このブログに掲載している写真の多くは、フラッシュを発光させて被写体(料理とか食材ね)に光を当てる、つまりライティングをしたものだ。その光のあて方には色々あって、先日出版した「熟成肉バイブル」のごとき誌面の場合は、中型のフラッシュ数台とライトスタンドを持ち歩き、光の形状や質を変えるためのツール(ライトシェイピングツール)も数種類持っていく。 そのライトシェイピングツールの中でもっとも簡易に効果を得ることができるのがアンブレラだ。その名の通り傘なのだけど、ライティングツールの基本中の基本である。 なかでも、トランスルーセント(透過)アンブレラというものがあって、至極便利。フラッシュの光を拡散して大きな面にしてくれるので、被写体に当たった光が柔らかく、前面を覆ってくれる。ただ、瓶やガラスの皿などに照射すると、傘の骨組が写ってしまうので、被写体を選ぶけどね。でも取材旅行の際はかならず数本持って行っている。 でもね、普通はこのアンブレラ、長いんですよ。それは当たり前で、傘軸の長さがほぼ傘の半径になるわけだ。その径が大きければ大きいほど柔らかい光になり、小さいと堅い光になる。これが基本原理なので、被写体によって大きさを変えるのがベストだけど、そんなに何本ももっていけないので、直径80~120cmくらいのアンブレラを使うのが普通だ。そうなると傘芯も相応に長くなってしまうので、長いものを入れるスタンドバッグに収納することになる。 でもね、もすこし半径が小さいの、ないかな?と思っていたんですよね。そしたら、そしたらラストライトから折りたたみ式のアンブレラなんてのが出ました!と思って、おそらく誰よりも早く買ったと思うんですよ。そしたらこんな人柱になっちゃったわけですね。
はい、そんで無事、ラストライト商品を販売するマンフロット社に連絡いれたところ、「ありがとうございました」ということで10mmシャフトにしか対応しない商品として販売を継続されています。あのね、8mm径のを造って下さいよ~。 と思ったら! なんと同時にこんなのも売っていたのだ! | |
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ということで、買いましたよ、さっそく。
この商品名ちょっとおかしくて、メインの商品は画面左のストロボ用グリップらしいんですよね。それに、アンブレラがおまけに着いているって感じのネーミング。おれは、このスタンドは正直言っていらないぞ(笑)
アンブレラのサイズですが、こんな感じ。小さいです。
SIGMAのdpQuattroシリーズが一休みできる程度の小ささ。
この商品、フラッシュをグリップにこんなふうに装着して使うことが推奨されている。
いやーでもこれ、どうなんだろ?みておわかりのように、フラッシュのヘッドが傘面に近すぎるので、光がうまく廻らない気がするんだが、、、傘面が小さいから、ワイドパネルを引き出せば大丈夫かな?
しかもね、これやっぱりアメリカ的な造りだわ。
わかりますかね、傘芯を通す穴なんですけど、ストッパーがないんですよ。強風が吹いてたら、傘がスポッとぬけて飛んで行っちゃいそう。まあ、風が強い日はどっちみにアブナイからアンブレラは使うなってことですね。日本のメーカーだったら必ずここに、傘芯を固定するネジが入るはずだと思います。改良版がほしいよー よしみカメラの一木社長!ぜひ造って下さい、、、
さて、このアンブレラを、いつも使っている大型のアンブレラと比べてみましょう。
おっとこんなかんじ!だいぶ面積が違います。ちなみにやっぱりトランスルーセントだと、傘芯がクッキリ出ちゃいますね。だから、被写体につるつるの面があると、美しくない写り込みが出ちゃうのでご注意を。
さて、この二つで香川県の木内さんの美味しいおいしい鳴門金時芋を撮ってみましょう。
まずは今回購入した50cmミニアンブレラ。
芋の影は、柔らかくなってはいるけれども、形がけっこう残っている感じ。
では大型アンブレラではどうか!?
三脚たてなかったので構図が少し違っちゃうのはご免なさい。でも、ぜんぜん違う絵になりましたね。影が小さく柔らかくなって、全体の印象も軟調に。テーブルの木目もフラットになります。50cmミニアンブレラだと、木目の凹凸までクキッと出る感じ。
これ、どっちがいい悪いではないんですね。被写体によって、またできあがりの印象をどうしたいかによってフォトグラファーが選択すべきものなわけです。まあしかし、悪くない商品です。ちょっと持ち歩いて使ってみようと思います。
Lastolite ストロボ用グリップ トランスルーセントアンブレラ付 50㎝ LL LU2126