SIGMA sd quattro 18-35mmf1.8
最近ほんとうに怖いと思っていることがある。それはコンビニの食品がだんだんと高度化していることだ。それはただたんに「食べて美味しい」と思われるようになっているということではない。そういうことなら、コンビニ食なんてのはすべてアミノ酸や油脂、糖分を使いまくったものばかりだから、一般的に「美味しい」と思えるマーケティングど真ん中のものばかりだ(決して褒めているわけではないよ)。
そうではなくて、ある意味ではそれとは逆の、「意味ある食品」といえるものがでてきていることだ。例えばセブンプレミアムで販売されているチルド惣菜類などには、アミノ酸類も使わず、基本調味料だけで仕上げているものがあったりする。その工場にいけば、鰹節に昆布でとった天然出汁できんぴらゴボウや豆類を煮ていて、素晴らしい味のものでビックリしたこともある。
でも、それって本来的には一部のきちんとした食品を出そうと努力している生協や大地を守る会、らでぃっしゅぼーやなどの「専門流通」といわれたプレーヤーがてがけてきたものだ。その領域にまでコンビニが来ようとしていると思うと、ちょっと怖くてタマラナイ。
とはいえ、ごく一般の消費者を相手にしている以上は、例えばパンで言えばイーストでの発酵でショートニングやマーガリンをつかった、大衆的なラインが中心となる。その方がターゲットも広いしね。でも、そこにご当地で収獲される国産の青果を使い、それまでとは段違いで高品質なものを提供するという動きが出てきている。
その先兵といえるのが、茨城県に新しい工場を建てたリバティーフーズ。識る人ぞ知る、セブンイレブンの北関東一帯のパンをまかなうパンメーカーである。代表は、あの暑苦しくも素晴らしい鳥山さんだ。彼に連れられて茨城のスゴい第一次産品を巡る旅をこれまでもやっているのは覚えておいでの方も多いだろう。
■茨城は旨い!全国でトップレベルのブルーベリー経営を実践する、坂農苑のブルーベリー、いまが最高潮!ほんとうの旬に食べる大粒ブルーベリーの破壊力はすごいっ!
https://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2016/06/14039.html
■「キャビアがとれるようになって、産業として確立されるときには私はいないかもしれません」筑波山のふもとでチョウザメ養殖にトライする、武士のごとき酒井さんの思いとチョウザメのフィッシュミート!
https://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2016/06/14038.html
で、この鳥山さん、ちゃーんと素敵な生産者さんたちの素材を、自分とこのパンに使うということまで実践されているのだ。でもそんなの普通のコンビニでは無理。ましてや全国2万店舗を展開するセブンイレブンにそんなことするなんて無理!だって作れないモン。1店舗に20個としても一日に40万個製造するなんて、工場一つでは無理。だから各地・各ブロックごとに工場があるのがふつうだ。
で、鳥山さんところは、北関東だけでもやる!と提案して、なんとかそれが通って実現したようなのだ。それがこの三種!
栃木県産のとちおとめジャム、茨城県産のブルーベリージャム、そして茨城の旭村のクインシーメロンジャムをつかったちぎりパンである!
これをみっときには、本当に驚きましたね。産地指定ものなんて、そんなに原材料を確保できない。そして200円以下で売るようなコンビニパンで使うのは不可能な値段になるのが普通だ。でも、値札観たら138円(税抜)だ。いったいどうやったんだろう!?
みてください上の写真の真ん中のブルーベリーパンの端に、坂農苑のシールが貼ってある。
これが、坂農苑さんのブルーベリージャムのパンだ。
ちぎりパンってのは、切り目がついていて簡単にちぎれるということ。一口大にちぎれるので食べやすい!
油脂・糖分・小麦粉と糖質オンパレードですが、麻薬的な美味しさであります。
とちおとめパンも、ジャムがすべて栃木県産の身元がしれたものだ。
クインシーメロンジャムのパンがまた、素晴らしい!
あっというまに食べてしまった、、、
この三品、北関東のセブンイレブン以外ではみることができないと思う。もしみかけたらぜひ買って試していただきたい。なかなかにレアな取り組みをしているコンビニパンである。
ところで、こういう記事を書くと「国産小麦を使ったり、トランス脂肪酸を使わないパンだけを書けばいいのに」というメッセージをもらうことも多い。そうだよね、おれだってそっちの方がいいとは思う。
けれども、こうやって一歩ずつコンビニ食品の意味や質を向上しようと頑張っているメーカーさんの努力も、おれは尊いと思うよ。そういうわけで、応援すべきは応援していきます。ではではそういうことで。