おむすび権米衛は、おにぎり業態の孤高の存在と言っていいだろう。なんと現在の45店舗ですでに200町歩(200ヘクタール!)分の田圃に換算できるお米を使用している。200町歩ですよ200。
それも一般流通米ではなく、秋田県などの特別栽培米を契約取引で、一般からすれば驚きの高値で買い取っている。しかも、その産地の生産者のお子さんを優先的に雇用する。それによって産地との結びつきが強固になり、品質面でも供給の安定面でもメリットが出る。
日本国内だけではなくアメリカにも出店しており大成功。さらなる海外展開も計画進行中だ。こんなに面白い会社なのだ、ぜひ「専門料理」のインタビュー記事に出て下さい!とお願いをしたのだが、「一切の取材を受けないことにしてるんですよ、ゴメン」と言われてしまい残念ながら諦めた。
その岩井さんから「先日はインタビュー断ってゴメンね、ちょうどらでぃっしゅぼーやの後藤君が卒業されたから、呑みましょう。徳江さんも誘ってあるから」ということで、日本の有機食品の流通に関わるビッグネーム(僕は除く)の集まる会になったのである!
場所は銀座「東家」。「小十」の奥田さんのところで研鑽を積み、独立されたご夫婦のお店で、一日一組しかとらないというお店である。
オーガニックビジネスの黎明期から動いてきた立役者の面々揃いし夜。
らでぃっしゅをご卒業されたが、暇になるかと思ったら全然そんなことはなくて、逆にいろんなところから引っ張られまくっている後藤さん。相変わらず腕相撲が強そうです。
元らでぃっしゅぼーやの代表取締役、徳江さん。ちょっと痩せて精悍な感じに戻られましたな。
そしておむすび権米衛の岩井社長。なぜか作務衣でご登場。
「いやこの店は長いつきあいでね、店主がいつも作務衣着てるからそれに合わせたんだよ~!」
毛蟹の身のかにミソ和え、焼きナス、ヤングコーン。
日本酒はいろいろあるが、新政の6号酵母の酒からじゅんじゅんに。
はやくも松茸、と思ったけど、暦の上ではもうぜんぜん秋でした。暑いから国産は無理だろうと思っていたら国産でした。香りはまだこれから乗ってくると思うけど、それでも十分に美味しい。イクラとの相性抜群。
なんてよいお椀!とうちの嫁さんが写真を見て声を揚げてました。
たっぷりの鱧と、ここにも松茸。
素晴らしい塩梅のつゆに松茸の香りがほのかに溶け込んでいる。美味しいね!
話題は、これからの日本の食の目指す道。
地域でいかに農を残していくか、その戦略。
そして、おむすび権米衛がどんな調達を行うべきか、地域を守る会社となるべきか、徳江さんがこんこんと岩井さんに話をしていた。
ある地方の中山間地の集落がもつ田圃の面積は、集落あたり10町歩程度。それを丸ごと引き受けていく法人がある。そうした法人の米を引き受けると言うことは、地域を守るということになる。そんなビジネスをやるべきなんじゃないか?それを海外にも拡げていくことが重要なんじゃないか、と。
豪快に、惜しげなく盛り込まれた松茸の炊き込みご飯。
ぎんなんの風味が効いてて美味しい!3杯おかわりしました。
〆はおうすを、店主みずから点ててくれる。
いやーーーーーーーーーーーーー
最高に楽しく贅沢な時間! 料理も、そして空間も美味でありました!
ほんとうに、先人に学ぶことは多い。またこのメンバーでどこかに行きたい!
岩井社長、お声がけいただきましてありがとうございました!