やまけんの出張食い倒れ日記

ブロンコビリーが始めたウルグアイ産ビーフの評価。お肉の味わいはとても、とてもよい!ただし、大きな問題が一つある、、、

フランスから帰国した翌々日、ブロンコビリー新小岩店へ足を運んだ。もちろん、数日前から始まったウルグアイ産ビーフを食べに行ったのだ。

お恥ずかしい話だがブロンコビリーには初めて入ったのだが、サラダバーもドリンクバーもあり、リーズナブルなステーキチェーンだと思った。入店してすぐのところに焼き台があったが、鉄板ではなく網上で直火で焼いており、おおっと思った。

席に着くとメニューが運ばれてくるが、ウルグアイ産ビーフのメニューがない。

「あれ?ウルグアイの肉は、、、」

「あ、そのメニューもすぐに持ってきますね」

と取りに行った。いま全店を挙げてお薦めしてるはずなのになあ、と思ったのだが、、、

200g 1780円(税別)を選んで、ご飯とサラダとスープのついたブロンコセット(+500円)をオーダー。

サラダバーで野菜をとって食べていると、目当てのステーキが出てきた。鉄板の上にジューッと湯気を立てて焼けている。「ソース、かけますか?」といわれたのであわてて「いやいや塩で食べたいから」といって断った。危ない危ない。やはり日本のステーキ店はソースで食べさせる方式なのだ。

ウルグアイ産ビーフは肉の盤が小さいこともあって、その分同じグラム数だと厚みがある。非常に好ましい厚み。ちなみに200gでオーダーすると、ストリップロインを半分にカットしたものが出てくるようだ。僕はカブリ側が出てきたが、後ろ側が出てくる場合もあるだろう。

さて、そのお肉の味だが、、、

結論から言って、肉の味はとても美味しい! グラスフェッドビーフはグラス臭がしてくさいという人は、食べに来て本当にそうか確認すると佳いだろう。芳醇なあじわい、旨み、ダイナミックな噛みごたえがある。

ただし、問題がある。硬くかみ切れない筋がかなり手強く入っている。ロースという部位には、どうしてもカブリとの境目に筋が入ってしまうのだが、このウルグアイ産グラスフェッドビーフはかなりそれが派手に入っており、硬い。おそらく輸入可能な30ヶ月齢にギリギリ近い、比較的長く飼った牛なんじゃないだろうか。

だから、肉の味わいはとても奥深いのだが、この筋が邪魔をする。汚いので写真は載せないが、食べ残したり口から出した筋部分が全体の5%以上だった。200g中の15g程度は食べられなかったという感じだ。USビーフは月齢の若い個体ばかりなのでこんなに筋が硬くなっていることはない(その代わり味も薄いが)。

帰り際、レジについた青年に「美味しいね!ただ、筋切りをもうちょっと考えた方がいいね」というと、「はっ」とした顔になり、「硬かったですか?」と。「うん、筋はかみ切れないね。ジャガード入れても食べられないねぇ、あの筋は。肉はとても美味しいけど、ちょっと考えないとね」。「いま他の店舗でもご指摘をいただいていまして、対応策を考えているところです。ご指摘、ありがとうございました」とのこと。おそらく各店でも同様の反応が出ているのだと思う。

この筋を徹底除去すると、肉の歩留まりがそうとうに悪くなる(おそらく10%は除去必要でしょう)ので、踏み切ることが難しいのだろう。ただ、ここで対応を誤ると、ウルグアイ産ビーフ全体の評価が下がってしまい固定化する可能性がある。だから、ブロンコビリーさんには、ぜひ筋カットを徹底して、美味しいステーキを出して欲しい。

繰り返し言うが、肉はすばらしく美味しい。ちょっと驚いた。やっぱり、牧草の品質がよいと、グラスフェッドビーフはとてもリッチで美味しいものになるのだ。上記を踏まえた上で、手近なブロンコビリーで試してみることをお薦めする。