ということで、無事28日に京都にて、料理屋の跡取りが入る芽生会のシンポジウムに出演してきました。いや、一応シンポの出演者のひとりだったんだけど、もうお二方が瓢亭の高橋英一さんと、京野菜の正統な伝承をしている農家・田鶴均さんですからねぇ。わたしはオマケ的立場として、外からみた京野菜のイメージについていろいろ茶々を入れる役割に徹しました。
もうね、英一さんと田鶴さんの話が面白かった!
こんなビッグネームお二人ですからねぇ、、、ちなみに会場となった美濃吉本店 竹茂楼は、瓢亭のすぐすぐ近く。英一さんがひょこっと現れたときに部屋の空気がピンと変わりました。
下の紙資料、じつはずいぶん昔のもの。
高橋英一さんが京都料理芽生会の会長になった時、「芽生会の会長はなにか新しい事業をしなければならない」という決まり事があり、それでやることにしたのが京の伝統野菜の再発見ということ。
その時に、京都府立大学の高嶋四郎先生が学術的な支柱となり、伝統野菜の伝承をしていた若手農家であった田鶴さんも仲間に引き入れてプロジェクトを立ち上げた。
上の紙資料は、その時の第一回シンポジウムの議事次第である!保存されていたもののコピーをいただいた。超貴重!
そう、京の伝統野菜を掘り起こし、価値化したきっかけはこの京都料理芽生会なのである。驚きました。
その時、自治体や市場や農協などの関係者にも声をかけたそうだけれども、ことごとく「そんなことやってなにになるの?」という反応だったそうだ。でも、料理人と農家、学術が頑張った結果、京野菜は大人気ブランドとなる。そうなったとたんに、いままで見向きもしなかった人達がいきなり「京野菜のなんとか会」みたいなのを立ち上げるようになったという経緯。
まあ、そういうものだとは思うけれども、後追いの人達は瓢亭と田鶴さんに敬意を払わないといけませんね。
で、シンポ本番。
野菜マニアにはじつに面白い内容だったと思います!
シンポの後は、芽生会会員がテーマである京野菜にスポットライトを当てて作った料理を味わう会!
これがまた嬉しいことに英一さんの横に席を用意して貰ったので、英一さんの食べ方をずーっと観ておりました(笑)
前菜はいづうさんのサバ寿司が盛り込まれている!
「わたしはいづうさんのサバ寿司、好きでしてねぇ、ここはちゃんとサバの血合いの部分を取り去っているでしょう。この一手間で美味しくなるんです」と。
思わず聞いてしまったのが、「英一さんは昆布はとる派ですか?それとも一緒に食べちゃう派ですか?」という質問。
「うちの妻はそのまま食べるんですけれども、わたしはふつうはとっていただきますね。でも、気分でそのままいただくこともありますよ」とのことであった。当然このあと、ぼくはいつもはそのまま食べる昆布をとっていただきました(笑)
お造りに鹿ヶ谷かぼちゃが入っていると書かれていたのだが、、、
え、どこにある?
なんと、左端の鯛に巻かれた、極細の針に切ってあるのが鹿ヶ谷かぼちゃ。
これには田鶴さん「なんやねん!もっと存在感だして欲しいわ!!!」と(笑)
お椀は瓢亭・高橋義弘君によるもの、いつものマグロ節に鱧しんじょう、しんじょの中にさいの目の賀茂茄子が。
「ああ、このお出汁が瓢亭の味や」と田鶴さんも得心。
「お椀はね、まずはひとくち、汁を啜ってあげてください。」と英一さん。
今日の一つの大きなテーマでもあった賀茂茄子。
英一さんは、「皮のキワの部分がね、とても美味しいんですよ」と、皮の部分まで残さず食べておられました。
京都料理芽生会、こういう会を定期的にやっているのね。京野菜をブランディングした第一人者の血を受け継ぐ人達、これからも頑張って下さい! なにかお手伝いできることがあれば、また駆けつけまーす。