さあ、いよいよ熊本で今もっとも熱いカレー屋さんへ行ってみましょう。とくにポークビンダルーの旨さに関してはこの店が熊本でぶっちぎりNo.1のはずだ(全店廻ったわけじゃないけどね)!
場所はですね、JR宇土駅(熊本駅から二駅です)の目の前。この写真みたらどんだけ目の前なのかがわかるでしょう。
奥に見えてるのが駅のロータリーですからね!間違えようがない。車もかなりの台数停めらるスペースがあるので、安心しておいで下さい。
さてせっかくカレー専門店を出せる技量になったというのに、今回もカレーだけではなくカフェとしても機能します。って、そのほうがいいよね。そのおかげもあって、常連の女性のお客様たちの社交場としてもかなり機能しているらしい。
うん、カレー専門店にありがちな、黙々とカレー食べて、食べ終わったらとっとと出てけ!的な空気感は皆無、なんとも心地よい雰囲気なのは、「anyo」ゆずりです。
この二人がオーナーのキエツ夫妻。
いやー ここまでくるのにいろいろありましたねえ(しみじみ)。
さて、厨房をのぞかせていただきます。
中華鍋がごろごろとかかっているのをみて、カレー好きならピンとくるかも知れない。そう、ここは煮込み系のカレーよりも、野菜や肉をサッと炒め、スープ状のルーを注いで馴染ませるという炒めカレーがメインなのです。
その味のベースが、、、
これ!
「北海道の釧路産の根昆布なんです。すっごく濃い味が出るんですよね。」(喜悦さん)
えっ でも昆布ダシだけの味じゃなかったよね。複雑なキノコっぽい味もあったよ、、、
「そうなんです!熊本県産のとあるシイタケを干しシイタケにして、それでダシを取って合わせてます。それに加えて、熊本県産の大量の野菜でブイヨンをとって、それを合わせています。ヴィーガン向けカレーのスープはそういう構成ですね。お店ではヒゴベジカレー、チキンカレーというメニューが基本になっていて、こちらにはシイタケだしは使わず、昆布だしにチキンのブイヨンで味をつくります。ポークビンダルーは豚肉のうま味も入りますしね。」
そのスープベースに、パウダースパイスとホールスパイスを加えたカレーベースをあわせることで、この店のオリジナルルーが出来上がる!
こちらがベーシックなルーで、下がポークビンダルー!
さて、それではカレーを味わいましょう! お店でベーシックなカレーとして人気のヒゴベジカレー(980円)、「ホロチキ&エッグカレー」(980円)、禁断のポークビンダルー(一日十食限定:1280円)、そしてこの店一番の辛さの「ニコ・タギールカレー」(980円)。
まずはヒゴベジカレー!
「具材は季節によって変わりますが、今だとなす、ピーマン、トマト、ズッキーニ、たまねぎ、いんげん、きのこあたりですね!」
というように、丁寧に下ごしらえされた熊本県産野菜が一杯のカレーだ。やっぱり僕が家でガチャガチャやる野菜カレーとは見た目の美しさが違うね!
このカレー、とても美味しい。家で食べた時はヴィーガンカレーのルーで食べたのだが、こちらはニコのベーシックなルーになる。おそらく一般的にはこっちのルーが親しみやすい。辛みはほぼ無く、そして昆布&シイタケのうま味がバッチリ効いた、優しくも十二分に白飯食い推進パワーをもったルーである!赤米がまざったライスや人参サラダのトッピングも気が利いている!
こちらは、同じルーにホロホロに煮込んだチキンと、ごはんにトロトロオムレツが乗ったホロチキ&エッグカレー。
チキンが入ることでルーの濃厚度がアップ!動物性のうま味が乗ることでパワーが倍化している。
オムレツとの相性もバッチリだ。この、提供までの手数の多さからすると、ヒゴベジと同じ980円での提供はかなりお値打ちなんではないだろうか!?
そして、この店一番の辛いカレー、ニコ・タギールカレー。
僕の大好きなフライドオニオンリングが三つも!嬉しいですね。 ところでこの店で出すカレーは喜悦さんが考案するわけだが、妻のタカコちゃんがそれに遠慮なくダメ出しをする。どうしてもカレー好きとしては辛いカレーを出したくなるが、熊本ではそういう先鋭的なカレーは受けないということで、辛さは控えめのメニューが多くなっている。ポークビンダルーも、普通ならかなり辛いものなのだが、ここのはそれほど辛くない。それも、タカコチェックが入ったからだ。
でも、やっぱり辛いのが食べたいと言う人もいるというわけで、このニコ・タギールができたわけだ。
結論からいいますが、デリーのカシミールカレーに比べればぜんぜん辛くありません。とはいえ、この店のカレーの中では飛び抜けて辛い。どなたでも安心して食べることができるとはいわないが、比較的チャレンジしやすい辛さで、しかも美味しいです。(笑)
さあ~てそして! 僕的にはこの店のイチ押しはこのポークビンダルーカレーである!
このアラジン型カレーポットのなかに、ほんとにゴロゴロと豚バラが入っている。
あのですね、、、
ここのポークビンダルーは、かなりオリジナルな味です。全国のカレー好きに推薦したい!
こんなに濃厚な味わいをもつカレーが昆布ベースだってのも驚きますが、それゆえか、ごはんにムチャクチャマッチする味わい。複雑な香りの組み合わせは店主がこれまで培ってきたスパイスの学びから得られた解だろう。酸味の効かせ方もグレートの一言!
タカコちゃんが「あまり辛くしすぎちゃダメ!」というので、辛みはかなり抑えたと言うが、それは正解かも知れない。辛すぎると、味の印象よりも辛みの印象しか残らなくなりがちだが、控えめで奥深い辛さゆえ、その複雑上品な味わいをしっかり舌の記憶に刻み込むことができる。
1280円という価格は東京でも高めであり、熊本の宇土では「えっ?」となる価格帯かも知れない。けれども、すでにこのカレーのリピーターがいるというのだから、これでいいのだ。だって本当に豚肉ゴロゴロだもん。
いやーーーーーーーーーーーーー
マジで旨い。
友人としてのひいき目をすべてさっ引いてお薦めします。
喜悦さん、本当に素晴らしいカレー職人になられました。
熊本に行くなら宇土に廻って、nicoのカレーを食べにいって下さいませ!
スパイス&カフェ nico
熊本県宇土市三拾町144−22
0964-23-0810
https://www.facebook.com/spicecafenico/