10月15日~17日まで、オーガニックライフスタイルエキスポが開催されている。コロナの影響もあって、今年は開催できるのかと危ぶまれたが、日程の変更はあったものの、無事開催にこぎつけた。関係者の努力は大変なものだったろう。充実の内容であり、またコロナを意識しての意欲的な開催ということもあり、ぜひ足を運んで欲しいイベントだ。
浜松町駅から徒歩でほんの5分とかからない場所(浜松町駅は、東京駅側の改札から出ること!)にある、まだ新しい施設である産業貿易センター浜松町館。このセンターの2F~5Fがオーガニックライフスタイルエキスポのために使われている。
通常の展示会なら一つのフロアぶち抜きで開催される展示会だが、コロナ対策のため、ブースとブースの間にはかなりの距離が開けられている。このため、1フロアでは展開ができない。そこで、2Fと3Fは食関連、4Fにはコスメや生活雑貨、そしてセミナールームという展示方式となっている。フロアとフロアを行き来する必要はあるものの、ゆったりとしており、観ている側としては快適だ。
もちろん入場に際してはマスクやフェイスガードなどが必須であり、体温チェックもある。展示者側もしっかりと対策をしている。
開場してすぐの時間だが、すでに一般と思われる人達がコスメのブースに多く来場し、ブースによってはひとだかりもできていた。
毎年のように思うことだが、コスメやアパレルがオーガニックに入ってきてくれたことで、オーガニックの世界は確実に拡がったと実感する。一昔前までは、有機野菜や食品メーカーのブースを業界関係者が見てまわるような展示会光景だったが、明らかに明るく綺麗に変化している。
来場者の年齢も、20代、30代と思われる人達が多い。オーガニックをライフスタイルとして捉えるというこのエキスポの意図がしっかりとはまっていると感じる。
このように、各ブースの展示には、SDGsのゴールのうちどれに貢献した商品・サービスなのかを示すマークが着いているのが、このイベントらしいところだ。
埼玉県の坂戸市で木桶仕込みの醤油を生産する弓削多醤油。同社はオーガニック醤油や国産原料での醤油製造に注力しており、味わいの佳さで識られる。
先日「ガイアの夜明け」で特集された、「釧路生まれ、釧路育ちのオーガニックビーフ」を販売する青山さんがいるのは、北海道オーガニックビーフ振興協議会(HOBA)。
日本国内では本当に稀少なオーガニックの牛肉生産に取り組む農場が名を連ねる協議会だ。襟裳短角牛で有名な高橋牧場の基弘さんも来場している。日替わりでいろんな生産者さんがいるはずなので、声をかけて欲しい。
現在、オーガニック生産に取り組む(まだオーガニック認証を取得する途中もあり)面々の牛の肉が勢揃い。なかなかみられない光景だ。
左が高橋牧場と北十勝ファーム。どちらもこれから有機取得に向けて生産が始まる。
こちら↓はどちらも認証取得牧場。左が榛澤牧場で右が北里八雲牧場だ。これに様似の駒谷牧場の「ジビーフ」が加われば、そろいぶみ。
オーガニックビーフは生協などの専門的な流通での契約生産がほとんどであり、なかなか一般流通しないので、こうしたところでぜひ出会いをして欲しいと思う。
なお、HOBA加盟生産者のオーガニックビーフを都内の焼肉店「ここから」で食べることができるそうだ。限定240キロとのことなので、関心のある方はぜひおはやめに。どうやら貴重なホルモン系も食べられるとのこと。
千葉県の木更津市で200haもの耕作放棄地を養蜂と有機農業の組み合わせで復活させるワンドロップファームも出展。
有機認証を取得するには2年間の転換期間が必要だが、その期間はクローバーなどの緑肥作物を植えて花畑にし、そこで養蜂を営みハチミツをとって経営を安定。転換期間が終了したら、緑肥によってよい土壌となった畑に作物を植え有機農業を営むという体系だ。
注目は、オリジナル製品である燻製はちみつ。特殊な技法で、燻煙香とはちみつの甘さがじつにいい感じにマッチングしている。豚肉のソテーに合わせれば最高だ。
ワンドロップファームのある木更津市自体が、オーガニックシティという名の下で出展している。こうした動きが日本中に拡がっていくと面白い。
会場内では美味しいオーガニック弁当やヴィーガン弁当を買い求めることができるので、手ぶらで来場してもご安心。
生物多様性と循環型社会を重視する「生きもの認証システム」のブースでは、銀座のビルの屋上ではちみつ採るプロジェクトを成功させた高安さんご夫妻が、今度は銀座の屋上でホーリーバジルを生産するプロジェクトのお披露目。
若い女性を中心に大人気のホーリーバジルティーを、フレッシュな葉で製造している。
こちらは提携する沖縄の農場でのホーリーバジル。香りがすばらしい。
もちろん全国の有機野菜の生産者が集うブースも大盛況だ!
オイシックス・ラ・大地はミールキットとベジジュースを展開。ヴィーガンミールキットの「パープルキャロット」のブランド展開もしているので、今後はそうした商品もここに置いて欲しいと思う。
有機食品の販売といえば、小売ではここが老舗。「こだわりや」は新入社員さんを投入して、ゆる~く販売中だそうだ。そう、この展示会、即売もしているブースが多いので、大きめのエコバッグを持ってくることをお薦めする。
4階では各種セミナーが開催。ネット経由のオンライン登壇も組み合わせた意欲的なセミナーが多く、面白いのはオンライン試聴者の方が多いこと。当日券は余っているはずなので、ぜひ来場してみるといいだろう。
ということで、明日土曜日が最終日。ぜひ浜松町にて、最新のオーガニック&SDGsの世界を体感・情報収集していただきたい!