JRの新宿駅西口を出て、小田急側の迷路のようになっているところをクイクイと上がったところに、肉の万世などが寄り集まった小路がある。ここにある永坂更科の立ち食いコーナーが好きで、新宿を通るときによく立ち寄っていた。最初に行ったのは18年くらい前、以前勤めていた青果流通の会社のスダ君に教えてもらったと記憶している。
「ここはですね、奥には永坂更科の着席で食べる店があるんですけど、こっちがわで立ち食いで食べるのは価格が安いんです。しかも美味しい!」
その頃、たしか鴨南蛮の端肉を使っているのであろう、鴨肉の肉天ぷらを載せたそばが650円くらいの価格で出ていた記憶があるのだが、どうだったろうか。本当においしくて、立ち食いとしてはちょっと高めなのだが、以来よく立ち寄っていた。
それが、ビルの再開発でなくなるという。いっとき、「この店は残るらしい」とか「移転するらしい」とか情報が飛び交っていたが、実際は「閉店」のようだ。
肉天のかけそばにするか、もりそばにするか、いつも気分で決めるのだが、かけにすると天ぷらがグズグズに溶けてしまう。ので、盛りに落ち着いている。
数年ぶりに券売機に向かったら、肉天もりもかけも820円! しばらく来てなかったうちに価格が上がったもんだな。でもこれは仕方ありません、世の中の外食はもうちょっと価格が上がってもいいと思ってます。
ちなみに天ぷらは早い段階で8分割程度に箸で崩しておくのがおすすめ。そのまんまだとそばつゆ猪口に入りませんからね。
ごらんのとおり肉がゴロゴロ、だが、いつのまにか豚肉になってる!?これ、鴨肉ではないよね、、、? 以前、鴨肉だったというのは僕の記憶違いなんだろうか。
でも、やっぱり美味しいです。永坂更科の濃いめのつゆに天ぷらが映える味!
この天ぷらとそばをすばやく交互にすすり込んでいただく。口中で合わせるとこれがなんとも美味しい、、、
アクセントの七味はつゆにいれるのではなく、そば側にかけておくのが僕のスタイルだ。
それにしても美味しい。記憶の中にあった肉天そばそのものであるが、昔はもっと脂が多かった気がする。
そば湯で割って、一服。やはり記憶にたがわぬ美味しい一品だった!
おばちゃんに「移転するとかしないとか?」と訊ねたところ「いいえ、ここは閉店となりました」とキッパリ言われたので、間違いないだろう。
この辺、再開発なんだよね?と聞くと、
「そうです、、、新宿の街が変わりますよ、だいぶね、、、」
と言われた。
街は変わる。それもダイナミックに、、、
それがよい方向に変わるもの、と信じたい。
それにしても、この風情ある立ち食いがなくなるのは残念だ。ぜひ、どこかで新たに肉天そばを立って喰う店が出来て欲しいと切望する。