やまけんの出張食い倒れ日記

「もってのほか」をサッと茹でて三杯酢で食べると、身体の中から綺麗になる気がする。

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Nikon Zfc+Z50mmf1.8で撮影

食用菊、買うことありますか?

僕はこの世にも美しい食材が大好きで、シーズンの秋に一度は買って食べるようにしている。食べ方のバリエーションはあまりなくて、ガクから花びらをとり、酢をおとした湯で一瞬茹でて水に取り、キュッと絞って三杯酢で和えるだけ。

でも、これがもうほんとうに美しい味わいなのだ。味わいに美しいも何もあるか、というのは菊の花を食べたことがない人ではないだろうか。花の香り、シャクリシャクリと心地よい花びらの食感が、程よい酸味と塩味と交わると、なんとも高貴な美しさを感じるおいしさなのだ。

食用菊を常食する産地といえば青森、山形、秋田、新潟といったところだろうか。東北に集中しているのはなんでだろう、いつか解き明かしたいところだ。

食べる菊にもいろんな品種があるけれども、いちばん好きなのは「もってのほか」。その名前の由来は「菊のご紋を食べるなんてもってのほかだ」というところらしいが、このぎりぎり食用にしてもギョッとしない赤紫色と、ガクの近くの黄色みがバランスよく食欲をそそるのだ。

食用菊といえば、以前山形県の最上市あたりで生産者と話をしていたら「観賞用の大輪菊の品評会(見た目の方)をした後、「あの菊うまそうだな」と思ったヤツは、それを出品した人に「あれ、欲しいんだけどな」って譲ってもらって、食べることがある」と言っていてビックリしたことがある。観賞用だから、使用農薬を確かめて食べると言ってたけれども、それにしてもスゴい。菊好きってのはそういうもんなのかと感じ入るところありました。

そういえば、食用菊が栽培されているところの写真は撮ったことがない。ぜひ来年あたり、撮りたいなあ。

ところでこの写真は話題のニコン Zfcで撮影した。予約から入手まで時間がかかって話題となったアレだ。28mmレンズとのセットで購入したが、この写真はフルサイズ用50mmを装着。ZfcはAPS-C機だから75mm相当になるのかな?開放で撮影しているが、なかなかよいではないですか。食用菊を盛った頂点と器の模様部分が合焦点になっていて、心地よい(狙って無くて偶然です(笑))。まだおうちカメラにしかしてないけど、いずれ外にも持っていこう。