ということで、専門料理8月号の巻頭特集は「以後の料理人、以後のレストラン」。なんの「以後」なのかはもちろん言わなくてもわかりますよね。コロナに見舞われてからの小括として、日本・世界の料理人(すっごい豪華な顔ぶれ!)がどんな対応をしたか、そして今後どのようになっていくと見通しているのかのインタビュー特集だ。
で、わたしの連載「やまけんが聞く!」で登場するのは、、、
森枝卓士先生!
1980年代から東南アジアの食に関するルポ記事を精力的に紹介されていた森枝さん。90年代、dancyuのカレー特集や東南アジア料理の記事に寄稿する常連で、カレーについていえばレシピ本まで出されている。
なにより素晴らしいのはその写真だ。ストロボ直打ちだと思うのだけれども、赤や紫、グリーンなどビビッドカラーに彩られたベトナムやミャンマー、カンボジアの家庭の料理を、まるでそこにいるかのような気になってしまう迫力ある写真なのだ。
素晴らしいなあ、と思っていたが、森枝さんの写真の師匠はなんと! あのユージーン・スミスなのだ!!!!!(ぜひググって下さい)
いつかお会いしたいと思っていたがその歩みは遅く、まずはひょんなことから森枝さんの息子で若手名シェフの森枝幹くんと友達になった(笑)そうしたらある日、「息子が世話になってます」とメッセージをいただいた!嬉しかったですねぇ。
そういうことで、インタビュー会場は幹くんが渋谷パルコ4Fに開いたモダンタイ料理「chompoo」!ランチでさっとでもいいし、しっかりディナーをいただいてもよし、場末のタイ料理感覚ではなく、現地からヘッドハントしたシェフによる本場の味わいに、ひねりの利いた森枝節が絡んだ、美味しいタイ料理をいただくことができる。
森枝くんだから当たり前だけどこの店、ペースト類をすべて手造り。市販のペーストプラスαで味を作っている店とは格が違います。フレッシュで優しく、香りの構成が驚くほどに複雑!
なんてことのないヤム、とおもって口に運ぶと「ハッ!」とする。ほんとうに美味しいです。コロナで大変だろうけど、もし渋谷でごはんを食べるなら選択肢にして間違いない店です。
ちなみに写真の料理は特別にあつらえてもらったけれども、オーダーすれば作ってもらえるはず。川魚の唐揚げに独特のソースをかけて食べるの、美味しい。そしてナマズのゲーン(なのかな?)が素晴らしく美味しい!川魚でないと出ない美味しさとはこれか!
森枝さんが撮るところを初めてみる。あ、リアルではこれが初対面です。感激です。うわずってしまった、、、ちなみにここに写っているように、フルサイズはソニーα7シリーズを使っておられるが、フットワークが必要になる取材ではオリンパスのOM-Dを使用されている!
波瀾万丈の青年時代を送られてきたことから始まり、インタビューは実に充実。
幹くんとの親子仲が、これまたよいのです。
現在は大正大学にて教鞭を執られる森枝さん。大正大学が発刊している「地域人」という雑誌があるのだけれども、これがスゴい。
執筆人 をみてくださいよ。
【豪華連載陣】
養老孟司/清成忠男/島薗進/金子順一/小峰隆夫/森まゆみ/河合雅司/菅野芳秀/二宮清純/涌井雅之/森枝卓士/渋谷和宏 ほか
これ、大学の機関誌レベルじゃないよね!?中身観てまたビックリ、写真たっぷり、テキストは価値ある一次情報がズラリ。日本ワイン号は特に素晴らしかった!
ということで、森枝卓士さんにおはなし伺っているのは、昨今その存在感が「エスニック料理」としてではなく、タイ、ベトナム、カンボジアなどのそれぞれの国がきちんとジャンルとして成立しつつある状況と、森枝さんが足を運んでいた当時の状況と比較するなどしております。
ぜひお読み下さい。
森枝さん、またお会いしたいです!