いやー素晴らしい会でした。朝4時起きして熊本まででかけた甲斐がありました。国の有形文化財でもあり、日本における料理研究家の元祖といわれる江上トミ先生のご生家である、芦北町の赤松館(せきしょうかん)。その大広間はいままで食イベントで使われることなどなかった。
一年前にこの地を食材ツアーした5人のシェフが「ここでイベントやりたいですねぇ」と漏らしたことから本気になった県庁のOさんの尽力が実る。しかも、会場に打診された赤松館の後当主はじめ関係者のみなさんがこの素晴らしい文化財を会場に提供してくれることになる。
その結果、こんな素晴らしいレストランスペースに!
そして集まった5人のシェフは、全員がイベントの主役を張ることができる人達ばかり!
この面々が一皿ずつ+アミューズ、デザートを作るなんて、スゴすぎるイベント。フードプロデューサーって書かれてるけど、おいらはこの地の食材とシェフ達の出会いを記憶に留めたものとして、関係を解説する進行役に徹しました。
厨房設備は、バックアップをした厨房機器・食材卸である丸菱が赤松館の庭にセット!無数の業務用ガスコンロに加えて、スチコンまでが稼働した!
5人のシェフだけじゃ厨房はまわらない。そこで福岡のラ・メゾン・ド・ラ・ナチュール・ゴウの厨房・サービス軍団、そして卒業生の人達がみな手伝いに来てくれた!彼らの素晴らしい動き、他社とのコミュニケーション能力にはマジ感動。なんて実力のある店なんだ、、、
それにしても、このシェフ連中はみんな仲良し。
川手君は僕と同じオリンパスのE-M10MarkⅡを持ってきていた。赤い帽子の高田君はなんとライカQ!
いろいろスゴかったのだけど、白眉はレストラン・アニスの清水シェフが6時間かけて火入れをした芦北牛のシンタマ。
こないだもアニスで4時間火入れの鶏をいただいて感動したけど、まあでも4時間て言っても、休ませてる時間もあるわけだしねと思っていた。
、、、違った!
2時から準備して火を熾したら、2時半からは焼きはじめ。そんで提供時間が8時半、その間、彼はずーーーーーっと肉の位置を変え、つきっきりだったのだ!余熱で火を入れるではなく、火を入れ続けての6時間。
しかもこれ、どうやって焼いてるかわかります?
もはや生け花(笑)
芦北のレモンの枝やキャベツ、ハーブ類を、香りを移すってだけじゃなく、水分を飛ばさない工夫なのかなんだかよくわからない使い方!
お気づきだろうか、じつはこれ、直火にあてているのではない。さきごろアニスでコラボをした、台湾の原住民の方達が肉を焼く際に使っているという岩石プレートがあって、彼は今回もそのプレートを飛行機で持ってきて、たき火の上にバスンと置いた。そのプレートの上で、やんわりした熱が肉に入るのだ。それで、じんわりじんわり6時間。
宴が進む中、ようやく肉の出るタイミング!
シンタマの割り方も注目。実に慎重に、繊維をカットしていた。焼き上げ状態をみた眞貝シェフが驚愕していたのが、肉汁が一滴も流れていないということ。
「ほんとに、肉のうま味がすべて肉の中に滞留する焼き方なんですね!」と。
「ヒロ君、塩胡椒お願い」と川手シェフにパス。
付け合わせは、道の駅で仕入れた新鮮な地元のイチジクを、、、
赤松館に伝わる、100年前に使っていたダッチオーブン的な鍋で、、、
ワラで燻製にしたもの!
このほか、大きな里芋をアルミホイルで包んで、やはり6時間蒸し焼きにしたもの!
いや、こんな肉、食べたことがない!
驚きその二は、ここまででてきた前菜二皿、パスタ、魚料理と食べて来た参加者が全員、大ぶりに切ったこの肉を全て残さず食べたこと!全員完食!
「なんて美味しいの、、、」とウットリするお客さん達。
マジですごかった!
とりあえず肉料理だけですが、簡単な報告。お客様とシェフ、スタッフ、関係者のみなさんに感謝!