高知に来ています。2008年から続く土佐あかうしとの縁もすっかり深くなった!とはいえ、これまでずっと農家さんのお手伝い、という形でやってきたのだけれども、、、とうとう僕も、当事者となりました。
というのは、、、上の写真の、土佐あかうしの柿衛門(かきえもん)君のオーナーになったのです!
高知と愛媛の県境である檮原町(ゆすはら)へ。
町役場が地元の木材で作られているように、森林資源の豊富な町。つまり中山間地だ。この山間部で、黒毛和牛と土佐あかうしの一貫経営を行う津野山畜産公社がある。
この、津野山畜産公社で生を受けた「柿衛門」くん(分かると思いますがオスです)を、僕の会社で所有することとなった。もちろん「預託」という契約形態です。
発端は昨年、RiCEマガジンの牛肉特集で、編集部を高知に連れてきた時のこと。
この子がとても温和なみさきちゃん。どれくらい温和かというと、、、
人を乗せてもぜんぜん嫌がらない!みんなビックリ。
そしてこのみさきちゃんの第一子として生まれたのが、柿衛門君。
「やまけんさん、この子のオーナーになりません?」
と公文ちゃんがもちかけてきたのである! おお、短角牛だけではなく、あかうしのオーナーにもなるのか、、、と感無量。
でも、僕がオーナーになるなら、肥育時に配合飼料ばかり与えるのではなくて、牧草を多給して、できれば放牧もさせたいんだけど、、、
「大丈夫、ここは四国カルストという、四国有数の放牧地帯があるんです!」
おおーーーーーーー
これは素晴らしい!
ということで、「やりますやりますやりまーす!柿衛門君のオーナーだ!」となったわけです。
公社にて、代表の佐竹さんと預託契約書の調印の儀。
この公社は現在約450頭、最大収容数は550頭程度の余力を持つ。これは高知県内ではかなり大きい方だ。
黒毛と土佐あかうしの両方を手がけているが、ぜひあかうしの生産拠点としてこれからも頑張っていただきたいと思う。その応援の一助となれば、だ。
僕からは、どうせやるなら、他の農家さんがやったことがないあかうしの飼い方をして欲しい、と依頼した。その内容は、
通常は30ヶ月齢以下で出荷する去勢あかうしを、36ヶ月齢まで引っ張ること。
可能な限り配合飼料の依存率を下げ、牧草飼料を活用し、A2~A3程度の格付を狙うこと。
2シーズン以上の放牧をすること。
というものだ。意味が分かる人はわかってくれるだろう。このような土佐あかうしの肥育形態は、これまでに例がない!一般の農家さんにはそんな実験、怖くてできない。僕みたいな人間が関わってできるのは、そうした実験を金銭面でのリスクをとって積極的にやっていくことだろう。
外に出ると、以前、ぼくが名付け親になった土佐あかうし「強力」「優男」を育ててくれた県の畜産エキスパートの尾石チーフが!宮城全共で一緒に走り回った秋澤君も!
さて、それじゃ放牧中の柿衛門に会いに行きましょう。ということになったのだが、、、
なんじゃ!?さっきまで晴れてたのに、豪雨!
ワイパー全開で走らなければならないし、しかも視界は50メートルくらいしかない!?
牧区に着いたけど、、、
うっすらとしかみえん(笑)
雨ということもあって、こういうときは牛たちは、自由に出入りできる牛舎に入っている。
「あ、柿衛門はこの子です、正面の子!」
はい、柿衛門君、11ヶ月齢。大きくなったねー!
この柿衛門が、、、
なんかうろうろとメス牛たちの後ろをついて回っている、、、
そして、、、
乗ろうとする!
えーと、畜産わからないひとには衝撃かもしれないけど、これは性衝動です。この牧野は普通、メスと子だけを放すものなんだけど、柿衛門君は「放牧してくれ」と僕が依頼しているので、特別に入っている。この時点ではすでに柿衛門は去勢されているのだけど、まだオスとしての本能が残ってるんですね、、、
すまんな柿衛門、乗ってもできないんだわ。
と、尾石さんが牛の身体測定をするスケールを持って来てくれた!
柿衛門 体高114cm、十字117.6cm、体調130.2cm。
「まあまあってところです。」とのことですが、よいのです。1トン越えの牛にしたいワケじゃないので!
ひとがわちゃわちゃと触ってうるさかったんだろう、柿衛門、仲間と共に雨中の外へ。
四国カルストの牧野。
ちょっと晴れ間も出てくれました。
下記3頭の左の牛が柿衛門です。
順調にいけば2年半後にお肉となる柿衛門。放牧経験を長くとり、牧草を中心に長期肥育をする土佐あかうし。食べてみたい人、いまから楽しみにしていて下さい。
柿衛門、とにかく健康に育って下さい!