札幌には落とし穴が多い。リピートしない観光客が間違って入ってしまうのを狙うだけでも店が成り立つような立地だからだろうか、許さねぇ!と思うようなものが出てくることがよくある。前にも書いたけどJR札幌駅から京王プラザホテル方面に移動できる地下商店街の中にある「ミートギャ●グ」なる店は、流行に乗った肉バル的なシズル感をみせて客を誘引するが、出てくる皿はもう最悪だ。入らない方が無難です。
で、それにちょっと近い名前で全然違う店があります。その名も「ザ・ミートショップ」だが肉屋ではありません。肉業態メインのダイニングバーという感じか?道内産小麦で麺を作る望月製麺の泉田さんに前回の来札時に連れて行ってもらったのだ。ビジュアルや店舗作りがとてもハイセンスでデザインが行き届いて、とてもかっこいい店。それもそのはず、理容業界に居た突進力のある社長が広告代理店の凄腕を引き抜いて一緒に立ち上げ、札幌のあちこちに面白い飲食・中食業態を打ちまくっているのだ。
ただ、肉はなぁ、、、うーん なんとも、、、という感じの部分もあって掲載を控えておりました。でもそのとき無責任に言い散らした言葉を社長は真摯に受け止め、あちこちに味のハンティングにでかけ、「カレーが不味い!」という僕の言葉を真に受けて僕の推薦店を味わうために東京まで来て、そして「メニュー刷新しました!」という連絡が。ご覧下さいこのなかなかに食いしん坊の中に潜む食欲大魔神をムラムラッとさせるビジュアル!
■ザ・ミートショップ公式ページ ランチメニュー
http://the-meatshop.com/blog/wp-content/uploads/2016/10/2016lunch.pdf
ということで、博士論文の進捗報告会が終了したその足で、北大から大通りまで歩いて食べに行ったのです。
13:00過ぎにピークをずらしていったのだけど、まだサラリーマンやOLさん?たちで賑わっていたし、あとからもお客が入ってくる。やっぱり認知されているんだね。
ランチタイムはプラス150円でサラダとドリンクを追加できる。東京の価格感とのあまりの違いに驚く、、、
しかも道産の豆やコブ・ドレッシングなど魅力的。
E-M1 12-40mmf2.8
「社長から聞いてます、3品食べたいと、、、もし食べきれなかったら残してくださいネ。エミューのカツサンドはサービスさせていただきます」ということでありがたくお受けします。
で、最初は今回のメニュー改定で一番たのしみにしていた、NY仕込みのビスケットチキンサンドイッチ!
なんじゃこりゃ!!!!!!!!!!!!!! なルックス!
これはですね、まずバンズがパンではなくてビスケット(ビスキット)。といってもナビスコのビスケットみたいなのではなくて、どちらかというとスコーンみたいな、でももっと水分があって、ほのかに甘い麦感たっぷりのを割ったのがバンズなんですよ。
そのバンズが挟んでいるのが、空気をふんわり抱き込ませたメレンゲ状に焼いたオムレツ、その下になんと特大塩フライドチキン。そこに特製グレービーソースがいやでもか!とかかっているという集積だ。
いやもう
凶悪な中身過ぎて、言葉も出ない。
グレービーがねとっと手にくっつくのを気にせずバクリと行く。
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
これはうまいぃいいいいいいいいいいいい!
ビスケット生地の甘さと、塩フライドチキンのガツンと利いた塩味がバツンとぶつかり合い、その刺激をグレービーソースとチェダーチーズの油脂分が丸め込む。オムレツのふんわりマイルド感がまた気が効いて、全てを口中で合わせ噛みしていると、美味しさ渾然一体となっていく。
これは文句なしに旨い!
モモ肉は1枚分ドカンと使っているようだし、ビスケット生地も外注ではなく、店で焼いているそうだ。手間のかかり方もすごいので、1290円は妥当でしょう(ハーフもあって750円)。この味は他にはない。実はこれ、NYにこんな料理を出す店があるらしい。おっ 宮崎フーデリーの宮田武虎的な現地料理ハンティングの成果というわけか。なかなかいいじゃないですか。
さて二品目はエミューのカツサンド。
うおおおおおおおおおおおおおおおおおお
いいね!このルックスいいよっ
道内のエミュー飼育場と契約をして仕入れているこの肉、生っぽく見えますがちゃんと火は通しています。かといって火入れが過ぎるとバサバサになるので、ここは絶妙な塩梅に。通常はマスタードソースだが、今回これから展開しようとしている実験にお付き合い。
こちらは山ワサビ味。
こちらは柚子ごしょう(食べちゃったからわからないね)。
柚子ごしょう美味しいね!山ワサビはね、ペーストにしたのじゃなくて、ちゃんと店でおろしたのをそのまま載せた方がいいよ!
でもこのエミューカツサンド、とても旨いです。エミューじたいは淡白な味なので、そんなにガツンとくるというのではないが、濃いめのソースが秀逸で、キャベツとマスタードが絡んで食が進む。
さくっと食べてしまいました。パンの炭水化物とエミュー肉の蛋白質のバランスもいいんじゃないでしょうか。
さあそしてメインディッシュは、前回難ありと指摘しまくったカレーです。
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
飴色タマネギの含量がおおいぞっと目にみえるいい色と粒状感のルー!
名店デリーをおもわせるタマネギのアチャール!
そしてなによりライスの上に鎮座ましますチキンレッグ一本!
いやもうこれ、本当にいうことなし。素晴らしく美味しいカレーです。スパイス感強くタマネギ感も濃厚、辛みは嚥下した2分後くらいからじわりと効いて、後半に至る道でけっこう強くなってくる。
チキンはほろっほろに煮込まれているのか、ふわあっと崩せる!
やばい、札幌で美味しいカレーの筆頭はなんといっても北大のファカルティクラブ「エンレイソウ」で出すクラークカレーだと思うが、このカレーは登場しててなのにすでにかなり上位にランクインである!
けっきょく、三品ぜーんぶ食べてしまいました、、、
高原社長、今回の三品は言うことナシです。旨い! よくご精進されましたね、、、
ということで、ランチでもディナーでもお薦めできる店になりました。札幌で、典型的な観光客向けメニューに飽きたらぜひ入ってみて下さい。