今日の昼はバングラデシュカレー。北大のクラーク会館裏手、札幌駅側の出口から目の前に建つクリスチャンセンターの一階にあるカフェで提供されている。
北大滞在の際はかならず一度は訪れるようになっていて、今日もバングラカレー。スリランカのダッカにあるYMCAの人達から教わったという11種のスパイスを使ったチキンカレーは、ルーカレーではなくれっきとしたスパイスカレー。実に屈折のない素直な味わいで、シナモンがじんわり通奏低音のように効いて辛みは穏やか、赤米を混ぜたもっちりしたライスとよく合う味だ。サラダの小鉢がついて750円はこの辺では安価で、食後は100円プラスでフェアトレードコーヒーを飲める。
さて、カレーもおいしいのだが、今日はオーダー後に運ばれるミニサラダを食べてハッとした。というのも、、、
今回は4泊5日、妻帯同ではないのでホテルは安めのところを選んでしまった。最近札幌で増殖しているマイステイズの系列ホテルだ。数年前までは違う系列だったが、昨年あたりからマイステイズになっていた。以前はそこの朝食はそこそこの内容だったので選んだのだが、今回来てみて驚いた。朝食の内容がひどく悪いのだ。
そこは「朝から好きな刺身を盛って海鮮丼を」というのが売りなのだが、並んでいる魚はどれも解凍の〆サバ、甘エビ、北海道なのにカツオ、不自然な発色のタラコ。スクランブルドエッグ、ソーセージ、ベーコンはホテル向けのパックを温めたもの。パン類もひどくて、食パンはなし、ロールパン、ミニクロワッサンをなぜか半分にカットしたのがちょろっと並んでいて、すぐなくなっては補給される。ロスをカットするための努力といえるが、実にシャビーな感じ。
勘弁して欲しいのは生野菜だ。キャベツとリーフレタスの千切りとオニオンスライス、実に貧相なミニトマト。ホテル滞在時はまずサラダを皿いっぱいに盛って食べることにしているのだが、長時間水に浸っていた野菜類はまったく味も香りもしない。ここまで水溶性の成分がなにもかも抜けた野菜を食べたのは久しぶりだ。
次回以降はしょうしょう価格が上がっても、他のホテルにしようと心に誓った。ちなみに、札幌駅近辺ではセンチュリーロイヤルホテル、三井ガーデンホテル、同じマイステイズ系列のアスペンホテルは朝食は比較的よいです。
で、、、
クリスチャンセンターでバングラカレーを頼んだ際にきたミニサラダ、レタスに大根の千切り、薄くカットしたニンジンに業務用のサウザンアイランドレッシングがかかっただけの、シンプルなものなのです。
けどね、おいしいんですよ。ダイコンと人参を口に運ぶと、シャキッとして甘さがある。レタスもよーく冷えてパリリッとしている。その歯触りに思わず、文献調査で疲れた脳にシャキッと刺激が入った感があったのですよ。
ああ、これなんだよなあ、これがクリスチャンの気高さなんだよな、と思ってしまったのだ。何度か書いたけど、僕は両親がプロテスタントのクリスチャンだったこともあって、幼い頃から高校卒業くらいまで、地元から駅を三つまたぐ上尾市にあった教会の日曜学校に通っていた。
正直言って信仰はまったくなかったんですよ。聖書の中身、神とキリストと精霊の三位一体って無理があるでしょ、と思ってたんだけど、綺麗なメロディの賛美歌を歌うのと教会の友人が好きで通っていた。
教会は日本基督教団に属していたけど、その運営は信者の人達によるボランタリーなものだった。ボランタリーといったって、数回やれば終わりというものではなく継続的なものであって、ある種の”気高い精神”ともいえるものが内在していなければ、とてもじゃないが無償で奉仕できるものではない。その”気高い精神”はやはりキリスト教が教えるところの「あるべき姿」に近づこうという心から生まれていたと思う。
もちろんキリスト教の信者だからみんな善人だなどということはないのだけれども、その教会に集まる人達の多くは(全員ではなかった(笑))、とても善なるひと達であったと実感していた。
何が言いたいかというと、クリスチャンセンターのミニサラダはとても気高さを感じたのだ。というのも、メニューにも小さく書いてあるのだが、このクリスチャンセンターで働くスタッフさんはみなYMCAの会員でボランティアなのだ。その無償労働の人達が、毎日野菜を洗って手切りしているのを出しているのが、よくわかるのである。
そんなだからこのクリスチャンセンターのカレーはとても割安だ。学生サービスもあって、学生証をみせれば500円(!)でカレーを食べられるという。僕は学生だけどやってませんよ。だってこんな気高い小さな店のカレーを、割引価格でなんて食べられませんよ。
いつもながらカレーもおいしかったのだけれども、今日はミニサラダにやられてしまった。食後のコーヒーもおいしゅうございました。
またここには来てしまうだろう。今度は夏季限定のグリーンカレーに使用と思う。あ、そうそう、ベジタリアン向けなのか、大豆ベースのソイカレーもあるのだけれども、やっぱり味的にはバングラカレーを推します。念のため。
さて、午後の部開始だ。