さて、高知の一日目は安芸市のはたやま夢楽へ。というのも、前回に足を運んだ際には施工中だった食鳥処理施設が竣工し、稼働しているのを観に行ったのである!
高知県が誇る地鶏・土佐ジローは卵だけが得意じゃない!そのお肉を美味しく食べられるはたやま夢楽(むら)の小松夫妻を9年ぶりに訪ねた!何もかもむかしと違い、土佐ジローの味まで旨くなっていた! - やまけんの出張食い倒れ日記 http://bit.ly/2FCfciN
豪雨災害で崩れまくっていた畑山に至る道路は、前回よりは復旧が進んでいるものの、「地元の労働力が減少しているので、土木会社も人が集まらず、工事はなかなか進んでません」という。
たしかに、働いている方々もご高齢の人が多い印象。今後、気象災害が日本各所で起こっていくだろうことを考えると、もっと人が足りなくなって生活の継続が難しいことになるかもしれないという恐ろしさを感じさせる。千葉の停電がはやく復旧することを祈っています。
さて、はたやま夢楽到着。生産者と行政で組織する土佐ジロー協会の現会長・小松精一さんと、えっらい年の差あり若妻・圭子ちゃんが出迎えてくれる。
圭子ちゃんの後ろにあるのが新・食鳥処理場!
以前の処理場を運営する中で精一さんが「ここはこうしたほうがよかった」というノウハウを結集して作った新しい施設。
HACCP対応が義務化されることもあるが、それいぜんからきっちり衛生面の課題をクリアした食鳥処理を行ってきた彼らのノウハウが詰まった施設になっている。
ここでちょっと驚いた縁に遭遇。今回も、高知県の土佐あかうし振興のキーマンである「泣く男」公文ちゃんが随行してくれたのだが、、、
「実はね、以前使用していた処理施設の認可をくれたの、当時保健所に勤めておられた、公文さんのお父さんだったんよね。息子さんにこうして来てもらうのも、奇縁というかなんというか。」
ええええええええええええええええええええええええええ
それはスゴいご縁!
いいたべものが生まれる背景には、いい行政がいなければ実現しないこともある、ということなんですよね。ということで、「憩いの家」に移ってお昼ご飯です。
じつは僕が処理場から移動する際にムカデ(でかかった!)に軽く噛まれてしまい、応急処置。
薬指の中腹に二箇所、赤く血が出ているところがおわかりだろうか。ここに血を吸い出す逆注射器みたいなので吸い出したのち、、、特別な油を塗る!
この油の正体は、、、
なんと捕まえたムカデをごま油につけこんだもの! ひいぃぃぃ なめたくない! これって同毒療法かな?
「これを塗ると悪くならんっていうがやけど、やまけんさんが実験第一号やきね。どうなるかわからん」
えええええええええええええええええええええええ
でも、この特製油のおかげか、まったく腫れることもなく無事でしたよ!ありがとうございました。
気を取り直して、、、
いつもの、つきっきりの土佐ジロー焼きが始まった!
モモ肉、胸肉、手羽先、手羽元、、、
成鶏になっても1.8kgにしかならない(ブロイラーは4キロ!)小さな地鶏である土佐ジロー。でも、だからこそ、土佐ジローにしかない味わいがある!
実は今回それだけではなく、はたやま夢楽がトライしてきた加工品の新しい製品が!
それが、土佐ジローののレバーペースト!
なんと、これを作っているのは、元・青山ランベリーのスーシェフをしていた松原君!家族を連れて高知に移住し、いま「松原ミート」という店を営んでいるが、だんだんとジビエや高知中の食肉を加工する「シャルキュトリエ」としての道を模索しているという彼がプロデュース!
いやーーーこれが絶品!
みておわかりの通り、ツブツブが入ってる。これ、土佐ジローの砂肝とハツなのだ!こいつらが絶妙にコリコリコリコリと食感を与えている! しかも、さすが松原ミート!余計な味になるアミノ酸の類いを一切使っていない!ゆえに賞味期限も冷蔵でわりかし短め(1ヶ月)だけど、それこそ我らの求めていたものだ!
