やまけんの出張食い倒れ日記

オホーツク食文化圏の素晴らしき生産者達を廻る! あの明治オーガニック牛乳の生乳を生産する、津別のリーダー石川さんを訪ねた!

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日本政策金融公庫という、農林系の事業者への融資も行う金融機関で、実にはつらつとはたらくサクラちゃんという女性がいる。北十勝ファームの上田さんを吉祥寺「バ・ヴェーネ」で囲んでの食事の時に彼女と出会って、こんな素晴らしい子がいる日本はまだまだ大丈夫だな、と感じ入った。

そのサクラちゃんが「いま北見支所にいるんですが、やまけんさん、呼んだら来てくれます?」と。もちろん行くよーと返したら、本当にセミナー企画を立ち上げ、呼んでくれた!吉祥寺での夜から2週間も経っていなかったと思う。

せっかくだから生産者さんを廻りたいとお願いしたら、前日の早朝便で入り、当日の最終便で帰京するまでビッチリのスケジュールを組んでくれた。

朝4時に起きて羽田へ向かい、一便で女満別空港に降りたって、すぐに向かったのは津別町だ。

「オホーツクはとにかく広いので、条件のよい土地とそれほど恵まれていない土地が混在しています。津別は、どちらかというとそんなに恵まれた土地ではありませんが、それだけみなさんが危機感を持ち、さまざまな取り組みをしている地域なんです」

と。中でもスゴい取り組みと言えば、オーガニック牛乳だろう。オーガニック認証を取得して販売する、いわゆる有機牛乳はいくつかあるのだが、この商品はなんと大手の明治が販売しているものだ。メジャー流通に乗っている商品なのである。

その生産者グループが、津別町の7軒の農家なのである。

■明治 オーガニック牛乳

https://cows-milk.com/normalmilk/160315/

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誇らしげに有機JASマークが書かれた看板をみながら、石川ファームへ。

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石川賢一さん・真美さんご夫妻が迎えてくれた。

そういえば、、、「もしかして、2年前に徳島で開催されたオーガニックフェスタで、オーガニック牛乳のブースに寄ったんですけど。」と言ったら、真美さんが「あらっ わたしそれ、参加してたかも!」という。あらまあ、すでにお会いしていたんですね~、と一気に打ち解けることができた。

石川ファームの生産はもちろん放牧主体。オーガニック認証にはアニマルウェルフェアの遵守も項目にあるので、放牧環境が重要だ。

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あら、ホルちゃんだけではなくて、ジャージーちゃんもいる!

「ブラウンスイスもいるんですよ」

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あっ ほんとだ! しかもみてください、このおっぱいの充実ぶり!

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牧草の状態がよいこの時期、いちばん美味しいお乳が出ているのではないだろうか。

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アニマルウェルフェアがどの程度遵守されているかのチェックで、人が触っても嫌がらず動かないでいる時間を計るというのがあるが、この牧場の牛たちはどんどん近寄ってくる。いつも石川夫妻が優しく接している証しだろう。

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もともと石川さん達がこうした放牧中心の酪農をしていたわけではない。平成12年、明治から「オーガニックに取り組まないか」という誘いがあり、ヨーロッパへ研修に行ったという。デンマークやオランダ、ドイツフランスなどのオーガニック酪農産地を回るうちに、自分もこうした酪農をやってみたい!と強く想うようになったのだという。

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放牧地と、牧草の採草地、サイレージ用のトウモロコシ圃場はもちろんすべて有機認証を取得。有機肥料しか投入できないため、収穫量は当初1/3だったそうだが、栽培体系を確立し、それを克服して今に至る。現在は慣行栽培と変わらぬ収量を確保できているそうだ。

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現在の飼料自給率はなんと80%を達成!素晴らしいことである!!!

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若干量与える子実トウモロコシについては、現在はアメリカから高価なオーガニック認証のものを購入している。ただ、いま北海道内で子実トウモロコシの栽培実験が行われており、今年あたりからその生産にトライする産地が出てくるのだそうだ。そうなると、子実トウモロコシも道内産を使えることになり、夢の100%国産オーガニック牛乳が誕生する可能性がでてきた!

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そうした取り組みも明治が後押ししているようで、ちょっと明治の企業姿勢を見直してしまった。じつをいうと明治の牛乳にはそれほどいい印象がないのだが(とくに「おいしい牛乳」)、オーガニック牛乳は応援しなくちゃな。

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もちろん石川ファームにも公庫の融資が入っているそうだ。

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いや、さっそく牛乳飲みたくなったな!ということで、津別農協の横にあるグリーンマートつべつへ。

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380円!あれっ 首都圏で買うより安いぞ!

これをみて「高い!」と思う人は買わなくてよいのです。でもね、全然高くないですよ。オーガニックはどうやっても安くはできない。

ところで、農協で挨拶をしたところ、畜産の園部さんが対応してくれ、面白い製品を見せてくれた。

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「じつは、オーガニック牛乳を搾乳したあとの母牛は有機畜産の牛なのでこのお肉もありがたく有機牛肉として使用しています。この有機ビーフカレーがそうなんです。」

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うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

これ、有機JASマークつきだ!ということは、肉以外の原料も有機でなければならないが、、、

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あれま、全部有機原料を使用している!

きけばなんとこれ、徳島県の光食品が製造しているのだという。そりゃ本物だ!

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農協から道をはさんだところにある「さんさん館」にてカレーと、同じ原料のミートソースも売っているというので、僕は10箱買いました(笑)

世の中、「オーガニックなんて意味がない」というようなことをいう人が多いけれども、僕はまったくそうは思わない。「オーガニックだからといって安心・安全なわけじゃない」とか「オーガニックだから美味しいわけじゃない」とか、どうでもいい。

オーガニック牛乳は地域循環の輪の中で生産されている。この牛乳は津別町の環境の美しさが生んだ牛乳なのだ。それこそが大きな価値だと思う。