前編からだいぶ時間が経ってしまった。ブログにも書いたとおり、画像を持ち運ぶポータブルHDDが壊れてしまって、撮影した写真を救い出すのに時間がかかったことと、原稿執筆に追いまくられていたからだ。ゴメンナサイ。いきさつを忘れちゃった方は前編からお読み下さい。
■土佐あかうしセミナー&赤肉サミットin高知2017開催! ビコローレ佐藤護シェフと銀座奥田の五十嵐料理長、スルラクセ山本たくみシェフと酒肴かもん亭伊藤優介さんの素晴らしい土佐あかうし料理が並ぶ!
https://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2017/02/14249.html
銀座奥田の五十嵐料理長による、土佐あかうしヒレ肉の幽庵焼きはおかげさまで大好評。
もりつけ写真がなくてゴメンナサイ、司会進行してるから撮れないんですよね。
また、イタリアンチームの料理も残念なことに撮ってる余裕がなかった(けどもちろん、皿が出たらちゃんと食べました(笑))。
後編は、日本料理チームの高知県代表「かもん亭」伊藤さんが出してきた一皿にフォーカスしてみたい。というのは、これが実に考え抜かれた、素晴らしい一皿だったのだ。
伊藤さんが繰り出してきたのは、かもん亭の看板メニューのひとつでもあるバッテラ。
「牛肉ですので、生のネタをつかうバッテラではなく蒸し寿司の仕立てにしますが」と
のことだ。
この、高知県の至る所で売っている押し寿司の型を使って造るわけだ。
土佐あかうしの部位はマルシン、これを1.5センチ程度の厚みで輪切りにし、八方だしで炊いていく。
ただしぐらぐらさせてしまっては硬くなってしまうので、きっちり温度を測り、60度程度の温度で、柔らかくうま味も最大限になるように火入れをする。
会場に入って道具を拡げたときに、温度計があるなあと思っていたのだが、ここで使ったわけだ。
肉に火が入ったら休ませ、室温ていどまで馴染ませる。その間に酢飯の準備だ。
このご飯、まだ酢を混ぜたわけではない。
「高知の料理ということで、高知特産の碁石茶でご飯を炊きました。乳酸発酵したお茶ですから、酸味も足されますし、独特の風味が牛肉の脂などをスッキリさせてくれると思いまして」」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
碁石茶か!
伊藤さん考えましたねぇ、碁石茶は大豊という地域で作られてきた、日本では珍しい後発酵茶だ。酸味というかなんというか、とても特徴的な風味のお茶なので、ごくごくと飲んでプハー旨いっ!とはなりにくいお茶なのだが、料理に使うとは!
酢飯を切りながら、ここにナバナを軽く茹でたものを混ぜ込む。
「あか牛の肉は美味しいのですが、苦みをすこし加えることでもっと美味しさが引き立つと思いまして。」
同じような理屈で、ゴボウを加熱してパウダーにしたものも混ぜ込むという凝り様だ!
酢飯がセットできたら、いよいよネタである、八方だしでやわやわと炊いたあか牛のマルシンを切りつけていく。
いったんこのサイズにカットした後、かみ切りやすいようにだろう、今度は繊維を断ちきるように細かく隠し包丁をいれていた。
まずは牛肉を敷き詰めて、、、
碁石茶で炊いた酢飯をのせ、、、
絶妙な加減でキュッと押す!
型から抜いたら、最後にうえからパラリと紙のようなものを置く。
これはよくバッテラの上に乗っている板昆布なのだが、なんとトマト水で戻した昆布だという!
うわーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 美味しそう!
堂々の完成!
いやー やばいでしょこのビジュアル。どうにも溜まらなくなって、会場の参加者用の皿を奪うようにして食べた!付け合わせはニンニク葉を茹でたもの。
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
旨い!
高知の和食店はすべてこの料理を出してくれ!と思うほどに美味しい!碁石茶で炊かれた酢飯は、酢酸だけではなく乳酸の微妙な酸味を漂わせ、それがあか牛の脂を吸収して全体の印象を締めてくれている。うま味は肉だけではなくトマト昆布からも染み出て、ただでさえ旨いあかうしを最上級の美味しさに持っていく。そこにナバナのほろ苦さとゴボウのひなたのような風味が加わって、超絶立体的な世界がひろがるのだ!
これは素晴らしい土佐あかうし料理である!
いやー感動しましたね。
この頃になるともうみんな料理も終えてきた(佐藤シェフは、テレビとかのインタビューにサービスしてくれていたせいか、ぎりぎりまで料理していた(笑))ので、料理人達の交歓が始まっていた!
スタッフもようやく「たべていいぞ」許可が。
「やだ、美味しい~!」
と黄色い声が飛ぶ!
みんな幸せそうです。よかったよかった。
素晴らしき土佐あかうしが6品できた!
ここでみなさんに朗報。「スルラクセ」「かもん亭」では、この料理をこれから食べることができる、はずです(笑)また、この二店以外でも、協賛してくれるお店では食べられるはず。情報が入ってきたら、またここで書きますね。
しかしまあとにかく、このイベントを通じて東京から「銀座奥田」の五十嵐君、「ビコローレヨコハマ」の佐藤シェフに来ていただいて、本当によかった。高知の飲食店もここ数年でそうとうにレベルアップしてきたように思う。だって、ほんの5年前に、土佐あかうしを食べられる店なんて、市内で数軒しかなかったんだから、、、
次年度も、また土佐あかうしを盛り上げるイベントを企画していきたいと思っている。やるぞーーーー!
■撮影情報
この前後編は、E-M1markⅡにSIGMAの30mmf1.4「だけ」で撮っている。じつをいうと、前日の夜に事件が、、、ホテルのロビーの硬い床に、買ったばかりの12-100mmを着けたE-M1markⅡ(も買ったばかり)を落としてしまったのだ!最近、そんなことばかりです、、、 打ち所が悪くレンズの根本からばかっともげてしまい、レンズマウントも少しゆがみが。
でも、カメラは動作和するようだったので、この単焦点一本だけ着けて撮影したのがこの前後編だ。
感想として、、、 SIGMAのこの30mm(フルサイズ換算で60mm)はスゴい!と思いませんか?表現力豊かで、ボケにくいフォーサーズでもいいボケだしてくれる!ちなみに、若干やけくそ気味に全部の写真をf1.4で撮ってるんだけど、素晴らしくないですか? しかも3万ちょっとで買えるんですよ。
フォーサーズのレンズも、f1.2のラインナップが出てこようとしている。やっぱりf値が小さいのはいいことだ。SIGMAよありがとう!