もうタイトル通りなんです(笑)あの満寿屋が東京にやってくる!場所は目黒区、都立大学駅から徒歩5分の場所だ。
満寿屋といえば帯広を中心とする十勝で育ったものなら必ず食べているはずのパン屋さん。創業1950年という老舗だ。
しかも、小さなパン屋ではない。大きな店舗を十勝管内に6店舗展開し、年間小麦使用量は200トンにもなろうという老舗だ。
社長の杉山雅則さんからはここしばらくのあいだ(といっても2012年頃からのことだ)、東京進出のことでいろいろ相談を受けていた。満寿屋が東京にきてくれるならとても嬉しいけど、東京はやはり日本のパンを巡るシーンでも競争の激しい地域だ。失敗させるわけにはいかない、、、物件も見に行ったりしたのだが、最終的には杉山君が「行くぞ!」と判断して決まった。
場所はここだ!
目黒通り沿い・東急東横線都立大学駅から徒歩5分 距離約400m
東急東横線自由が丘駅から徒歩15分
好立地なのかどうかはわからない。ただ、2~3年で判断するのではなく、じっくり構えて知名度をじわじわ上げていくということができるならいいだろう、という立地だと思う。
まあでもね、満寿屋のパンは圧倒的に美味しいですから。
帯広で店舗に行ったことのある人ならわかるだろう、あの圧倒的な品揃え。
しかも、どれも名物級の完成度だ。
僕などは、帯広に泊まる夜、3軒くらいはしごしてたらふく食べた後、繁華街の片隅で深夜営業している満寿屋で買い込んで、「これはお土産」とツブヤキながら、けっきょくその夜食として食べてしまうということばかりである。
中でもオリジナルで美味しいのは、このブログでは何度も書いている「白スパサンド」!上の写真の上段に写っている、白い具を挟んだサンドイッチだ。
サンドイッチコーナーにはこのほかにポテトサラダやナポリタンのサンドなどもあるのだが、圧倒的人気を誇るのが白スパサンド。冷蔵陳列ケースのど真ん中に置いてあるのがわかるだろう。
白スパというのは、満寿屋特製の辛子マヨネーズでスパを細かく刻んだものと野菜、ハムなどを和えたものだ。この辛子マヨネーズが手造りで、秘伝中の秘伝。こだわり系惣菜を出すスーパーがこれをなんとかコピーしようとしているのだが、本家を超えることはできず。
僕は最初、JA幕別町のノムさんと岡坂さんコンビにこの白スパサンドの美味しさを教えてもらった。
「十勝の子供は白スパサンドとインデアンカレーで育ってるんだよ」
マジでそうだった!(笑)
しかしこの店の魅力はこうした惣菜パンに留まらない。
社長の杉山君は、社長をお母さんからひきつぐまえから、店舗で焼くパンの十勝産小麦化を推進してきた。国産小麦を使うことはただでさえ難しいと言われていた時代からずっと取り組み、そしていまやほぼ100%十勝産小麦なのである。これがどんなにスゴイ事か、わかる人にはわかるだろう。
国産小麦は外国産小麦にくらべてパンやピッツァにしにくい。なぜかというと、酵素が強く生きているから、発酵させた状態で、ピークとなる美味しいタイミングが素早く終わり、過発酵のような状態に進んでしまうのが早いということだ。じつは以前、うちの会社の近くにあるイル・タンブレロに無肥料栽培の十勝産小麦を持ち込んでテストしてもらったのだが、「無理っす!生地がすぐにだれちゃいます!」と言われてしまった。それが欠点なのかと思ったのだが、ようするに外国から持ってくる小麦はながいこと船に揺られ、燻蒸などもされているので、活性を失っているということのようだ。
その代わり、十勝産小麦で上手く焼けたパンは「むちゃくちゃ美味しい!」のだ。というのは、小麦の「香り」というのは、外皮ちかくにある層の部分と胚芽周りにある油の成分に多く、それらは製麦してすみやかに食べないかぎり揮発して消えてしまうということらしいのだ。
内麦とよばれる国産小麦の正義はそこにあるのだと思う。
そんで、写真に出ている満寿屋の食パンはかなりいろんなバリエーションがあるのだが、ことごとく美味しい。風味があるのだ。よく「小麦の香りが」といっている多くが、違うものの香りだったりする。けれども満寿屋のパンからはほんとうに香りがするのだ!
それを味わうには、食パンはいいバロメーター。
まあとにかく満寿屋の東京店ができたら、騙されたと思って買いにいってみて欲しい。きっと他と違う味と香りのパンに出会えるはずだ。
もちろんデニッシュ類も美味しい。そして、ぜひ東京で実現させて欲しいのがこのパン。
これ、なんだかわからないよね。豚丼パンなのです。ほんとに、中に豚肉と玉葱、そしてご飯まで入ってる。十勝名物の豚丼がはいったパン。マジで旨いです、、、
一昨年、満寿屋パンの新入社員の入社式で、僕は講演をさせていただいた。その時、杉山社長の奥様(ピアニストである)と一緒に十勝を回らせてもらった。とても楽しい一時だった、、、
杉山君、東京店楽しみにしてるよ。
オープンは11月の予定だ。このブログで随時、続報を出していこうと思っている。