今回、クライストチャーチで宿泊したのはホテルではなくモーテルで、各部屋ゆったり広く、また調理器具一式が備えられていて、簡単な調理ができるようになっている。
「以前はお客様がいらっしゃるとホテルに泊まっていただいたのですが、モーテルだと、スーパーなどで食材を買って、自分達で食べ比べをしたりできることに気づきまして、、、今日はわたしたちが肉を焼かせていただきます!」
とアンズコの優秀な営業チームである秋山君、花野井君、マーケチームの濱さんが言う。それはありがたい!
午前中はアンズコフーズの食肉処理工場でプラントの見学。
ニュージーの食肉工場では、工場が稼働して一頭目に処理した牛の毛皮を飾るのがならわしだそう。この牛は、、、どんな掛け合わせだろうね。
こちらは羊。
アンズコの工場内は明るく清潔で、働いている人達の顔も明るい。手さばきも気持ちよく、レベルが高い。ここに詳細は載せられないが、とてもよくマネジメントされていると感じた。
「では、アンズコから食肉を卸している店舗であるウエストミートという食肉卸&小売に行って、肉を買いましょう!」
日本では見かけることのない、コーンド(塩水漬け)された肉なども置いてある!買って帰って茹でればできたて熱々のコーンドビーフを作ることもできるのだ。
ステーキ用の肉も、100%グラス、ショートグレイン、ミドルグレイン、そしてロンググレインなど、各種揃っている!
モーテルに戻り、花野井君の部屋で準備開始!
こんな感じで、立派に生活できる感じ。洗濯機も2ドルコインで回せるので、中期~長期滞在にはいいだろう。
先ほどの工場で得た、ラムのテンダーロイン(ヒレ)!
これを花野井君が、買ってきたシーズニングスパイスと塩・胡椒を複数混ぜてまぶし、オリーブオイルで常温マリネ。さすが、肉の焼き方をよくわかっている!
肉はこんなにあります!
ウエストミートではアンズコフーズが扱う肉を全て買うことができるが、あえて他のスーパーで、一般的に販売されている肉も比較用に買ってきた。
ちなみにこの国では、なにも断りが無ければグラスフェッドビーフである。日本ではグラスは探さなければ売っていない(もしくは加工食品の原料になっている)が、ニュージーではグラスフェッドが普通であり、グレインフェッドは「えっなんで?」と言われる立場である。
もともとニュージーでのグレインフェッドは、アンズコ社が日本向けにフィードロットを建てて始めたものだ。もちろんグレインフェッドといっても、元となる子牛は完全に母牛の乳とグラスで育ったもので、グレインでフィニッシュ(仕上げ)するスタイルである。穀物肥育の期間の長短でショート、ミドル、ロングと三段階に分けられる。
また、グレインフェッドで与える穀物はアメリカとはまったく違い、大麦・小麦・モラセス(廃糖蜜)そしてデントコーンサイレージが主体だ。オーストラリアと違いソルガムは造らないそうである。この組成は日本人が慣れ親しむコーン主体の餌とはだいぶ違う風味、脂の質感となる。
それがだんだんと、日本以外の国々へも流通するようになり、またニュージーランド国内でも「美味しいね」と浸透しつつある。とはいえ、依然としてふつうのニュージーランド人にとって、牛とは草だけを食べているものと受け取られているそうだ。
さて、そうしたグラスフェッドとグレインフィニッシュの肉を食べ比べるのが今回の旅の目的でもある。
食卓の準備も整ってきた!ということで乾杯!!!
まずはコールドミートやチーズから。と思ったら、なんか、アンズコ社員の手による美味しい料理がズドドドドドと出てきます。
稀代の食いしん坊、ハマちゃんは、ちょっと驚いてしまうくらいいろんな食べ物を味わい、見聞きし、そして自分で作っている!いい人材がいますねアンズコ! 下のキャロットは軽く砂糖を加えてオイルで蒸し焼きにし、サワークリームにチャイブとフェンネルを混ぜて載せたもの。こういうのをサッと作ることができるのは、料理上手の印!
スーパーで買ったサーモンをそのまま出すのでは無く、赤玉ねぎをソテーした上に載せる工夫は、アンズコの綾野剛こと花野井君による。
この玉ねぎが日本と品種も違い、美味しい!
厨房では肉の火入れがスタート!まずは、さきほど見学した工場でパックされたばっかりの、仔羊のヒレ肉!
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
すばらしく旨い!
ほぼ熟成されていないフレッシュな肉で、もともとクセの少ないフィレということもあるが、まったく臭みもなく、心地よい風味と健全な肉のジュースがジュバッと弾けるのだっ
これは美味しい!あっという間に無くなる(笑)
ついで、日本ではほとんど商品化されていない、仔羊のショルダー。
これがまた、とてもとても美味しかったのだ!日本で人気野高いフレンチラックなどの部位は食べやすくはあるものの、味わいの濃さという点では肩肉の方に軍配があがる!
「わたしたちもそう思っているんですが、日本では売り方が分からないと言われてしまうんですよ、、、食べると最高なんですけどね!」
とのこと。どこかのスーパーでこれを売り出さないだろうか!?だって、塩胡椒して焼くだけで天国なんだよ!?
そうこうしているうちに、牛肉のステーキが焼けました! まずは一般のスーパーで買ってきたグラスフェッド。
うん、美味しい。グラスフェッドでよく出てくる「グラス臭」といわれる風味が少しするお肉だが、先のラムヒレのように、とても健全なフレッシュな味わいがある。何枚食べてももたれず、僕は大好きだ。
次に、アンズコフーズが経営するフィードロットで生産された、ミドルグレインのオーシャンビーフ。
ステーキバターというシーズニング入りバターを絡めているのでちょっと黄色い脂が。ああ、これはまた美味しい、、、
グラスフェッドはとても「健全な」というにふさわしい味わいなのだが、そこに少し快楽が入ってくる。脂肪のマーブリングが少し入るため柔らかく、また舌に脂肪球があたり強制的に「美味しい」「コクがある」と感じさせるのだ。ただしそこにコーンフェッド特有の香ばしい香り、一口で十分になる濃厚な風味はない。食べた人は全体的にあっさりとした脂質を体験することになる。
この、脂肪のフレーバーの味わいの違いを好むか好まないかで、ニュージーランドビーフの評価は人により変わってくるわけだ。でも、僕らが食べている肉を日本人に食べさせて「マズい」ということは皆無だろうな。みな、指名買いでニュージーランドビーフを食べていないからわからないだけ。日本では、麻布十番と赤羽橋の間にあるニッシンワールドデリカテッセンで売っているのだから、食べてみればいいのだ(牛肉だけではなく仔羊も売っている!)
ポークソーセージの豚肉は、こちらでは放牧豚のものが使われていることが多い。
ふつうに放牧してるので驚いてしまう、、、そしてこちらでは牛肉ソーセージも。
これがまた美味しい。日本の牛でつくったら重くなってしまうだろうが、グラスフェッド肉でつくれば味わいの濃いソーセージという感じで、軽やかだ。
こうして楽しい夜はふけていった。アンズコフーズのみなさん、ありがとう!