現在の料理シーンで異彩を放つ存在、樋口直哉くん。
服部学園を出て料理人として仕事をするなか、小説を書いて新人賞を受賞。そのへんのことはこちらをごらんあれ。
■今月号の「専門料理」インタビュー連載のお相手は、料理人にして小説家、なんとあの素晴らしいオンラインコラムを書いていた樋口直哉さん!「おいしいものには理由がある」と料理界の今後!
https://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2018/01/29543.html
さてこの樋口くんとは仲良くさせてもらっているのだけれども、もうひとり面白い女性がいて、松本純子略してまつじゅん。そう、農林水産省に勤めながらさまざまな食材・料理の情報を自らのブログやSNSで発信するインフルエンサーとして有名な彼女、じつは最近話題を呼んでいる農林水産省の若手によるBUZZ MAFF(バズマフ)の仕掛け人でもある。
■BUZZ MAFF https://www.maff.go.jp/j/pr/buzzmaff/
その二人がご結婚されました~! おめでとう!
じつは二人のSNSなどでの公式発表のすこし前に、なんとご自宅に招かれたのでありました。しあわせそうなお二人の姿とともに、樋口フルコースをお届けしましょう。
お二人の新居は隅田川を借景にする、素敵な立地。便利な場所にあるなぁ~
やはりというかなんというか、キッチンが家の中で最重要な場となっている感があります。
窓の外はほうら、こんな感じ!
流しのあるキッチンの隣には、いい感じの移動できる台が。
「これ、ホームセンターに通って材料あつめて、自分でつくっちゃいました」
なかなかよい! あっ ここにもSIGMA fpが。これは樋口くんのです。
なるほど、ここに料理道具を収納できるのか、これ、うちの分も作ってほしい(笑)
その横には作家の思考がなんとなく透けてみえるであろう、本棚が!
うーん、ここで3時間ほど立ち読みしたい(笑)
もちろん料理道具は樋口くんだけではなくまつじゅんのものも。下の鍋シリーズはほとんどが彼女持参のものだそうだ。
さて、この日はとにかく樋口くんの料理を味わうために集まったのだ。以前、僕が樋口くんを撮った写真をある記事で著者近影として使いたいとのことだったので、提供した。「じゃあ君が作った飯たべさせて!」と依頼していたのが実現したというわけだ!
すばらしい料理を作るまつじゅんだけど、今日はかんぜんに樋口くんにお任せ状態。
「樋口さん、最初にうちに遊びに来てくれたときに「何か作って欲しい」ってお願いしたら、冷蔵庫の中身だけでフルコース作ってくれたんですよ~♡♡♡♡♡」
とまつじゅん、ラブラブである。本当にいい巡り合わせでしたねぇ。
まずはカナッペ、チップスの上に乗っているのは色とりどりのペーストだけど、これぜんぶベジです。
この日は、クリームや肉類をあまりつかわないで美味しさを前面に出すというコンセプトのよう。うちの妻がグルテンと乳製品に弱いことを勘案してくれたのでしょう、ありがとう!
料理をする樋口くんを初めてみたけど(そう、イベントなどで振る舞いをしているのは知っているけど、これが初めてだ)、シェフとして働いていた期間も長く、実にクイックな動作。
出てきたのは本格的なコンソメ!
じつはこれもオールベジ。
「野菜だけでコンソメとれるんですよ。色もしっかりでてるでしょう?」
この野菜でとったコンソメが、旨みもしっかりあって、肉っぽさも少し感じるのだけれども、いろんな素材が入っているんだろう。ちなみに樋口くん、野菜コンソメについてnoteに書いてくれています。
■トウモロコシのコンソメ
https://note.com/travelingfoodlab/n/nb9a9571e8c80
お次は魚のカルパッチョ。
上にちらさせれているのは、この日一緒に呼ばれた溝口さんが持って来た、静岡県の真妻わさび。美味しい、、、
この見目麗しきサラダも、オールベジ!カッテージチーズのようなものがかかっているけど、たしか豆腐ベース?だったと思う。
こういう、家ではなかなか面倒でやらないような細かい仕事をするところがプロの料理人としてのキャリアを感じさせる、、、
その頃、キッチンの横にしつらえられたIHヒーターの上でカシャカシャという音が。
「このヒーターがいま面白いですよ。これから発売される製品なんですけど、温度計がついているので、いま食材が何度になってるかをチェックしながら火入れできるんですよ!」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおお これ欲しい!
