専門料理編集部から、会議で遅れていた二人が来たので、お部屋に戻ってさらなる会食。
この会には人数分のワインを持参するということになっている。今回は柴田書店内でフランス在住歴を誇るマルタ君が自分のコレクションから持ってきてくれた!
後半戦を飾るのはファーベ! イタリアのそらまめ品種で、加熱せず生で食べて美味しいものだ。なぜか日本の品種は生食しておいしいものが少ないが、イタリアでは生食に適した品種があり、これを春の訪れとして食べている。
サヤからはずした豆の皮を剥き、二つに割る。
その間にペコリーノチーズを挟んで、、、
パクリといただきましょう!
うまい! 爽やかで健全な豆の青臭さ、ほの甘さ、そしてペコリーノの塩気と独特の香りが効いて、素晴らしいマッチング!白ワインとの相性抜群です。
専門料理の編集者チームも夢中で食べる!
「おいしいです!」 と、編集部のうわばみと呼ばれる、僕の連載の担当編集であるワクちゃん。
「最近は、日本の空豆でも美味しく食べられるようになってきたと思うの」と長本先生。ホントですか!?今度試してみよう。
さてお次はパスタだ!
そりゃ長本先生ですもの、乾麺ではなく手打ちをご用意いただいてましたよ。しかもベランダにこんなふうに干してあったので、みんなでガン見。
「今日はわたしも初めて作るんだけど、モリーゼ風のカヴァテッリなんです。」
ジャガイモと小麦粉を混ぜたものだが、よくあるニョッキのようにジャガイモのほうが多いものではなく、粉の割合が多いのだという。ニョッキは捏ねずにさっくり混ぜるだけだが、こちらは粉が多いので捏ねて完成させるという。
ラグーは豚肉!
「イタリアでは伝統的にもっとも食べられていた肉と言えば豚肉なんです。」 って知ってました?詳しくは「専門料理」今月号をご覧あれ。
ラグーと茹で上がったカヴァテッリを和えて、、、
ベランダから摘んだハーブをかけて、、、
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
うまそうだ!
このモリーゼ風カヴァテッリ、ニョッキのようにジャガイモ感が先行するのではなく、やはり小麦感が強い。でも、モチッとした食感があるのはジャガイモの存在ゆえだろう。豚の優しい風味のラグーと相まってとても美味しい、これぞマンマの味。牛肉のラグーよりも家庭的な印象に仕上がるんだよね!
そしてセコンド(メイン)は、取材の際に「これ面白いのよ」とお話いただいたインパナーダス!
うわーーーーーーお パン包み焼きです。
スプーンを入れて、、、
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
中から、ジャガイモと鶏肉、そしてイタリアの香木であるミルトの葉が!
パンで包んでいたことで閉じ込められた香りがブワッと拡がる。ミルトのすこしツンとした香りが効いているのだ。
新ジャガ(おそらく長崎県産ニシユタカ)にしっとりと鶏のダシがしみこんでいる。鶏肉はホックホクに柔らかく蒸し煮されている!
これは美味しい、、、 単純な素材の組み合わせをいかに美味しくするかをつきつめた、家庭の料理だ。家庭の料理は郷土の料理。庶民が限られた食材を組み合わせて美味しいものを作ろうと希求する。地域によって穫れるものが違うから、その組み合わせが各地に無限に点在している。その集合体がイタリア料理なのだ。
美味しかった!
ゆうぐれに窓の外が沈んできた頃、言葉が話せるようになってすぐ朗読をするようになったという長本先生の、ご自身の文章を朗読していただく。
なんっていう贅沢!
本当に素晴らしい一時でした。長本和子先生、ありがとうございました! イタリアに魅せられし若き料理人達よ、まずこの方の講義を聴くべきです!
専門料理今月号をとくとご覧あれ!
月刊専門料理 2017年 05 月号 [雑誌] | |
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