やまけんの出張食い倒れ日記

徳島の豚といえば、あの鳴門金時芋を餌に与えて大切に育てた「金時豚」!生産者・納田君は豚肉のエシカルを目指している!

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金時豚は四国ではトップレベルに素晴らしい豚肉である。豚自体は通常の三元交配なのだが、大ヨークシャーは徳島県が育種したもの。そして、その名が示すとおり徳島県産のサツマイモを飼料のメインに据えている。飼料設計がよいのか、金時豚は本当に美味しい。 そういえば静岡県富士宮市の「さの萬」佐野社長もつねづね「豚の餌としては、サツマイモが最高」と言っておられ、自社のブランド豚である萬幻豚(ムチャクチャ旨い!)にもサツマイモをメインに給餌しているくらいだ。サツマイモ給餌の豚は本当に、脂質も申し分なく、そして味わいがしっかり濃くなって美味しいと思う。

で、この金時豚を生産している生産者の納田くんだ。彼は10年ほど前に宮崎で行った僕の講演に参加して、なんとそこでの話しをきっかけにブランド化を始めたそうだ。

「あの講演はゾクッとしましたよ、だってやまけんさん、口蹄疫から復興したての霜降り産地のど真ん中で『これからは霜降りが嫌われていくでしょう』なんていうんですもん!」

と言う(笑)

でも、時代の流れとしては、大規模流通・卸売流通のみで無銘の畜肉を販売していくだけでは頭打ちになるだろうという僕の話をきいて、彼は決意してしまったのだ。

「それまでは大手の精肉流通企業に9割販売していたのですが、自分で直接販売をしていこうと決心したんです!」と。

その拠点がここである!

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なんと数年かけて、彼は本当に9:1で大手流通に販売していたのが、逆転して1:9、つまり直販9割に転換してしまったのだ!

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この店、生産者直売だけに価格も買いやすいのだが、その美味しさゆえ、30分かけて他市町村から買いに来るお客さん続出なんだそうだ。同行した県庁の関係者さんも「うちもここで買ってばかりです。もう明らかに味が違うんでスーパーで買えません」という。

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狙ったように美女ご来店。

「すみません、この店にはよく来るんですか!?」 と取材のフリ(笑)。

「はい、よく来ますよ!」 と、肩ロースとロースをありったけ買って行っておられた。

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家畜とエシカルというえばアニマルウェルフェアなのだが、狭い日本で欧米並みのアニマルウェルフェアを実践するのはかなりハードルが高い。だが、彼はそこにもチャレンジしようとしている。

また、アニマルウェルフェアに留まらず、さまざまなエシカルにつながる仕掛けをしている。

「あのですね、うちは従業員がちゃんと休めるようにしたいと思っていまして、いま週休1.5日を確保できました。でも近い将来に週休2日制にかならず移行します!」

そう、ブラック労働をしない、させないをモットーにしているのである。素晴らしい。エシカルな食のムーブメントが起きようとしている徳島でも、トップグループにいることは間違いなし。金時豚の今後が楽しみである。