林さんのことは、料理メディア関係者から「すごい人だよ」と何度も聞いていた。村田さんが最後の最後まで手放したくなかった才能。その彼が東京で店を出すのだ、これは注目しないわけにはいかないと。
この品書きを見るだけで、瀬戸内に縁がある人間であれば「おおっ 旨そう!」と思ってしまう。そう、林さんは香川県の離島である手島に、一族の本家を持つ。「てのしま」の店名はまさに瀬戸内への憧憬を表している!
日本酒の品書きには、酒質を説明する分布図つき。これは選びやすい!
お酒のお燗が付くまで、こんな風に楽しみました。
菱ガニのうま味をやわらかく飯蒸しに移し、春菊の香りでエッジを立たせている!
海苔を溶かし込んだ醤油と、薬味タップリのポン酢。
その二種のつけダレで太刀魚とキンメをいただきます。皮目を炙った太刀魚の刺身、関東の人にはなじみがないだろうけど、瀬戸内出身の関東在住者には懐かしくて仕方の無いもの!
美味しい。海苔の磯風味もピリッとくるポン酢も、どちらも魚の美味しさを引き延ばしている。
林さんのパートナーである紗里さんも厨房でその腕をふるっている!
マツタケ、鶏つみれの豊年椀
ここまで来たら、椀もいりこだしベースか!?と思ったらそうではなかった(笑)
「いや、いりこ出汁が入ってもいいと思うんですけど、すべてを瀬戸内・手島もので固めるつもりは無いんです。その辺は無理のない範囲でね!」
と。
でも、そういいつつも、瀬戸内スタイルの料理が多くて嬉しくてニンマリしてしまう。棒寿司にアナゴを使うのだってそうだしね。
というところで、なんとカメラの充電をし忘れたため、バッテリーが無くなってしまった!なんてこった!!!
ここからが面白くてね、、、肉で出てきたのが、愛媛県が誇る美味しいF1牛を生産するおかざき牧場の「はなが牛」。ぼくは以前、岡崎社長とお会いしたことがある。と思ったらなんと、カウンター隣の席に座っていたのが、その息子さんで、現社長だったのだ! なんだ~すっげー縁だな!
そしてその後、もっとスゴい縁ができたのだが、それはまた別のエントリで。
そして〆はいりこだしのにゅうめん。じんわりくる味で美味しかった!
林さんが目指すのは、肩肘張らずに入ることができる和食店。公式Webに書いてある「現代の民藝」、「みんなの和食」というコンセプトはすばらしい。でもね、店が小さくて、すでに予約が取りにくくなっているみたいだし、どこまで「みんなの」でいられるかなぁ。
来年は林さんの人生も次のフェーズに入る。ますますの活躍を期待しています!