さて、前のエントリに書いた11月26日(土)のオフ会で食べていただく肉がどんなふうに熟成されているのかを観ていただこうと思う。
先のエントリの肉調達リストのうち、サーロイン&リブロースは静岡県富士宮市にある、日本のドライエイジング先駆者であるさの萬さんにお願いをしている。さの萬さんの熟成に関しては2008年くらいからフォローしているが、年々品質が向上している。特に、昨年中に熟成庫を新たに作ったのだが、そちらが本格稼働してからというもの、本場NYの業者が手がけたDABよりすごいんじゃないのか?という出来になってきている。
そこで今回は、西麻布にあるカルネヤサノマンズ向けに出荷する肉を熟成しているのと同じ庫内に入れて欲しいと、熟成庫指名をしてしまった。
その熟成状況をつい先日、観に行ってきたのだ!
富士宮の100年企業であるさの萬さん。東京からくらべると驚くほどリーズナブルに、よい肉を売っている。
そのさの萬さんが新しく建てた工場がこちらだ。
熟成冷蔵庫は昔ながらの冷媒管方式のものと、コイル式の二つが分けられている。そしてそのどちらも、最新のモニタリング設備と連携して、データ管理ができるようになっている。
熟成庫内に入ると、すさまじい風量とともにナッツのような甘い香りが、マスクをした外からつきぬけて、鼻を刺激する。
さあそして、僕のすみれちゃんのお肉はこれだ
で、でかい!
「いやぁ、さすがやまけんさんの牛、いいロースですよ。30ヶ月齢で脂もたっぷりついてますけど、この個体はもうこの時点で美味しいことがわかりますね!」
といっていただけて、よかった! 上の写真がリブロース側。下の写真がラックの反対側、つまりサーロイン側だ。
リブ芯の大きさも形もいいかんじ。短角らしいサシけで、これはぜったいにうまいだろうという気がする。いや、これも親ばかかおしれませんが。
さて、モモ肉はどうなっているかというと、千葉のマルヨシ商事に熟成をお願いしているところだ。
マルヨシ商事は首都圏のなだたるホテル系のレストランや飲食チェーンに和牛を卸す業者さんで、業界ではいちもく置かれている存在だ。さの萬さんと同様、赤肉サミットでも何回も世話になってきた。
面白いことに、というかそれが当たり前なんだけど、業者さんが変われば熟成庫の菌も変わるので、同じ期間ドライエージングしても味がまったく違う。さの萬さんとマルヨシさんでは味わいがまた違うのだ。
マルヨシ商事の庫内に入ると、「これは10ヶ月経ってますね、こっちはほぼ1年」というように、超長期熟成ともいえるものがけっこうある。えええええっと思われるかもしれないが、そうした肉も表面をすこしけずると、こんな風な肉肌がのぞく。
これがドライエイジングの面白いところだ。
ということで、ロース系はさの萬さん、モモ系はマルヨシさんで熟成したドライエイジドビーフが、現在整いつつある状況だ。ちなみに、骨付きロースは食べる会で5kg使用するが、それ以外はぜんぶ僕がプライベート用に使ってしまうので、26日の「食べる会」以外では食べられません。モモ肉は販売する予定だが、すでにランイチやウチモモは予約的な注文が入っているので、激戦になりそうだ。
ブロックで狙っている人は、来週の火曜日か水曜日には発注できるようにするので、おまちあれ。
食べる会の申し込みですが、もう半分以上埋まってきました。先着順ではなくて抽選ですが、おはやめに。マルヨシ商事の熟成状況は、来週の月曜日に視察するので、また載せます。お楽しみに!