ということで、初日に行って参りました。だって、初動って大切だもん。一頭分の短角牛のお肉がちゃんとお客さんに受け入れられて、食べてもらえるか。そのチェックと称して楽しみに参りました(笑)
JR新宿駅南口の、高島屋側の改札を出て右に曲がってすぐのところに日本ではまだ珍しい「フードホール」がある。フードコートのように壁で区切らないオープンな空間に飲食店が数店舗入っているのだけれども、ファストフードよりのフードコートではなく、一店一店がちゃんとしたレストランなのがフードホールと思えばいいだろう。
入り口にベーカリーレストランのサワムラさんが入っていて、ここでも短角和牛のステーキを売ってくれている。それを横目でみつつ、こちらのチェックは部下に任せて、フードホール中央にあるSALON BUTCHER&BEER(ブッチャー&ビア)へ!
ここはバスク料理がメインコンセプトで、料理監修はかの「ローブリュー」!そりゃあうまいでしょ! 僕らが入ったとき、カウンターもわりと空いていたんだけど、すぐさま埋まってしまった。繁盛してる!
カウンターの上には、ありました!
この店では、ローストの瞬間燻製とメンチカツを楽しむことができる。
価格付けはかなり強気とも思うけど、まあいま全国的に和牛は限界ギリギリの高価格。今回は一頭買いをするという前提で市価よりは安く仕入れられるようになっているけれども、それでもこの価格は暴利ではないんです。ご理解くださいネ。 アメリカで在庫が余った関係で、安値で入ってきているUSビーフと比べられてはかないません。でも、育ててる期間がまったく違うからね。短角のお肉は色んな意味で違うんです。
それにしてもキラキラした女子多し すばらしい!
「初日に来てもらえるなんてウレシイっす!」と料理の合間に挨拶にきてくれたのが、この店の厨房を守る森シェフ。熱い男です。
「いやもう、スタートしたばかりなのに、がんがん出てるんですよ!他の料理より少し高めなんですけど、みなさん悦んでいただいてます」
まじか!それは嬉しい、、、
クラフト系ビールの品揃えがとにかく多い。わたくし、古漬け味のするカンティヨン・グーズでいきました。
バスク料理なので、これはバーニャカウダではありません。
赤トウガラシの粉末をかけながら食べるこのディップ美味しい!
焼きソラマメにチーズをのせて食べるのも実によし。
さあて、きましたまずはメンチカツ!
サルサのようなトマトソースがついてくる。けど、まずはそのままいただきます。
ちなみにこのメンチカツは素晴らしいですよ。だって、ふつうならローストにして食べられちゃう部位と、短角自身のとけのいい脂を混ぜてミンチにしているんだから。スジ肉や端肉を挽いてるんじゃないんですよ。マジ豪華な挽き肉なんです。
しかもこの店は赤身9:脂1という超贅沢なミンチ具合。ハンバーガーでそれだとじゃっかんぱさつくんだけど、メンチだからそれで丁度よい。しかもゴロッと超粗挽きなんす。ほら、断面みたら分かるでしょ?
イヤ最高! カンティヨングースにしといてよかった!酸味がこの肉肉しいメンチに合うことこの上なし!
さあそして! 厨房から鉄鍋が運ばれてきて、、、
「短角牛に実際に与えている、佐藤さんが自分で育てた牧草を取り寄せました。それを燻して、瞬間燻製にしているので、牧草の香りが肉についてくれるんですよ。じゃあ、開けますよ!」
デュワッ!
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
牧草が香る!実にいい感じの薫香である!
「じゃ、切り分けてきますね」といったん厨房でカットされ、出てきたのがこれだっ!
今回は、テンダーロインが使われてました(タイミングによって部位は変わります)。贅沢だなっ!
付け合わせは、塩を再結晶化させるときにレモンの果汁を表面につけて、レモンの味わいをきちんと出せるようにしたレモン塩。
もうね、一口食べて感動しちゃって、アップの写真撮ってない。
素晴らしく美味しい!
肉を口に入れると、瞬間的なはずの燻製なのに、牧草の心地よい燻し香が鼻に抜けていく。そして肉の火入れは絶妙!実に柔らかく肉汁も保たれている。レモン塩は香りと酸が効いて、肉に縦方向の味わいを加えている!
なによりうま味が濃い! じつは時期的に、季節繁殖をする岩手の短角は若齢の牛が出てくるタイミング。24ヶ月齢くらいの牛が中心なので、この時期だけはやや若くてうま味が不十分だったりすることもある。
でも、今回の個体はかなり大きく育ってくれていて、ちゃんと20日ねかせたこともあってか、実にうま味がしっかりしている! やりました、、、
それにしても森シェフ、素晴らしい腕である。この皿はローブリューではなく森シェフが考えて作ったものだろう。いや何も言うことナシ。ぜひ3~4人で行って、この店の料理を味わっていただきたいと思う。シャルキュトリもかなりうまそうだったですよ。
森さん、美味しかった!
そして、返す刀で超人気行列店である「800°DEGREES」へと向かったのである。