やまけんの出張食い倒れ日記

このたび土佐あかうし「柿衛門」くんのオーナーになりました。高知県の四国カルストに放ち、地域資源を可能な限り食べさせた土佐あかうしになっていただきます!その環境をぜひ観てください。

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古くからの読者はご存じの通り、僕はいろんなやりかたで牛を「所有」している。

この国で家畜は農家しか飼えない。そして僕は非農家だ。従って実際に所有しているのは農家さんになるが、その農家さんと複雑な契約を交わして、僕が餌の中身や飼養期間などを設定できるようにしている。そして、出荷後は僕のルートでお肉にし、カット割りや熟成なども僕の指定通り二行い、販売する。こういうことを2007年の短角牛「ひつじぐも」を持ったときからしてきているので、気づいたら12年となっていた。その間に、産地としては岩手県と北海道、母牛はすでに4頭、そこから生まれた子牛は15頭を軽く超えた。ただ、それらすべてが日本短角種であった。

このたび、はじめて弊社グッドテーブルズとして、褐毛和種高知系つまり土佐あかうしの肥育牛を(便宜上)所有します。冒頭写真の「柿衛門」くんです!

昨年の10月後半、RiCEマガジンの編集部を引き連れて、高知県に取材に行ったときのこと。

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僕は前日まで徳島県で仕事をしていて、陸路「しまんと号」で移動。めざすは高知県の西部、愛媛県との境目に位置する檮原町(ゆすはらと読む)。

梼原町は町面積の91%を森林が占め、
標高1455mにもなる雄大な四国カルストに抱かれた
自然豊かな山間の小さな町です。
四国カルスト高原は、全国的にも珍しい高位高原カルスト地形になっており、
至る所に手付かずの自然が残り、
晴れた日などには太平洋から瀬戸内海まで一望できます。
(檮原町公式Web http://www.town.yusuhara.kochi.jp/ より)

ということでグングンと山道を上がっていくと、、、

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あれれれっ あの茶色いカタマリは、、、?

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おおおおおおおおおっ あかうしさんだっ!

そう、この一帯が、目指していた津野山畜産公社。檮原町であかうしと黒毛を繁殖し、また肥育も行う一貫経営をしている法人だ。

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みんな、あいさつもそこそこに牛を囲む。はじめて土佐あかうしを観た人たちはその愛らしさにやられちゃうのだ。

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この子はまだうらわかき母牛。小柄な牛の多い土佐あかうしのなかでも、まだ初産にちかいんだろう、小型の母牛だ。

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「この子はねぇ、とっても性格がいいんですよ。人間になついてくれてるんです。」

と言うのを聞いて、RiCE編集部いちどう、さわさわ攻撃。

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「この子はねぇ、めずらしいことに人を乗せてくれるんです。」

えっ マジで!? 虐待にならん!? 「いえいえ、大丈夫」。じゃあ、一番体重軽そうな子に乗ってもらおう、、、

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ということで、編集部リリコちゃんが、、、

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乗らせていただきました!

いやーそんなの、俺だってやったことないよ。よかったねリリコちゃん!

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津野山畜産公社は400頭あまりの繁殖・肥育をしている法人だ。自分達の牛だけではなく、周りの農家さんから預託を受けて牛を世話したりもしている。驚いたのは若者がフロントで立ち働いていること!

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非農家出身の子も、家が畜産農家の子もいろいろ。この公社がそうした若き畜産農家候補のゆりかごとなっているのだ。

この公社の最大の特徴が、放牧地として檮原町が誇る「四国カルスト」の土地を所有していることだろう。

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道路をはさんで愛媛県との県境となっている四国カルスト。

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広大な放牧地である!

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この日はタイミング的に牛を下ろしてしまっていたそうで、黒毛の繁殖牛たちが数頭いるだけだったのだが、ここに黒と茶の牛たちが50頭くらい放牧されるのを、今年はみてみたい!

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おっと、どなたかSIGMA社のレンズフードを落としていますよ。拾いに来て下さいね!

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さて、その津野山畜産公社にて、生まれたばかりの子牛達と対面。

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そこで公文ちゃんが、、、

「やまけんさん、この子達の中から、やまけんさんの牛、選びませんか?」と。

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えっ、、、

マジで!?

先にも書いたが、非農家が、名簿上であったとしても牛を「持つ」というのはかなりのハードルがある。農家にとってもそうそう簡単なことではないのです。

「はい、その辺の話しはすでに公社さんとやってます。そろそろ、短角だけじゃなくて、あかうしさんも持っていただいていいかと思いまして、、、」

そう、僕は以前、「強力(ごうりき)」と「優男(やさおとこ)」という二頭の土佐あかうしの名付け親になったことがあるが、それは僕の「所有」ではなかった。

今回は責任を最後まで持つということになる。

3秒ほど逡巡したが、、、

もちろん答えは「ぜひやらせて下さい!」

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ということで、柿衛門くんがわたしたちの一員となりました。

オスなので去勢をして、肥育して、2年半後くらいにお肉にして、いただくこととなります。育て方は、可能な限り育成期は四国カルストで放牧をさせてください。母牛のお乳と草である程度まで過ごして下さい。肥育ステージに入っても、牧草資源を活かして給餌をしてくださいなどなどいろいろ交渉中。高知県でこれを実現するのはなかなか難しい、けれども四国カルストという放牧地があれば、いろんなことがクリアできるかもしれない!

この話題、継続してアップしていきます。柿衛門くんをよろしくお願いします。