いやー やっぱり日本は広いよなあ、旨い店ってあるなあと実感してしまった香川での一日。クライアント先での役員プレゼンが終了、お役目を果たして向かったのは、そのクライアントが製造している「ある装置」を使ってくれているイタリアンレストラン。
「この店の料理がね、とにかくわたしたちには本当に美味しいと感じてましてね。シェフに装置を使っていただいてるんですが、わたしたちが考えてもいなかった使い方をしてくれるんですわ」
というその店がこちら、高松市内の「アルヴェッキオ・ドゥオモ」だ。
店頭に薪が積み上がっているように、石窯焼きピッツァが食べられるお店だ。
この店を切り盛りし、「装置」の利用法についていろいろ開拓してくれているのが、この小川翼シェフ。
ずっとサッカーのプレーヤーとして活躍していて、その後、トレーナーを志すうちに、栄養サポートの観点から料理に着目、藤沢は江ノ島の有名イタリアンを皮切りに修行し、この店のオーナーからシェフ就任を打診されたという。
「住んでみたら、とにかく香川も四国全域もとても魅力的な食材が多いんですよ!これは本腰を入れて取り組まなければと思って、妻もこの店のシェフとして働いて、家族ぐるみでやっています。」
ということなのだけれども、まあ本当に素晴らしい料理だった!
白ワインをベースにしたイタリアンレモネードのさわやかさをいただきながら、、、
プロシュートの食べ比べ。じつはこれ、同じ個体のハムを割って、左側は「装置」である処理を施したもの。右側はしてないもの。
部位が少し違うので脂があるなしで違うが、それを差し引いても、赤身部分のテクスチャのしっとり感、そして熟成によるうまみの生成度合いが違う! す・ば・ら・し・い!!!
そして前菜盛り合わせ。
カポナータ
キノコのマリネに、、、
このレバーペースト、何の肉だったけなあー、旨かった。
ニンジンのラペ風
その下のガラスの器に入った白いソースはトンナート(ツナ)のソースで、これを右の、香川で一番美味しい豚である金時豚にかけていただく。
そしてこれが出色のできばえだった!
阿波尾鶏を、山口県産の瀬戸内コラトゥーラでマリネしたフリット。
旨い!カタクチイワシと塩だけではなく酒粕をつかったコラトゥーラは、こういう使い方をするとよいね!
金時豚のグリルと自家製サルシッチャ。低温調理したバラ肉をこんがり焼いたグリルが骨太の美味しさです。
「ちいさい一枚くらい、ピッツァお食べになりませんか?」と言っていただいたので、バジルと生サルシッチャ、モッツアレッラのピッツァを。
ああ、美味しいな!生地も具とソースのバランスも最高だ。軽く泡とピッツァを摘まんで出るような、ピッツェリアとして食べに来るのも佳いね、と思ったけど、そんなかる~い感じで終わっていい店ではなかったということがこの後わかる!
「はい、僕はじつはパスタに力を入れていまして、パスタが美味しいって言われるとうれしいんです。こちらが、うちのイチオシの瀬戸内産貝類の岩礁風(スコーリオ)パスタというものです。」
うんうん、瀬戸内の貝類はうまみがギュッと詰まって美味しいからね!ということで湯気の立つ香り高いこのパスタをいただくわけだが、、、
えっ ええええええっ
この麺は何!?
すっばらしく美味しいじゃないの!?
リングィーネよりやや平たい平打ち麺トゥルンとしたテクスチャー、噛むとほどよい腰があるけれども、クシッとくるようなイタリアの乾麺とはすこし違う。何より、噛んでいるとふつうは滲み出てこない麦の香りがあとから鼻孔に残り香のようにまとわりついてくる。
ねえねえ、この麺、なんなの!?
「あーーー よくぞそこに着目していただきました。これ、うちがオリジナルで使わせてもらっている麺で、パスタって言うかなんというか。香川本鷹というとうがらしの粉末を練り込んだうどんのような麺なんです。小麦粉はもちろん国産です。香川県産の小麦といえば「さぬきの夢」がありますが、そうではなく北海道産です。僕は北海道の出身なんですよ!だから、香川県のとうがらしと生まれた地である北海道のゆめちからとキタホナミを出合わせた麺ということなんです。」
ちょっとまっててください、といって彼が持って来てくれたのが、その麺だ。
この麺、香川県内の製麺業者が作ってくれているものだそうだ。つくりかたはほとんどうどんなんだけど、よくかんがえてたらデュラムセモリナ粉を使っていないうどん的なパスタと言えば、ピチがあるではないか!
「そうですそうです、ピーチそのものなんですよ!」
そこに、彼がぞっこんに惚れ込んでいる風味のあるとうがらしである「香川本鷹」のパウダーを練り込んでいるというスペシャルな麺。
「正直、この麺の単価は高いんですけど、原価をかけてもいいくらいの美味しさがある。僕はこの麺をもっと売り出していきたいと思っています。」
いやもう、ホントにすばらしいね!
この店はこのパスタを食べるために来る価値ありです。断言。
もう一品頼んでいたのが、瀬戸内のシラスのカルボナーラ。
生クリームを使っていないカルボナーラは適度なあっさり感で、これまた美味しい。こちらは通常の乾麺スパゲティです。
「装置」を使用した阿波尾鶏のロースト。
そして牛ランプのロースト。
やっぱり、熟成が進んでいて、柔らかさとうまみが生成されている!
いやー マジで旨かったけど、、、
ゴメン、おれあの香川本鷹入りのパスタ、もっとたべたいわ! ということで、シンプルにアラビアータを作っていただいた!
いやーーーーーーー
マジで旨い! この、イタリアンど真ん中でもなく、かといって和食材ですとも受け取られない、オリジナルな美味しさの麺。やみつきになりそうだ!
この麺、いまのところこの店でしか食べられませんが、販売も考えているそうです。興味ある人はまずこの店でスコーリオを食べて、「旨い!」と思ったらぜひ使ってみて欲しい。まじで価値がある麺だと思う!
ドルチェはくどすぎずあっさり風味のババとイチジク。
リコッタクリームではなく金時芋のクリームを包んだカンノーリも美味しかった!
いやそれにしても美味しくて驚いたなぁ~。
小川シェフ、最近この近くに新店がオープンしたので、そちらに行っていることが多いそうだ。次回はぜひ新店にもお邪魔したいと思うが、とにかくビックリした。
香川は美味しい!
ちなみに、この店の前で写真を撮ってたら、横から人がジーッとみてて、僕の方に歩いてくる。「ん~ 撮影しているのが気にいらんのかな?」と思ったら「やまけんさんでしょ?」と。
なんと、オリーブ牛のPRの仕事でご一緒した、精肉店「日露」の佐藤さんではないの!?えええ、なんで?
「いや、なんでやまけんさんが?ってのはこっちの台詞ですよ(笑)、僕の店、ここですから」
あらまあ~!!!!!!
みなさん、オリーブ牛はぜひこのお店で!なんか、縁ってすごいです。
そんなこんなな高松の一日!