最近、とみに表紙デザインがかっこよくなっている専門料理の8月号、出ました。
今月号の記事の中ですっげー面白いのが、包丁職人である坂下勝美さんの取材記事。
この方が使うぐわんと湾曲した砥石の写真、すげー!そして、ほぼ1ページまるごとでその研ぎ方を紹介している。これ、かなりスゴいです。いずれこのひとの研ぎ技術だけで一冊の本になるんじゃないか?
それと、フレンチのスーパーシェフであるヤニック・アレノがパリに開いたという寿司店。
ヤニックから任されたシェフが日本人ということもあって、江戸前寿司の流儀を押さえてつくられているが、実に魅力的。これ、食べに行きたいわ。
日本ではあまりに寿司ブームなので、あまり行きたいと思っていないくて、逆にハワイの匠さんであるとか、こういった、日本と違う場所で道を追求する店に足を運びたくなってしまう。あ、実際にいけるかどうかは別としてね!
それはともかく、わたくしの連載である「やまけんが聞く!」の対談相手は、久松達央君!
久松君と言えば、日本で一番しゃべるのがうまい、また文章がうまいことで有名(笑)
ただ、僕はそうした農業ビジネス論での立ち位置よりも、彼の野菜が「美味しさ」に着目して作られていることがとても素晴らしいことだと思っている。
その土地に合った品種の選び方で美味しさが決まるという久松君、枝豆はカネコ種苗の「湯あがり娘」だ。
自分の野菜のコンセプトを「エロうま」だというセンセーショナルな表現をする彼だが、たしかに彼の育てた冬ニンジンを初めて食べたとき、モロリと柔らかくかみ砕け、柔らかく甘い香りを感じさせ、エロい旨さだなーと感じたのが忘れられない。
それに、彼はITリテラシーを駆使して小さな農業をサポートするシステムを動かしている。
今回、僕自身がいちばん「おおおおお~っ」と引き寄せられたのが、ラズパイを制御用コンピュータとして使ったハウス灌水システム。
ハウス内で育てているトマトの灌水は、気温と湿度の相関から導き出され、最適なタイミングで自動的に行われる。
その制御は「DIYできるのが5万円で売ってるんだよ」というRaspberry Piのシステムで組まれている!(関心なくてなんのことかわからないひとはスルーしてください)
農業情報学会がまだ農業情報利用研究会という任意組織だったころからその世界の裾野に関わっていた僕としては、興奮してしまう!
作業小屋の本棚をみせてもらうと、僕も学生時代に読んでいた、有機農業関連の技術書が並んでいて、感無量。
久松君と僕は同い年。あの頃、有機農業の技術はまだ第2世代くらいだった感がある。いまやずいぶん、科学的な裏付けによって有機農業の技術も進歩している!
ランチも兼ねて、久松農場の野菜や、近隣の生産者の卵や乳製品を使うカフェ「ポステン」へ。
店主さんのすばらしいお人柄、そしてカレーもサラダもうまい!
ということで、肝心のインタビュー内容は本誌で読んで下さい!
読むところがいっぱいあって、写真のグレードは全・料理雑誌中トップレベル!買って読んでくださいね~