うちの事務所には、だだっぴろいバルコニーがついていて、たまにここで肉を焼いています。本日は、キアニーナ牛を輸入する登馬商事の窪田さんが「オスとメスの骨付き食べ比べやりましょう!ヒレもありますョ!」というので、味見をばということになった。
いま日本に来ているキアニーナ牛の輸入元は他に大きなイタリア食材輸入商社がある。そちらはそちらで頑張っているのだけど、僕は味わい的にはこの登馬商事の扱い品のほうが好みである。
どちらのキアニーナも、先に書いた月齢制限の撤廃がされていないため、30ヶ月齢以下の、向こうでいう若齢牛が来ている。25,26ヶ月程度の牛だと思われるので、そんなに差が出るものではないだろうと思ったが、登馬商事扱いの肉は、と畜してから1週間枝肉を吊るし、その後カットした骨付きロインを21日間ドライ環境で熟成をして、トリミングとカットをして真空にかけた上でチルド帯で輸入している。
日本で言う吊るし熟成のような感じであり、熟成香がつくわけではないが、余計な水分が抜け、肉の美味しさが花開いた状態で真空にかける分、よくあるドリップで全て流れ出ちゃってる輸入肉のような感じにはならないのだ。
いま、キアニーナのステーキを出すイタリアンが出てきているけれども、どこが輸入したものかによって、味わいに違いが出ると思うので、そこを聞くといいかもしれない。少なくとも僕はもう一社のほうのキアニーナを食べて「これはフィレンツェで食べたキアニーナの味だ!」と思ったことはない。
ということで、登馬商事のクボタ氏が、肉だけではなくビーバーブレッドのパンを持ってはせ参じてくれた。
いま、行列しても買えないことすらあるという、大人気のビーバーブレッド。やったぜ!
ということで焼いていきます。まずはキアニーナのメスとオスのLボーンを。
メスのほうが芯の面積が小さいので、厚みがある。オスは芯が大きい分、同じグラムにしようとするとうすくせざるを得ない。厚みが大事なステーキに関してはメスの方が有利なゆえんだ。
この写真だと左がオス、右がメス。
今日は晴れていて、肉焼き日和り!
これだけ厚いと、シャンブレ(室温戻し)していても30分ほど時間がかかります。
こちらメス。
こちらオス。
「やまけんさーん、これ、ヒレですよーん!」
おおおーー!
ドリップが結構出てたけど、そのわりにムレ臭もなくいい品質!
キアニーナはヒレがいちばん美味しいのだという人がいるのだけれども、本当かなぁ。日本で何回か食べたけど俺は美味しいと思ったことがないんだよね。
このほか、冷凍してない生のモッツァレッラも。
弊社からは、日本は北海道の2牧場で生産されているグラスフェッドビーフ。ひとつはオーガニック認証取得牧場、ひとつは転換中有機です。といったら、わかる人はわかるよね。
ヒレも焼いていきますよ!
ということで、すっげーことになりました。
日本のグラスフェッドビーフ×2牧場の肉、キアニーナのオス、メスのLボーン、ヒレ肉。
正味なはなし、美味い! やっぱり群を抜いてキアニーナのメスが最高! フィレンツェ中央駅前のあの店で食べた、サクサクとした歯触りで食べられる、アッサリしているが深みのある味わいに肉薄している。もちろん月齢が深くなればもっと味わいも濃くなるだろうけど、いま手に入るこのキアニーナメス肉、最高だ!
対してオスは、やはりオスだなという感じ。右下の皿をみていただければお分かりの通り、なぜかドリップの脱落も多く、スカッとしているし、匂いも少し感じる。ダントツでメスが旨い。
さて、みてくださいヒレ肉の火入れ。あ、肉は全部僕が焼きました。
ここに、、、こいつを、、、
こんなふうにしていただきます!
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
たしかにキアニーナのヒレ肉、美味しい!
すみません、美味しいヒレは美味しいですな、、、以前食べたのはおそらく長く置きすぎてイッちゃってたと思う。こちらのヒレは状態がいいよ、、、そして、若齢のくせに、ヒレ肉のくせに、味わいが深い。驚きました。
「あ、やまけんさん、いまからカルネヤの高山シェフが来るって言ってますけど、、、」
ということで、第二章が始まるのである!
(続く)