NIKON D810+24-70mmf2.8
京都は丹後に来ています。まー面白かったこと面白かったこと!
JR福知山駅からたんごリレー号に乗り換え。
あまりに心地よくて、眠っちゃって2駅乗り過ごしました(汗)
この熊のような男が今回は僕を丹後に呼んだ。数年前、東京の農業経営者大学校の別枠の授業で僕はこの白岩君ひきいるブレンドファームという生産者集団の若手達に講演をした。講演後、班分けされた彼らもおのおの、今後どうするというプレゼンをすることになっていたのだが「あの時、お話を聴きながら『こんなプレゼンじゃダメだ!』って、講演聴きながら考え直しましてね!」と、その後みごとなプレゼンをしてくれた。
しかもその後、ブレンドファームという京都の南と北に分かれて活動する緩きネットワークは快進撃。メンバーの作物はホテルグランビアやハイアットリージェンシーで好評のうちに継続取引され、そして香港、台湾、シンガポール、マレーシアにもバンバン輸出している。
NIKON D810+SIGMA12-24mmf4
白岩君の家は果樹農家で、メイン作物のひとつがブドウ。以前、藤稔などを送ってもらったことがあるが、実に美味しい!その圃場を初めてみたが、特徴的なものだった。
「うちは低樹高栽培なんです。しかも化成肥料は反当たり500gしか与えません」
え、500g? 5kgとかの間違いじゃなくて?しかも反あたりじゃなくて畝あたりじゃないの? ブドウ、ならないじゃん。
「いえいえいえ~ ホントに反当たり500gなんですよ。ここに来た人達みんなが驚くんですけどね。おそらくですけど、海がすぐそばなので、海水が飛んできて散布されるなかに、必要な要素が入ってるんですよ。マグネシウムや微量要素が。それで、立派にブドウがなって甘くなります。」
色づく前の藤稔。たしかにデカい、、、
「だからうちが新しく畑を増やすときは、こういう鉄の資材がいい具合に海水の影響でさびている場所にしてるんですよ。」
いや参りましたね、のっけから楽しい。白岩君の両脇をかためるのは農業経営者大学校の研修生ふたりだ。君たちラッキーだねこんな尖ったところに来られて。
白岩君はナシの栽培もまたふつうでない(笑)
ぱっと見分からないけど、通常の剪定セオリーとは違うポリシーで枝を仕立てている。たくさん成っているように見えるが一本あたりの成り数も少ない。
そして一路、メロンが最盛期を迎えている谷芳農園へ。
超明るい岡田一家が迎えてくれました。
岡田君も僕の前回の講演をきいてくれた若者だ。谷芳農園はこの京丹後だけでよく作られてきたメロンをメインに栽培している。
そのメロンというのがこれ!
岡田君のお母さんが切ってくれたこのメロン、「新芳露(しんほうろ)メロン」というそうだ。初めてみた!
青肉でも赤肉でもない、白いメロン!?これってマクワウリがそのままメロンに進化したような感じ?
「そうそう、そんな感じや。俺たちの親父の代に、この辺でメロンが栽培されるようになった最初の頃に持ち込まれた品種をそのまんま作り続けてるからねぇ。」
と、いまの生産の要である岡田君の叔父さん(なんかちょい悪風お洒落さん)。
さてこの新芳露メロン。
シャブッと食らいつく。
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
こいつは素晴らしく美味しい! どこからでも取り寄せて食べる価値がある!
ほんとうにマクワウリの進化形。青肉・赤肉メロン特有の香りではなく、マクワウリのもつ上品な香りがバンと強くなったような、香水のような甘いあまい香りが口中にほとばしる。甘さは控えめ、「糖度12度くらいしかありません」とのことだが、香りのせいでとてつもなく甘い感じが拡がるのだ。果肉は青肉メロンと違って粉質っぽく、でもそれが完熟すると実にシクゥーッとした気持ちイイ歯の通りである。
うまい! これは最高です。
5反ほどある新芳露メロンの圃場は、完全なる砂質土壌。
一本に4果成らせるそうだが、古い品種らしく収獲のピークが極めて短く、そのタイミングを逃すといきなり過熟になってしまい、出荷できなくなってしまう。だから、収獲期間中は毎日、100メートル以上の長さになる圃場をみんなで何往復もしなければならないそうだ。
もちろん彼は市場出荷はいっさいやっていない。味を分かっているお客さんからのリピート注文で売れてしまうのだ。そりゃそうだろう、あの味は関東圏では識っている人、いるんだろうか。ここの農家はみな、地の利を活かした特徴的な農業をやっているのだなと感じ入った。
極めつけはお米マニア。
この城下さん、なんと40町歩の稲作をやっている。
「ちょうどこっちのほうに、今見せたい田んぼがあるんです。ちょっと声を潜めて進んで下さい」と。
ん?
画面右端に白いのが、、、
ええええええええええええええええええ
白鳥だよ!
「そうなんですよ。おとなりの兵庫県豊岡市ではコウノトリ育むお米っていうのが有名なんですけど、この辺は白鳥や、コウノトリもいっぱい飛来するんですよ。なので、うちも最低限の防除はしますけど、虫を殺すようなのは撒きません。」
いや、なんと豊かな生態系。嬉しくなっちゃうね。
この後、講演は2時間オーバーで終了。夜の9時からみんなの作物を持ち込んで懇親会。
和田さんの高糖度フルティカトマトとジュース。
中川さんとこの茄子。
ピュアホワイトとドルチェヘブン。
〆は、白鳥があそぶ城下さんとこのお米を炊いてもらって塩むすび。
コシヒカリとゆめごこちをブレンドしていて、「のど越しがいい」口当たり。美味しかった! お皿を持っている美女は府の職員の田家さん。
いやー 楽しいな。この楽しい感じをもって本日は、宮津をサン・セバスチャンにすることを志した飯尾醸造に行って参ります。
丹後のみなさん、ありがとう!また会いましょう。