのパスタはどれも味のパンチが強い。
でも、そうじゃないとこの淡路麺業の強力なグルテンパスタに負けちゃうよ。この味の方向性でよいんです。
ちなみにこの店はスタッフさんがまたよくて、ホールの女性に「こういうの食べたいんだけど」と尋ねると、「それなら次はこれを」というようにきちんとリコメンドをしてくれる。初めて食べる店、初めて頼む料理だと、味の傾向がわからない。だから「こういうの食べたいんだけど、おすすめある?」と尋ねることが多いのだが、よく「うーん、お客様のお好みですので」とリコメンドしない店もある。こっちはその、好みに合うのがどれだかわからないから聞いてるんだけどね。
その点J PASTA藤沢店では「前回、これをお食べになりましたよね、つぎはこれなんかどうでしょう」としっかり答えが返ってくる。迷ったら聞きましょう!
そんな彼女が強力に薦めててくれたのがこの「昭和のプレミアムナポリタン」。
ナポリタンでしょ、具とケチャップで麺を炒めるだけじゃないの?と思ったら全然そうではないらしい。じつは公式ページにストーリーがあって、それを見て「なるほど彼女が薦めた理由はこれだったか」と納得した。これ、手間と時間がかかる一皿なのだ。
面白いことに、ケチャップ味ではなかった!!! いや、ケチャップも使われているのだろうけれども、それよりイタリア南部のアグロドルチェ、カポナータの味わいといえばいいんだろうか。そんな感じのソースに、フランクフルトなど具がたくさん。いやーーーこれは旨いね、ジャポネなどのロメスパ系ナポとも違う味で、癖になる。
と、そんななかで一番僕が「おおおおっ」と好みと感じたのが、醤油ベース、いや公式メニューにならえば「ショウユ科 ショウユ属 ベーコンと野菜と玉子のおしょうゆ味のスパゲティ」だ。
なにがいいって具材が気前よくてんこ盛り! 醤油ダレのシンプルな味わいだけど、旨み効いてるので飽きずにがっついちゃいます。
そうこうしているうちに、講義の僕の担当回が完了してしまった、、、この店に行くために藤沢で仕事を作りたい、、、
いつか、最後までスクロールするのに時間がかかる(やってごらん!)このメニューを全制覇したいなあ! また行くぞ!