もう忘れてる人もいるかもしれませんが、私は岩手と北海道に短角和牛を複数頭所有しています。といっても預託しているという形で、僕が飼っている訳ではありませんが、餌代・世話代等をすべて負担しています。これは特例的にそうさせてもらっていることで、ここから得ることができる牛に関する知識たるや半端ではありません。
で、久しぶりに肉牛が出荷となります。それもなんとメスの子! じつは僕が二戸市で持っている短角牛の血統はなぜか、メスが生まれやすいんですね(そんなことあるはずはないのですが、いまのところ今年も含め4頭連続でメスが続いている)。
メスが生まれると、できるだけ繁殖用つまり肉にしないでお母さん牛にするように回します。なぜなら、短角和牛は減っているから。日本全国で牛さんを飼う農家が減少していて、とくにお母さん牛を所有して、子牛を肥育農家に供給する役割である繁殖農家が減っています。黒毛でさえそうなのだから、短角はダダ減りなわけです。
だから、メスが生まれたら子牛市場に出荷して、どなたかに買っていただきます。岩手県内の繁殖農家が買ってくれるのが望ましいけど、もしかしたら、県外や企業経営の買参人が買っているかも知れないが、そこは運。肉にならないで繁殖に廻ってくれーと心の中で祈りながら出荷します。
ただ、連続でメスが生まれてしまうと、、、肉にして食べることを愉しみにしてるのに、食べられないじゃん!ということになってしまう。ということで、2014年の段階で生まれたこのすみれちゃんは「ええい、食べたいからメスだけど肉にしちゃおう!」と決めたのでした。
ここに載せる写真は2014年の初夏に、牧野で母牛のいなほちゃんと一緒に居るところを撮ったもの。
いなほとすみれの授乳シーン。
いまやこんなめんこい感じじゃなくて、でかくなって丸々としていますので、あまり罪悪感を感じていただかなくて大丈夫(笑)
ちなみに肥育農家は同じ二戸市の漆原さん。ということは、餌に与えているのは、通常の配合飼料の比率をだいぶ下げて、岩手県産の雑穀のヌカ(カス)、南部せんべいの切れ端、そばやうどんの乾麺の不良品などのエコフィード。そして米を破砕したものをけっこうな分量給餌していたのだけど、その味がどうも気にくわなかったので「あれやめた方がいいですよ」と猛烈に関係者一同で要望し(笑)、減らしていただいた。
ということで、美味しくなることはほぼ間違いない。
さて通常なら岩手県内の肉牛は、同じ県の食肉センターに送ってと畜してもらうのだが、その岩手のセンターはいろいろとムカつくことが多いので、そこでは処理をしません。
代わりに、隣県になるけど青森県のスターゼンのセンターにお願いします。ここは実に良心的、スターゼンさんありがとう!
ただし、いつもの出荷とはかなり様相が異なる。というのは、ロースとモモは骨付きで、ドライエージングをちゃんとやりたいので、真空パックをかけないで輸送していただく。これをオーダーするのがまたちょっと大変。骨付きで、しかも部分肉にしてないのを配送してもらうのはかなりの難題なのだ。関係者のみなさまありがとうございました。
気になるお肉の行方ですが、全部自分で売ります。
まず 骨付きロース2本は、静岡県のさの萬さんでドライエージングを50日間していただきます。
そして骨付きモモ2本は、浦安のマルヨシ商事さんでドライエージングを同様に。
これらドライエイジドビーフを食べる会を、今年こそ八丁堀のシュングルマンで開催します。11月中になりますね。それ以外の部位の肉は、一般向け販売します。ブログで告知しますので、ぜひみなさんお買い求め下さい。
メスばかり生まれているので、来年、再来年はこのような肉販売はありません(笑)この機会をお見逃しなく。ブログとツイッター、Facebookでいきなり告知しますのでね。早い者勝ちです。