コロナで大変な思いをしている飲食店が多いけど、みなさんそれぞれ頑張ってます。感染防止策を最大限に講じつつ、家ではとても作れないような技術が投入された美味しいごはんを食べに行きましょう!ということで、みんな大好きおなじみのシュングルマンです。
■甘味系トウモロコシ 甘々娘(かんかんむすめ)の冷製スープ 生ウニをあしらって
野菜系のクリアなスープに魚介を合わせるのは小池君の得意技。
ともすれば生臭くなってしまうのがそうならないところが、素材選びと下処理の技術によるたまものだろう。
■岐阜産 鮎の炭火焼きと夏野菜のサラダ キュウリとレモンのソース
じつは私この日、大遅刻したんです。もうね、この約束の時間めがけて火入れをしていたであろう小池君に合わせる顔もありません。でも、そんなことをみじんも感じさせない鮎の素晴らしい一皿。はらわたからは苦みではなくさわやかなスパイシーさとでもいうべき味わいが染み出してくる。パリパリすぎずしっとり感の残った火入れは、和食店かよ!と言うところだが、レモンとキュウリを油でつないだ軽やかなソースが「あっ そうかフレンチか」と思い出させてくれる。最高に旨いぜ!
■神奈川 鯖とインカのめざめタルト、鯖のスープドポワゾン
これがこの日の白眉!
鯖のタルトは、土台のタルト生地の油脂感と、甘みある熟成ジャガイモであるインカのめざめのペーストがデザートのよう。そこに塩味のきいたサバが載り、これまた甘みあるソースと合わさることで、サバがなんとも上品な世界へ飛ぶ。
そこに!
なんとサバのスープドポワゾンですよぉー。サバを煮詰めてこんな上品な出汁になるの?臭みなどまったく感じません。純化されたうま味、そこからかろうじて鼻に抜けるのがサバのサバらしい香り。すっばらしいね! この日、最高のひと品でした。
■岩手短角牛のロースト 糠でマリネした熟成肉の脂のアクセント、淡路産焼き玉ねぎのソース
これがですねえ、面白かった!
いつもならドライエイジドビーフにした北海道は北十勝ファームの短角牛が出てくると思ったのだけど、この日はドライエイジングしていない岩手の短角。とても素直な肉質のロースを、みためは低温調理にみえるだろうけど、彼はコントロールの難しい炭火でこれをやるんです。その上に載っているのが、ヌカ漬けにした牛脂!こちらはドライエイジングしたものから切り取ったモノ。つまり、ドライエイジングの香りとぬか床の香り・うま味が足されている!
これぞ日本版ラルドといっていいものかもしれない!?
「最近、糠漬けに凝ってるんですよ。もうね、なんでもいれちゃってます。それこそ野菜はなんでも、肉の切れ端、魚のアラまで。すっげー味が変わってくるんですよ!」
と。いやぜひこんどは、その最上級のぬか床に着けたキュウリを食べさせてくれ。
■お食事 エンドウ店長いちおし♥ 台湾産マーガオカレー
いっつも「カレー屋やれよ!」といいたくなるほど完成度の高いオリジナルカレーをくりだしてくる小池君。今回は台湾産のめずらしいスパイスであるマーガオをたっぷり使ったカレーだ。写真の、黒胡椒粒のようにみえるやつね。
マーガオ、噛むと柑橘のような鋭い香りとピリッとした辛み、なんともいえない芳香を感じる。まったりしたカレーの旨さに、縦のラインをぶちこんでくる爽やかさだ!素晴らしく美味しいじゃないか!
小池君、コロナがきても進化中。
デザートは広島産レモンをたっぷり使ったレモンクリームタルト。
この店は、シャルキュトリからデザートまですべて小池君の手造り。その丁寧な仕事は、ぜったいに失われてはいけないと思うものだ。
店内でこれらの料理や冷凍したシャルキュトリを購入することができるようになっている。
そして、この味わいが公式オンラインショップでも楽しめるようになった!
■シュングルマンオンラインショップ
https://shungourmand.thebase.in/
しばらく前まで、「たべたいなー、いまから」と思って電話すると「あースミマセン、満席なんです!」ということが多かったシュングルマン。いまならすぐ食べられますから、ぜひ足を運んでやってください。
また近いうちにね、小池君。応援してるぜ!