そう、樋口くんは調理家電への造詣も深く、プロ目線・科学的な料理法研究者目線からそうしたものを選び取る。このIHについてはいろいろと協力しているらしい。ソソル商品だね。
さて、焦がしバターをたっぷりと、黄身を泡立てたボウルへ、、、
そう、つくっているのはベアルネーズソース。
ベアルネーズソースは牛肉のステーキや、チキンなどにも合わせることができる力強いソースだ。だが、ここで彼が出してきたのは、、、
たっぷりのゲランドの塩を塩竃にして、ストゥブで焼いたのはなにか!?
なんと、ビーツ!
こんなビーツ料理みたことない!
この料理も彼がnoteでレシピ公開しています。
■ビーツの塩釜焼き https://note.com/travelingfoodlab/n/n81ef9d3edd8e
ビーツがベアルネーズソースによく合う!茹でると溶け出てしまう味わいが中に残っているので、ベアルネーズソースの濃厚さをビーツがしっかり受け止める味わいだ。ビーツがこんなに主役になるとはね、驚きました。
こちらは日本カボチャ。
これもローストだったかな!? しっとり美味しい仕上がりです。カボチャについての論考・レシピはcakesに。
■種とワタを生かして甘みととろみを出す! カボチャの煮物
https://cakes.mu/posts/26634
続いては、ロブションの料理へのオマージュ。
ムースにかかっているジュレはコンソメベースではなく、なんとレンズ豆の煮汁! 驚きという点ではこの料理がすごかったな。
おつぎは徳島県産のもちきび品種を使った一品。
この時期、トウモロコシレシピの仕事が多かった樋口くん。四国でよく栽培されていた甘みのないワキシー種にスイート種を交配したものを用意してくれていた。そこに、スパイスをかけて食べるのが実に美味しい!
茹でトウモロコシをそのまま食べるだけじゃなく、スパイスが世界を拡張してくれる!
おつぎは出ましたエスプーマ!
出ましたね、樋口くんお得意のカボチャスープ。
■カボチャのスープ https://note.com/travelingfoodlab/n/ndc666385d74f
にんじんのステーキも、きちんとソースが(しかも二種)かけられていて美味しい! 料理とはほんとうに一手間かけるだけで大きく変わるものだと再認識。
「なにかの煮汁が出たり、ソースの材料になるようなものが出たりしたら冷凍しておくんです。溜まったらソースを作ってこれも冷凍しておく。そんな感じで準備しておけば、お客さんが来るときもすぐに出せますからね」
というが、それができるのがスゴいんだよ~。
さて、ベジ系の料理がバンバン出た〆のメイン料理は思い切り動物性蛋白質!
えっこれなに、、、
「これはですね、サンマの中に仔羊のミンチを詰めたものをロースとしています。」
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
これはスゴい! サンマと羊!?なんですかその取り合わせは!!!!
と思ったらありましたよ、有償記事ですが。
■サンマのファルシ https://note.com/travelingfoodlab/n/ne47fe5670697
これがねえ、もう絶品中の絶品。挽き肉の羊に火を通そうとするとサンマの身肉が硬くなっちゃうんじゃないかと思ったけど、そんなこと一切無い! いや、圧倒されました。この料理はまた食べたい。
美味しかった!
チーズをおいしくいただきながら樋口シェフ、いろんなことを語るの巻。
すごい事実があって、僕が一回だけ料理対決番組の「アイアンシェフ」審査員をした時、なんと彼が助手をしていたのだ。その裏話を聞いて抱腹絶倒。ここには書けませんが、、、
と、こんな感じで樋口直哉・純子夫妻はとてもしあわせそうです。
樋口くん純子ちゃん、ぜひまた寄らせて下さい!