ということで、発売されましたSIGMA Iシリーズの広角レンズ24mmF3.5。
フルサイズで10mmとかのド超広角レンズがある以上、24mmという焦点距離はもはや超広角とは言えないのかもしれないけど、むかしは超がついていたそうです。
いやそれにしても先に出ていた65mmf2に比べると、本当に小さい。ただ、SIGMA fpと共に発売された45mmf2.8と並べると負けますが。
この冬にIシリーズとして発売された3本のなかで、もっともレンズフードをつけた姿が美麗だ。
しかもごらんの通り、レンズフードも金属製で、アルミの切削面がきっちりしていてかっこいい。高品位を絵に描いたような造りのよさだ。
SIGMA fpに装着すると、「ああ、そうそう、コンパクトなSIGMA fpにはこれくらいのレンズが合うんだよ」と思えるフィット感!
さっそく、歩いて老舗蕎麦神田まつやへ。
スナップ写真には35mmや28mmがいいと言う人が多いが、僕はそのへんの焦点距離が苦手。ある程度情報量が豊かな方が好きなのです。
その理由として、このように店の外観を収めようと思ったときに、28mmや35mmでは収まらないことがよくあるのだ。
師走の時期だったのだが、この日はラッキー!で、奥の奥、厨房からすぐの席に座ることができた。
店舗内観も24mmならある程度「内観だな~」とわかる範囲を撮影できる。ちなみに一切補正してませんが、ビシッとした絵になっている!
広角ということは、テーブルフォトの際に自分の前だけではなくて、対面まで広くはいってしまうということになる。その辺をわかった上で運用しないと、まぬけな写真が量産されてしまうので、注意は必要だ。
また、四角が四角に写らず、台形にパースがついて写ってしまうという広角レンズ特有の悩ましい現象はあるのだが、このレンズはそれを超えて「おおっ」と使いたくなる特徴がある。それは、、、
ズバリ、「寄れる」ことだ。
えっ なにこれ!?と思うほど、被写体に寄れてしまう。画面中央は歪みが少ないので、その辺に目がいくように配置すれば、皿の形がおかしく写ることには気が留まらなくなる、かな。
F3.5というF値だが、SIGMA fpがフルサイズなので、意外にボケる。広角レンズだとあまりボケが目立たなくなる傾向があるが、このように接写をすると、相対的に前後のボケが大きくなる。
このように豊かな情報量でさつえいしてもよし。
こうして引いて撮るとスカスカとした広角的なアプローチだけど、、、
キュッと寄れるから、ちょっと広角ぽくない感じに収斂される。
美麗で美味しい卵とじ。丼を中央に配すれば、丼の形が広角っぽく楕円になってしまうのを回避できる!
俯瞰撮影も、長いレンズだと立ち上がってうーんと高いところから撮る必要があるけど、24mmだとテーブルに座ったままでこう撮れます。
24mmで食い倒れ写真一式撮れるとは思わなかった!
それに、太陽光の反射の光条もなかなか綺麗に写ります。手持ちでF22に絞って1/50のシャッター速度なので、三脚に据えてもっとじっくり撮れば綺麗な光条になるでしょう。
ということで、SIGMA fpユーザならこのレンズは迷わず買いでしょう!
また、Lアライアンスのパナソニック、ライカユーザーにとっても、素敵に選択肢が拡がるレンズだ。
ちかごろのレンズは重厚長大化がすごかったが、小さくて高品位でよく写り、よく寄れるというのはすばらしいコンセプトだと思う。
ちなみにSIGMAオンラインショップではすでにLマウント用は品切れ、次回入荷待ち。
ソニーEマウント用は在庫があるようだ。これだけのレンズが66,000円はかなりお買い得だと思う。