西日本豪雨のほんとうに直前、僕はある地鶏肉を取り寄せていた。それは、このブログでもこれまでとりあげてきた、高知県の畑山という山間地で土佐ジローの肉を生産するはたやま夢楽(むら)の小松一家のものだ。いろんないきさつで土佐ジローの精肉加工を行う施設を使えなくなる見通しになり、一時は撤退も考えたものの、なんとか新たな加工施設を建てたいという意欲を燃やし、クラウドファンディングに挑戦するということだった。そこに文章を寄せて欲しいという依頼を受けて、そのためには直近の土佐ジローの味を確認しなきゃ、と通販で買い(ちゃんと定価で一羽セット買いました)、味見をしたのだ。
その直後、畑山地区は西日本豪雨により河川氾濫・土砂崩れ・道の崩落などにより外界と寸断され、孤立した。そのことは、小松圭子さんのFacebookを「おお、大丈夫か!」と注視していたので知っていたが、加工場新設どころの話しじゃ無くなってきたのではないか、事業継続自体が危ぶまれるのではないかとハラハラしていた。
でも、それは杞憂だったようだ。彼らは力強く再起する気満々であることがわかった。だから、彼らのクラウドファンディングを応援したいと思う。
土佐ジローという変な名前の地鶏が高知にいることはご存じだろう。地鶏は通常、肉用として育てられることが多いものだが、この土佐ジローは採卵鶏としてそのたまごを利用されることが多いという、やや珍しい地鶏だ。
それには理由があって、ジローは成鶏になってもとても小さいのである。いま、ブロイラーと呼ばれる肉用若鶏の品種は45日で3kgに到達するようになっている。これはとてつもない生育効率で、第一次大戦後から肉用鶏メーカーがしのぎを削り合いながら品種改良を続けてきた結果である。
その一方で、、、土佐ジローは150日育てても1.5kg程度にしかならない、小さい小さい鶏なのである。というより、昔はみんなそうだったんですね。いまのブロイラー品種がすさまじくでかいのだが、、、
そんなこんなで、地鶏肉として生まれた土佐ジローだが、肉鶏としての利用ではなく、もっぱらたまごとしての利用が主だった。
ちなみに小さい鶏から生まれるたまごも小さい!のだが、この小ささが逆に見た目のインパクトがあり、しかも白身に比して黄身のサイズが大きく見える(実際はそれほど大きくは無いようなのだが)ということで有名になっている。皮肉と言えば皮肉だ。
その土佐ジローだが、採卵の利用しかしないということは、オスが産まれたら淘汰の対象になってしまう。それはもったいない、だいいち美味しいんだし、ということで土佐ジローの肉用での飼育を頑張ろうと奮闘しているのが、畑山の小松さん一家なのである。
ジローは可愛い。おそらく可愛さでいうと全国でもぶっちぎりだろう。だって小さいんだもん。
畑山はこんな自然の中にある小さな村。
小松さんは、通常のJAS地鶏肉の規格よりも断然、厳しい基準で土佐ジローを育てている。
みればわかるだろうけど、とにかく飼養密度は低く(一羽あたり面積が広い!)、自然に近い環境で、青草や野菜なども食べさせて飼養する。
この肉の味を識って欲しい、とみずから肉を捌き、旅人に振る舞う。
その土佐ジローの肉ですけどね、いろんな地鶏を食べてきたけれども、これはもうお世辞抜きで素晴らしいものです。
モモ肉の健全に濃い色合いと肉のハリ、キメをみてください。
胸肉の筋繊維の緻密な揃い方が、心地よい食感を生みます。
そしてこの素晴らしい内臓類が圧倒的に健全な美味しさなのだ! 調理はもちろん炭火焼き。
ブリンブリンとした歯ごたえでジュースがジュワッと染み出すモモ肉はもちろんのことだが、コリっフワッとした不思議な食感のトサカがこんなに美味しいとは思わなかった!
鶏スキも、、、
親子丼も!
と、ここまでは以前に行ったときのこと。
現在のはたやま夢楽の土佐ジローがどんな味なのかを確認するために先日取り寄せてみた。
一羽セットとりがら付きを選択。あ、とりがらは無しでも価格は一緒だけど、ぜったいにとりがら付きの方がいいですよ。大きな鍋にいっぱいの水と入れて、ひたすら煮る(最低2時間)だけで、ビックリするほど清く美味しいスープがとれるのだから! 我が家ではこれでラーメンを作ります。
モモ肉と胸肉、スーパーのどでかいブロイラーと比べれば実に控えめな大きさだけれども、濃い味わいとほどよい食感が、深い満足感と心地よい満腹感を与えてくれるので、大きさは気にならないと思う!
一口大に切って焼くのも美味しいけれども、素材のポテンシャルをみたかったのでグリル版で火入れ。
みてくださいこの胸肉の筋繊維の詰まり方!
シクシクシクゥーーーっと歯が肉を切り裂くのがたまらなく気持ちよい。そして、うまみの濃い胸肉だこと!
「えっ こんなに味の濃い胸肉初めて!」とうちの妻が驚いてます。
それに対してこのド迫力のモモ肉をみよ!
細やかで歯切れのよい皮目の旨さ、シェイプされ薄くついた脂の香りと旨さ、そして深いうまみとシャッキリした歯ごたえを備えたモモ肉の美味しいことといったらない。ハッキリと昔より美味しく感じるよ!
ということで、自信を持ってお薦めできます。
しばらくはたやま夢楽のオンラインショッピングはできないかと思うけれども、クラウドファンディングをどうぞよろしく。もちろんリターンとして、ちゃんとお肉を食べられますから。
あ、ぜひこのページの近況報告だけでもぜひ読んで欲しいです。
精一さん、圭子さん、大変でしょうが頑張って下さい。応援してます!