先日ここでお伝えした、福岡県糸島市のミツル醤油が醤油かすをなんとか食品に利用できないかという思いで試行錯誤をかなねて商品化した「醤油床」。先日は簡易にキュウリとダイコンをさっと漬けて食べたくらいだったが、その後この醤油床が、どえらい変化を遂げる。
■福岡県糸島市のミツル醤油・城君が試行錯誤して生まれた「醤油床<野菜の漬け床、肉の漬けダレに>」は面白い商品。醤油かすの食品への再利用の可能性を拡げているのは、あっと驚くクミン遣いだ!
https://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2020/06/30081.html
本日は会社で予備的作業、のつもりだったのに、午前中から柿本と作業にドはまりしてしまい、何も終わらない。「外に出る暇も無いなって思って、お米があったんで、炊いちゃいました」と、ナイスプレー!じゃあ、醤油床に漬け込んでおいた肉、食べよう!
本来的には野菜を漬けておくとよいのだけれども、野菜の水分が出た後も、その上澄み液を捨てて、まだ固形部が残っているところに肉を漬け込むのだ。ミツル醤油の城君は鶏肉か豚肉を推していたが、ちょうどニュージーランド産のグラスフェッドビーフのストリップロイン1本があって、食べきれない分を冷凍しておいたのがあったので、塊のままでジップロックにいれ、醤油床を揉み込み。
その状態で3日目で焼いたのがこれ。
牛肉の味噌漬けという商品があるが、アレを好きだという人、いるだろうか?僕は苦手だ。味噌はやはり支配的な味と香りを持つ調味料で、しかも肉がパサッとして硬くなってしまう。これも、あんな感じになるのかな、、、と思っていたのだが!
食べてみたら違う! しかも床のそのままの状態だとぎゅんぎゅんと香るクミンの芳香が、それほど前に出てこない、、、野菜の時もそうだったが、「なにかスパイス使ってる?」という感じにおさまるのだ。そして醤油の強い味香りもそこまでつよいわけではない。床の色を観るとやたら濃い飴色なので「すっげー濃い味っぽい」と思うだろうが、漬けたものを食べるとあら不思議、じつに良いバランスの味なのだ。
で、漬け込み5日目の今日、昼飯に焼いたのがこの塊です。
だいたい400gくらいかなー さすがに塊でやく余裕がないので、スライスしてフライパンで焼きました。油はひかず。
表面に醤油床の残りがからむので、焼き目をつけてメイラード反応しなくてもいいか、とあっさりした火入れ。
初日から醤油床に漬けた大根とキュウリも一緒に。
不思議なことに、漬かりすぎて辛くなってないか?と思うが、ぜんぜんそんなことがない。野菜の体積にもよるが、まぶす程度にしていれば塩分濃度が濃くなり過ぎることはないようだ。そもそも濃口醤油は、塩分濃度よりもうまみや香り成分の複雑さで味のパンチをつくっているからね。
本日の我が社の昼飯です。ごはんのお米はおいしいおいしい会津産、トマトは中玉です。
いやーーー 素晴らしく旨いな!
さすがに5日漬けておくと、余分な水分が抜けて味噌漬け的テクスチャーにもなるが、だからといってパサパサという感じではない。そして、これ確実に麹菌による分解が進んでいるようで、柔らかくかみ切れる。まあニュージーランドのグラスフェッドビーフはもとから柔らかいというのもあるけれども、明らかにステーキで食べた時の食感よりも分解が進んでいるのを実感する。
そして香るか香らないか、ギリギリのラインでクミンのいい感じのエスニック香が立ちのぼる!いいアクセントだ!
ということで、野菜を漬け込んで、そのあと肉をつけてという二段階の楽しみをしっかり味わった。目下の興味は、この後の床はまだ何回か使えるのか?ということだ。肉を漬けたので、さすがに生食用の素材は難しいだろうが、、、塩分濃度をチェックしながら、やはり肉をつけてみたいと思います。今度は鶏かな。
それにしてもこれは面白い。たとえばゆで卵をつけたらたいへんに美味しくなるだろうと思う。皮を剥いたアボカドもいいかもしれない。ゆでたエビなんかもいい感じになるかもね。
ということで、改めてこれはなかなか楽しめるな、という商品だ。ミツル醤油のオンラインショップで求めることができます。
■ミツル醤油 オンラインショップ
http://www.mitsuru-shoyu.com/?mode=srh&cid=&keyword=
醤油床だけだと送料がもったいないから、お醤油「生成り」と、僕のお薦めはいりこだしつゆ。アミノ酸も蛋白加水分解物も酵母エキスもいれてない、いりこ文化圏出身者には涙が出そうにうまいだしつゆです。
城君を応援してやってくださいませ。