公式通販ページでは売り切れが続いていたようだが、松原ミートが小ロットで作って納品してくるものなので、仕方なし!わたしは5本まとめ買いしました(笑)。
■公式通販ページ
https://tosajiro.thebase.in/items/19427162
それと!
土佐ジローのスモーク! なんとこれも松原ミート謹製だ!
燻製製品ってよくありがちなんだけど、だいたい、アミノ酸を添加してぜんっぜん素材の味がしない、そこら辺にあるハムソー製品と同じような味になっているものがほとんど。
でもこれは違う!はたやま夢楽の製品は一切そうした余計な旨み添加をしないのだ。塩と香辛料だけで味付け。
よーく中まで温めて、、、
いやーーーーーーーこれは旨い!
こういう燻製製品、リキッドスモーク(燻液)で燻製の香りだけつけたものもあったりするけど、これはちゃーんと燻してます!これも素晴らしい製品。
なんと、アヒージョ缶!
こちらも、味付けは塩とユズ皮のみ。油はオリーブオイルではなく菜種油!
このように小さなココットに入れて、、、
火にのせる!もちろんコンロでも良し。
ああ、こいつぁ、心の底から美味しい! ジローの身は柔らかくほぐれているが、味わいはジローそのもの。いい缶詰だ!
そしてはたやま夢楽ならではの楽しみ方がある。
「ここに、追い肉していきまーす!」
そう、炭火焼きの肉をちょっと残しておいて、皮や肉を投入してグツグツ!
いやーーーーーーこれは最高!
この残り油はもちろんご飯にかけたり、チャーハンにしたり、またはパスタと和えても絶対に旨いね!
ということで買ってしまいました。
食卓の方は、土佐ジロースープで作った出し茶漬けで〆!
これ、みなさんにも食べて欲しい!
産地で生産者が作る料理って、嬉しいものだけれども、その多くはアミノ酸やいろんなものをぶち込んで居ることが多くて、料理人を連れて行っても「うーん、、、」と顔が曇ることが多い。ここはたやま夢楽ではそんなことがないので安心できる!
で、今回いろいろ話したのだけれども、土佐ジローのお肉としての利用を拡げていくためにも、これを味わっていただくツアーを企画しようということに。それも、鶏肉の料理を真剣にやっていらっしゃるお店に来ていただきたい。1.8kgにしかならない鶏なので、正味肉量からすると割高な価格にならざるをえない。それでも使っていただくことができそうなお店というので、かなりハードルは上がるけれども、、、
ということで、緩やかに産地ツアーの募集をはじめます。高知まで一泊二日できていただく旅費のみご負担いただくけれども、空港に入ってからは事業費でなんとかまかないます。実施時期は2月の日・月の一泊二日。焼き鳥やレストランで串焼きにできて、必ず喜んでいただけるであろう、フルーツトマトやミョウガ、驚くほど美味しいエノキ茸などを廻った後、はたやま夢楽へ。夕食に圭子ちゃんと精一さんの土佐ジロー焼きを正味。
翌日午前中は鶏舎(鳥インフル防疫の関係で、外からの視察になる可能性もあります)と食鳥処理施設の見学をした後、熟度のことなる土佐ジロー肉を用意し、参加のみなさんが自分でさばいたり、焼いたりしながら試食。
午後、空港までの間に土佐あかうしの視察をして、あかうし販売の雄・三谷ミートに寄ってから、空港へ送り届けます。これは私の案で、これから細部を詰めながら変わっていくかもしれませんが、、、
首都圏で、ほぼ出されていない地鶏肉に関心のある料理人さんをお待ちしています。具体的な内容が決まったらここでもお伝えしますが、いまから希望のかたはSNSなどでぜひご連絡下さいませ!