ということで熊本県の芦北に来て、今回はとくに水産の現場を廻った。「うたせ船」は歴史ある漁法で、船を沖に出してから帆を張り、船体を横へ横へと進ませる。そうしながら小さな底引き用の網を投入し、船が横へ進む力を使って底をさらい、特産のアシアカエビを獲る。
底引き網は海底の地形を壊すことから環境負荷が高いといわれるのだが、みたところ実に小さな熊手で、出漁する船も十隻程度しかないようなので、資源量を獲り尽くす恐れはなさそうだ。
さて今回、ニコン純正望遠レンズの70-200mmf2.8を持っていこうと思っていたんだが、ちょっとこういうときにsdQuattroを持っていって撮影チャレンジだ、と考え直した。こういう、その場その場で臨機応変に機動的に撮る必要のある現場でどれだけ使えるかということを追求したいと思ったのだ。
sdQuattroにSIGMAの50-100mmf1.8を装着すると、まわりのひとが「す、すごいですね」とたじろぐ外観の大きさ・ゴツサになる。そして重い。縦位置で構えるとそのうちプルプルと上腕が震えてくる。ピント合わせはマニュアルにして、AFボタンでピント位置拡大にして追い込む。
それで、うたせ船のマストから海底に伸びる紐を撮影したのだが、上の写真のごとき完璧なピントの写真を撮ることができた。
もうひとつ、このsdQuattroと50-100mmのシステムは、ポートレートを撮るとドンピシャではまるな、と実感。
どうだこの空気感! ちなみにこの方が漁協の組合長だ。
ISO200が使える上限と思っているので、シャッタースピードはなんと1/40くらいなのだが、意外なくらいにぴたぴたと停まる。
組合長の奥様がいらっしゃって、これがまたやわらかなマシンガントークで楽しい。
すっかり釜揚げのシラスを食べ過ぎました。
ということで、sdQuattro+50-100mmのセット、死ぬほど重いけど持ってきて佳かった!というお話し。