さて、最近もちあるくレンズその2がこの、世界でSIGMAだけが実現した20mmf1.4だ。20mmという焦点距離は超広角レンズとよばれるもので、人間の視界より広いダイナミックな光景を切り取ることができる。のだが、このレンズはその焦点距離で初めてf1.4という明るさを実現した。
SIGMA 短焦点広角レンズ Art 20mm F1.4 DG HSM キヤノン用 フルサイズ対応 シグマ 2015-11-20 by G-Tools |
カメラのことよくわかんなーい、という人はこのf1.4とか、何言ってるか全然わかりませんと思われるだろうが、この数字が小さければ小さいほど高性能なレンズ、といってもまあ差し支えないと思う。一般的な超広角レンズの明るさはどんなに明るくてもf2.8というのが多かったが、それをポートレート用レンズの最も高級版の明るさともいえるf1.4を実現してしまった。
もちろん、レンズ中腹部にみえる○にAとかかれたエンブレムが示すように、このレンズはSIGMAが誇るARTシリーズだ。ARTというのは、とにかく重さとか大きさとかは無視してレンズ性能を優先してしまったシリーズだ。それゆえこのレンズ、およそ950gと重い。ぼくはニコン純正の16-35mmf4を持っているが、そちらは680g。もっと広角で、しかもズームできて軽い。けれども、ここしばらくこの超広角ズームを使うことがほんとうに少ないというのが実情だ。
なぜかというと、この20mmがあまりにすごいレンズだから。ゆがみがほぼみられないので、建物の外観や内観を安心して撮影することができるというのはもちろんだ。
例えばこの写真を見て欲しい。f1.4で会津坂下町の田んぼを撮影した。
このブログの表示サイズ横753ピクセルだとよくわからないかもしれないが、この会津の田んぼの一番手前のほうの稲がうっすらぼやけているのがわかるだろうか。f4だと、これがもうボケにくくて、画面全体がしっかりボケなしに描写されてしまう。ちなみにこの画像をクリックいただくと、横2000ピクセルに拡大されるので、ぜひ超広角なのにボケてる!という状態を確認していただきたい。
ただしご覧の通りの青天の午前中だったので、明るすぎてf1.4で撮影するのがかなり困難だった。シャッタースピードが1/8000なのでそれも分かると思うが、、、三脚を使ってNDフィルターをつけて撮影する方がいいかもしれない。
ただし、、、
ご覧の通り、レンズ前玉がドカーンと前にせり出したいわゆるデメキンレンズなので、よくある小型のレンズフードはつけられない。角形フィルターをホルダー経由でつける必要がある。ご丁寧にもこの20mmf1.4専用のフィルターホルダーが出ているようなので、探してみて欲しい。僕は今度、買うつもりだ。ほんとはSIGMAが作ってくれるのが一番いいのだが、、、
それにしても撮影していて心地よいレンズだ。
D800の背面液晶での確認では「んー まあ風景は撮れてるな」というくらいにしかわからないのだけど、帰宅して大きな画面(僕の使っているモニタはEIZO ColorEdgeの27インチ)でみると「おおおおおおっ」と驚いてしまう。雄大に、そして繊細に写してくれているのだ。
f1.4という明るさを活かせば、暗所撮影もこなしてくれる。けれどもやはり地灯りを活かしてある程度クッキリ写すためには、三脚を使っての撮影が望ましい。
そしてやはり、このレンズが真価を発揮するのが建築物の内観撮影だろう。
先日お届けした、渋谷区松濤にあらわれたジビエのエレゾ・ハウスの撮影ももちろんこれだった。
そんなこんなで、最近ほんとに広角レンズはこの一本。そして先のエントリに書いたタムロン90mmf2.8マクロ。そして、万能の24-70mmf2.8を持っていくというパターンが多くなっている。
ここまで来たらSIGMAには、16mmf1.4とかまで頑張って作って欲しい。おそらく一本で1kg超えてしまうだろうけど、そのレンズにしか出せない絵ができることだろう。あと、すみません角形フィルターホルダーをお願いします。広角ほど必要なんだから!
SIGMA 短焦点広角レンズ Art 20mm F1.4 DG HSM キヤノン用 フルサイズ対応 シグマ 2015-11-20 by G-Tools |