ということで、しばらく前に銀一で開催されたマンフロット商品のアウトレットセールで売られていた、ラストライトのハロコンパクトリフレクターとディフューザーを買いました。通常、1万円前後で売られているのが7500円だったので、間違いなく安い!保存に失敗したのか箱がスレ、汚れ、へこみがあったのだけれども、そんなの購入時しか触らないしね。いい買い物しました。
さて、レフ板というのは、人物を撮るときにも、商品を撮るときも、また料理などを撮るときにも活躍するもの。初心者だとついつい「そんなの要るの?」と思ってしまうのだが、使ってみれば一目瞭然。レフ板を使いこなせるか否かが写真撮影の「次の一歩」となる。そんな道具だ。
このレフ板、通常は丸い樹脂製の枠に、反射率の高い幕が張られている。それをくいっと捻りながら畳むと小さな円形に畳めるものが主流だ。僕が使用しているのはプロフォトのこういう製品。
リバーシブルになっていて、銀色の幕と白い幕が裏表についている。光の反射率がよい銀色のレフを使うと、ギンギラギンに快晴な日に逆光下で撮影をする際に、役に立つ。例えば下の、オーガニック検査員の水野葉子先生の写真。
フラッシュでライティングしたようにみえるかもしれないが、写真の左手前から編集者に銀レフを持ってもらい、水野先生の顔を照らしている。炎天下のギラギラした光を打ち消すくらいのパワーが、レフ板から生まれる。もちろんその分、撮られる側はまぶしいので、眼をつぶらないでもらうことが必要だ。
このように、持っているととても便利に使うことができるレフ板なのだが、その構造上の問題がある。フレームをもって3回分畳むことができるので、拡げたときの1/3のサイズになるのだが、元々の大きさがでかいものだと、畳んだ時の直系もでかくなる。僕はたまに120cmのレフを持ち出すこともあるのだが、そうなると40cm、しかもけっこうな重さになる。持ち運びしにくいのだ。
そこに出てきたのが、ラストライト社のこの製品だ。
なぬ?折りたたみ傘? そう、ホントにそんなサイズ感。セロテープやペンと比べるとこんな感じ。
500mlペットボトルより少し長いけど、重さはそれよりは軽いという感じだ。中を開けてみる。
おわかりだろうか、これ、画期的なレフ板システムだと思う。
フレームの部分を、折りたたみ式テントのフレームのように、着脱式パイプにしてしまったわけだ。これをスポスポとはめていく。
持ち手の部分が凸凹になっているので、それをあわせてはめ込むと、丸いフレームとなる。
そこに、このレフとなった幕を張っていくのだ。
これで出来上がり!
なるほどね、と思った人もいるだろうが、「ふつうの丸レフのほうが、バッと拡げるだけで展開できるから、楽じゃん」と思うかもしれない。そう、単純に手間と時間を考えると、このハロコンパクトシリーズは分が悪い。
しかし、この製品は圧倒的に軽い。このサイズは82cmなのだが、収納袋にいれて370g。対してさきのプロフォトのリフレクターは80cmで収納時720g。ほぼ1/2で軽量なのだ。
それだけではない。この製品のキモはココにある。
三脚穴があるのがおわかりだろうか。そう、ここのネジを使って、自立させることができるのだ。150cm前後の高さになる三脚に装着すれば、助手要らずでポートレートを撮影することが可能となる。
しかも、この軽さだから、冒頭写真にもう一つ写っている、ミニ三脚を使っても自立させることができる!
やった!
そうするとどうなるかというと、テーブル上での撮影に使えるということなんですねー。
その時に活躍するのは、レフではなくディフューザー。つまり光を透過する幕だ。二つ買ったというのは、ひとつはレフ幕のもの、もう一つはディフューザー幕のものというわけ。
ライティング撮影をする方ならもうおわかりでしょう、ソフトボックスやアンブレラを使う代わりに、これをフラッシュの前に置くことで、自由度の高いディフューザー撮影ができるわけです。
さて、実験用に、岩手県の吉田さんが栽培したリンゴを、出張料理撮影では定番のSD写真工業の80cmソフトボックスで撮影。
画面左やや上からのサイド光として置きました。
ああ、やっぱり綺麗ですねえ。
では同じ位置にハロコンパクト・ディフューザーを置いて撮影。
むっ 光量落ちが強いですね。それと、フラッシュの光がフレーム脇から漏れてしまい、画面左上に出てしまっています。ソフトボックスではフラッシュから幕までの光は漏れないようになっているわけですが、この場合はフラッシュ位置を調整する必要がありそうです。
ということで、フラッシュをやや前進させ幕面に近づけ、光漏れをなくすために幕面自体の位置を変えました。
だいぶよくなりましたが露出がまだ足りません。また、ソフトボックスと同じ角度からのフラッシュ照射だと、りんご前面が少し暗くみえます。これは、ソフトボックスの内部には光を反射する塗装がされているため、幕面からの出力が上がるのに対し、ディフューザーに生の光があたるだけの今回のシステムだと、横からの増幅分がないからでしょう。ということで、光量を少し上げ、かつフラッシュの位置をすこし前面寄りに変えました。
結果、満足いく仕上がりになりました。ただ、ソフトボックスの光とは、あきらかに影の付き方が違います。下がソフトボックス再掲。
どちらがお好きかは、ほんと好みですねーーーー
ともあれ、レフ板として持ち歩き、緊急時にはディフューザー幕を装着することで、ライティング機材ともなるこの製品、とても気に入りましたぞ。ちなみに幕面だけの販売もしているので、リフレクターの枠つきを買って、ディフューザーは幕だけ買う(その逆ももちろん可)という使い方もできますね。
上二つは幕面のみのもの。これだけ買っても使えないので、気をつけて!