やまけんの出張食い倒れ日記

北大での研究その1 学会論文の執筆

そういえばここ数年、北大に通っているということは書いていますが、北大で何を研究しているのかをあまり書いてきませんでした。時間を見てぽつぽつと書いていこうと思います。とはいっても、今日はあまり時間が無いので簡単に。

なぜ時間が無いかというと、とある学会論文の再提出の〆切なのです。よく「論文執筆で死にそう」と吐露することがありますが、何が辛いのかあまり伝わらないと思います。ブログで書く文章は、知らぬ間に5000字を超えていたりして、まったく苦でも何でも無いのですが、学術論文は本当に大変です。自分が思っていることをそのまま書いてもなにも評価されません。

論文を書こうとする分野には必ず先行する研究があるはずなので、まずはそのレビューをする。私はこの辺の先行する研究を理解した上で、まだ誰もしていないこのテーマについて書きますという前提を踏まねばなりません。今回私は横着して海外の論文レビューを手薄にしてしまい、しっかりと査読者(レフリーと言います)の先生から「もっとしっかり海外の事例を踏まえなさい」と指摘をいただいてしまいました。ですのでここしばらく、英語文献との格闘です。オンライン辞書がない時代だったらもうこの時点でアウトだったことでしょう。

そして、自分のテーマを展開していく際にも、自分の言葉で書いてはダメなのです。いちいち「このような事象については1990年にBeckerというひとがこういう見解を出しているのを参考にすると、これこれこうと解釈できます」というように、すでに学術的に意義のある研究として認められている文脈を踏まえなければなりません。そうでないと単なる作文だね、で終わってしまうのです。

今回、学会論文はすでに2度目の修正で、「コメントを踏まえて修正のうえ、査読なしで掲載」という判定になっています。つまり、軽微な修正をしてくれれば学会誌に掲載してあげるというもので、最終段階です。少しだけホッとしています。

では何について書いているのか、ということについては、また今度。これから通学です!札幌は快晴、でもかなり寒いです。